BRAIN DRIVEN

BRAIN DRIVEN

青砥瑞人

はじめに

・ハウツーを学んだなら、自己を知り、環境を知り、自分の場合はどうすれば良さそうか試行錯誤し、自分の脳の中のハウツー創造のプロセスによってのみ、自分ならではの価値あるハウツーを体得できる。

CHAPTER1 モチベーション

・メタ認知の意義は、自分を客観的・俯瞰的に見ることで自分自身の脳に自分自身についての情報を書き込み、「自分を持つこと」。自分の感じ方、考え方、振舞い方を知れば、自分で感じ、考え、行動する、自律的な脳が育まれる。

・「Use it or Lose it」。「使われれば結びつき、使われなければ失う」。使われないと刈り込み(プルーニング)などが行われる。(中略)最も遅く発達する前頭前皮質でも、2歳でシナプス数のピークを迎え、刈り込みがスタートする。

・何かを極める人は、必ず自己と向き合い、自己についての考察を深いレベルで行い、感情や感覚を捉えている。

・モチベータ=行動を誘引する始点となる間接的な原因、モチベーション・メディエータ=行動を誘引する直接的な体内(脳内)の状態、モチベーション=行動を誘引する直接的な体内(脳内)の状態を認識した状態。

・ボトムアップのモチベーションをトップダウンのモチベーションの栄養に転用する。(中略)空腹によるドーパミン誘導を「勉強」に「意識的に」振り向けることができれば学習に対するパフォーマンスは高まる。

○これは面白いです!欲望のコントロールの仕方。

・やる気スイッチ・モチベーショントリガー。お気に入りの名言や本や漫画、音楽などでモチベーションを高める。(中略)モチベータと関連付けて身体的動作を導入するとさらにモチベータの効果を高めることができる。

・神経科学の大原則「Neurons that fire together wire together」。同時発火された神経細胞は結びつく。ヘップ則。シナプス可塑性のルール。

・モチベーションに関連する神経伝達物質として重要な二つ。ドーパミンとノルアドレナリン。

・ドーパミンは「SEEK」の情動。ノルアドレナリンは「Fight or Flight(闘争または逃走)」。行動を誘引する役割。

・ドーパミンが発露すると脳内アヘンと呼ばれる快感物質「βエンドルフィン」を、ノルアドレナリンは戦う時などに出る「コルチゾール」と呼ばれるストレスホルモンを導きやすい。

・この二つの神経伝達物質は並列関係ではなく、ドーパミンの分泌がノルアドレナリンに先立つ。

・モチベーションを高める上で重要な「心理的安全状態」。(中略)心理的危険状態を心理的安全状態に移行させるため、「目的やゴールを設定する」ことで曖昧性を回避する。また、曖昧無知な状態では不安や恐怖を感じやすい脳の特性を知り、その状態を受け入れることも大切。(中略)「無知の知」により、自己の無知や未熟さの対象の曖昧性が回避され、解決手段を模索し、成長の機会の創出につなげる。

○自分ができないことを認める勇気も大事です。

・モチベーションが高まっている状態は、ノルアドレナリンとドーパミンが出やすい状態。好奇心を持ったり、何かやってみたいと思っている時は主にドーパミンが出やすい。避けたい、嫌い、大変だと感じる作業の時はノルアドレナリンが出やすい。

・ドーパミンが出ている状態では、WANT、SEEKに加えて「TRY」の情動も。

・ドーパミンは海馬と扁桃体にも照射される。海馬は「エピソード記憶」、扁桃体は「感情的な要素の記憶」を保存。解剖学的なつながり。ある出来事を思い出すと、それに伴う感情も引き出される。

・何かを学ぶときには興味関心を持つこと。学びを行っている時にドーパミンが放出されているか否か。内容に興味が無かったとしても、「教える人」や「心躍る環境」などに興味があれば、学びは促進されやすい。

・体験学習で事象を価値として認識できるようになると脳は「LIKE」という反応を示す。WANTは「欲する情動反応」に対してLIKEは「学習済みの快の認知的な判断」を含む。このLIKEは「直感」に近い。

・SEEK・WANT・TRY・LIKEを感じている時はドーパミンが出やすいと知っておくのは、自分 の快の予測、報酬予測に役立つ。モチベーションを高めるのに有効。

・人は「できないところばかりに目が向いてしまいやすい」性質を持っている。(中略)だからこそ、意識的に良いところを見ていくのは重要なトレーニング。「いいとこセンサー」。普段使いづらい脳機能を意識的に使うことで脳は育まれていく。

○普段から脳を意識することで自分をコントロールする。「脳のお世話係」⇒マインドセット

・ドーパミンは予測差分によって放出される。自己の予測に反することはポジティブであれネガティブであれ、自己の学習に必要。慣れによる予測差分を生まない状態がドーパミンを生み出しづらい脳の状態。

