リデザインワーク

リデザインワーク

リンダ・グラットン

 

はじめに 人も組織も今すぐ変わるべきこと、変わらないこと

・コロナ禍が引き起こした大激変を理解するため、変革のプロセスに関する心理学者クルト・レヴィンの「凍結・解凍」モデルが参考に。

〇レヴィンの組織変革の3段階モデル、「解凍」→「変化(学習)」→「再凍結」。「ブランド・チェンジ」という考え方⇒組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす

 

1 どのように仕事をリデザインするか

・パンデミックの衝撃をきっかけに、多くの企業で自社の価値観とパーパスを再検討しようとする機運とエネルギーが生まれた。(中略)自社ならではのシグネチャーともいうべき働き方を確立することを目指すように。(中略)人材を引き付け、つなぎ止め、生産性を向上させ、イノベーションを後押しする目的。

 

2 理解する

・社内の人的ネットワークは組織の健全性と活力を維持するうえで非常に重要な役割。

・いくつかの研究では、友人関係の強さと、学生寮の部屋の距離の間に直接の相関関係が見出されている。(中略)強い紐帯で結びついた人的ネットワークは、暗黙知を表面に引き出すことにたけている反面、新しいアイデアを生み出すことには長けていない。

〇SWT(Strength of Weak ti)e⇒世界標準の経営理論【第4部】社会学ディシプリンの経営理論

・仕事のあり方を設計し直そうとするときは、境界連結者になりうる人物が誰かを考える。他者たちと自然に結びつく経路を作り出しているか否か。(中略)多くが自宅で仕事をするようになって、そうした出会いの機会が著しく減れば、創造性の火花が飛び散る機会も激減しかねない。

・この種の職場(金融業界)では、多くの場合、ライバル企業に移籍した人の成績が低下するという調査結果。以前の職場で成功を収めていたのは、本人の能力以上に、その職場で形作った人的ネットワークによる部分が極めて大きいことが明らかに。

〇一人だけでは仕事はできないということなんですよね⇒中途採用人材を活かすマネジメント

 

3 新たに構想する

・オフィスを協力のための場、自宅を活力の源、非同時型の勤務時間を集中のための時間、同時型の勤務時間を連携のための時間と位置付ける。

・自宅から職場へ出勤する時、一連のプロセスを通じて、家庭に関する感情を弱めて、代わりに仕事に関する感情を強めていくという「バウンダリー・ワーク」が行われないと、「役割の越境」が起こり、集中することが難しくなり、ストレスが増す。

・在宅勤務で常に仕事に対応できるようにしようと考える大きな理由の一つが「FOMO(fear of missing out)」、取り残されることへの不安。昇進と昇給。

・在宅勤務 - 温室効果ガスの排出量は自宅の省エネ度しだい。

〇太陽光発電の問題は最近ではかまびすしいですが・・・。

・なぜ物事が起きるのかという仮説を立てられるのは人間の精神だけ。また時間軸の面では、機械は未来を想像することができない。

・「ソーシャル・ローフィング(社会的手抜き)」状態になるリスクを小さくするためには、出席者を6人未満に抑える方がよい。

・様々なタイプのグループに問題解決に取り組ませる実験。メンバー同士が常につながっているグループは、最終的に到達する解決策は平均的なものに収れん。(中略)時折つながるグループは、互いのアイデアから学んでおり、「集団的学習」のプロセスが極めて大きな意味を持っていた。

 

4 モデルをつくり検証する

・年齢を重ねるにつれ、蓄えられる知見や人的ネットワークや知識な知恵や戦略である「結晶性知能」が育まれていく。

・ユニリーバ。社員に月々の基本給とプロジェクトごとの報酬を支払う「Uワーク」。社内の福利厚生も対象に。(中略)Uワークに参加した社員のうち、以前の雇用契約に戻った人は一人もいない。

タニタの働き方革命

・「人間らしい」業務を行うためには、高いレベルの対人スキルとしての、共感力や聞く力、判断する力が必要だが、容易ではない。分析や意思決定や論理的判断などの認知的スキルを育む方法はある程度明らかになっているが、基礎的な人間的スキルを身につける方法はあまりわかっていない。

・基礎的な人間的スキルを身につける3つの障害、「学校での教育のプロセス」「家庭でのテクノロジーの使われ方」「仕事におけるストレスの大きさ」。前2者に企業ができることは少ないが、仕事のストレスについてはできることは沢山あるかもしれない。

・職場で不当な扱いを受けるなどストレスを感じているとき、大脳辺縁系(感情に関わる脳部位)の海馬は、他人の身になって話を聞いたり、ある状況の文脈を理解したりする能力が大幅に低下する。

 

5 行動して創造する

・マネジャーがチームの優先課題を明確に示し、チームの文化を育み、メンバーのワークライフバランスを支援すると、メンバーはほかのメンバーとの間に感じる絆が強まり、仕事に対しても前向きな気持ちを抱く。

・「リーダ・オブ・ワーク」と「リーダー・オブ・ピープル」に分割。

〇これ、どちらも同格ということですが、ケアを間違えるとわだかまりや対立が起こりそうな気がするけど、そんなことないのかな?

・IBMでは、マネジャーたちの意思決定を助けるためにチャットボットを活用。社員との対話に臨むとき、昇進の時期や研修の受講履歴などの情報をリアルタイムで提供。これらのデータの基づき、いわば話し合いの台本が用意される。

〇これ、マネジャーにはありがたいのではと思います。その台本をいかに台本ぽくならないかを、インプロを通じてモノにしてほしいです⇒非言語コミュニケーション研修

・「つねに切迫感を持たせる」ためには、リーダーが変革の必要性を前向きな言葉で表現し、社員にそれを自分ごとと思わせる必要。(中略)それまでの行動をやめたうえで、道の行動、すぐには自信の持てない行動を取らなくてはならないのが大人の学びの難しさ。大人の学びにはほぼ例外なくアンラーニングが必要。

〇脅すのではなく、励ます・エンパワーすること。

・スチュワート・フリードマン教授は「偉大なリーダーは『リアル』でなくてはならない」と。リーダーへのコーチングを行う際、自分はどのような人間で、どこを目指しているのかについて、聞く人の心を揺さぶるストーリーを語る練習をするよう勧めている。「自分のストーリーを知れば自分自身のことがわかる」。

〇自己開示が必要ということ。それが心理的安全性につながります。

 

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