○「快楽の踏み車」⇒ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る

・誰かに何かをお願いして、その期待値を意識的に下げる。ドーパミンが出やすくなるスキル。

○ある大学の教授に教わりました(^-^;⇒ラーンフォレスト合同会社~相手に対して「自我」を抑えるために「寄りかからない、期待しない、出来たらほめる」~【OJTメンター・指導員研修/フィーリング・コミュニケーション研修】講師チャンネル

・苦痛を感じている時に頑張ると、脳内では様々な快楽物質やドーパミンを含めた成長伝達物質がオンパレードに。いわゆる「フロー」に近い状態。(中略)ドーパミンは学習、記憶定着、効率化を担うから成長を促す。

・「自分ごと化」=自分の脳内にある過去のエピソード記憶、感情記憶、価値記憶を振り返り、目の前にあるモノ・コトと関連付ける作業。

・違和感と葛藤もモチベーションの大きな糧。(中略)ある情報が脳内に入った時、前帯状皮質(ACC)がすでに脳内に刻み込まれている情報とずれていたり、おかしいと感じたりするときに活性化。非言語的な感覚として脳に違和感を届けてくれる。

・自分で葛藤し、自分の脳内で葛藤状態を解決して行動するからこそ差分が生じ、ドーパミンも出やすくなり、学びや学習の記憶定着効率が高まる。

・「Neurons that fire together wire together」の原則に基づき、「挑戦した時の記憶」と「そこから得たものの記憶」を脳で同時に再現することで、「挑戦すると何かを得られる」という脳の配線が出来上がる。

CHAPTER2 ストレス

・ストレス反応が起こると記憶定着効率が高まり、学習効果を高める。

・脳には三つの大きなモード。「デフォルトモード・ネットワーク」「セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク」「サリエンス・ネットワーク」。

○サリエンス・ネットワークでダイナミックに切り替える。

・「成功体験の過程で起こった失敗体験」を振り返ることは、「純粋な失敗体験」を振り返るよりも学習のチャンス。

○失敗を失敗で終わらせないことが次につながる!

・部下が烈火のごとく怒る上司に委縮してしまう状態は「思考停止状態」で(中略)脳が思考できない以上、その上司からのフィードバックがあっても何も学べない。

・脳と記憶の状態は、意識的に注意を向け続けなければ「Use it or Lose it」の原理に基づく。(中略)感情の書き換え。ネガティブな感情の記憶がこびりついた扁桃体と、それを引き起こす海馬のエピソード記憶の配線を書き換える(Rewiring=再び結び変える)必要。

・部下の愚痴を聞く。具体的な解決策を示さなくても、寄り添うという安心感を与え、勇気づけることができれば、エピソード記憶と感情記憶がネガティブからポジティブに書き換えられ始める可能性。

・ネガティビティ・バイアス。脳は何らかのエラーが起きていたり、おかしかったりするところに目を向けやすい構造をしている。

・βエンドルフィン以外にホメオスタシス的に脳の状態を整えてくれる脳内化学物質のセロトニン。

・皿洗いでセロトニンが誘導される可能性。

○ビル・ゲイツさん、ジェフ・べゾスさん。「私がすることの中で最もセクシーなことだと、確信している」とべゾスさんはインタビューで語ったそうです。私も「皿洗い係」(笑)

・セロトニンの分泌は、単調リズム性と太陽光に反応。(中略)朝日を十分に浴び、大量に合成されたセロトニンは、夜に向かって分子構造を変え、睡眠導入に重要なメラトニンに。

CHAPTER3 クリエイティビティ

・創造とは、周りの評価に関わらず、本人にとって新しく価値ある情報や刺激を脳内で生み出すプロセスをいい、その能力をクリエイティビティという。

・クリエイティビティに重要な3つの脳の仕組み。「神経可塑性(Neuroplasticity)」「『Use it or Lose it』の原則」「Neurons that fire together wire together」。

・違和感を覚えるのは脳に根拠が。そこに至るにはその分野にどっぷりと浸り、自己の内側の反応に興味を持つこと。違和感の正体に気付くことができれば、それについて考え、言語化し、非言語的な絵や音楽などに表現することもできる。(中略)違和感はクリエイティビティの宝庫かも。

・前頭前皮質の前側に位置するrlPFCがクリエイティビティの発揮に関与。根拠のない自信を与え、楽観的な状態を作るうえで大切な脳部位。

・rlPFCの機能を育むには、自分にとっての新しい挑戦や、未知のものに取り組み何とか乗り切った体験を脳に刻み込むことで「挑戦に伴う不安感」を「挑戦に伴う成長や変化への希望」と捉える脳に変える必要。

・解剖学的には、脳が行う情報処理は、圧倒的に非言語的なものが多い。(中略)非言語的な情報処理を大切にし、曖昧なことを嗜んだり、非言語的な反応を、言語の限定性を認識したうえで言語化することにトライしてみることも大切。

・(著者の)3歳の甥の一言、「足がメロンソーダ」。足がしびれたことを表現。

○子供は皆クリエイターですね。

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