板橋区の起業家インタビュー、記念すべき第1回は、新板橋でBistroむじかを営む伊藤シェフにお話を伺いました。

2015年11月にオープン。常連さんに愛されるお店作りにいそしんでいるそうです。

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伊藤さん:専門学校で料理を学んだのですが、もともと好きだった音楽で食べていこうと思っていました。今思えば、甘かったですが(苦笑)。バンドをやりながら、飲食店の厨房でアルバイトをしていました。

伊藤さん:アルバイトをしていた会社に26才で就職。31才の時、企業向けの給食を作る会社に転職しました。企業の食堂で、店長みたいな仕事をしていました。パートの方の労務管理全般を見ながら、厨房にも入る。大変でしたが、起業する上では良い経験でした。

伊藤さん:いつかは自分の店を持ちたいという思いはずっとあり、40才で独立しました。不安でしたが、仮に5年やってダメだったとしても45才。調理の腕があれば、どこかに雇ってもらえるだろう、という楽観もありました。5年遅らせて独立して5年でダメだったら50才。さすがにそれは厳しいかなということも考えながらです。

ー起業する際に、ご家族には相談されたんですか。

伊藤さん:はい。とはいえ、当時子どもが小学5年生。安定した生活から飛び出すのは妻も不安だったと思います。支えてくれたおかげで今がありますね。

ー何故、板橋に?

伊藤さん:ふじみ野に住んでいたので、当初は東武東上線沿線を探していました。半年ほど探していたのですが、「これは」という物件が無くて。今の場所は、駅近のわりに初期投資も押さえられて、ここが良いかなと。正直、探し疲れたというのもありましたが(苦笑)。

ー開業して6年(2020年12月現在)。私も6年目ですが、お互い頑張っていますよね(笑)3年が起業して一つの山場だと思うのですが、伊藤さんはどの位で「いける」と思いましたか。

伊藤さん:丸2年たった頃、でしょうか。とは言え、今でも不安はあります。予約があるとホッとしますが、そうでない時には、「今日はお客さまが来てくれるかな」、と店を開けるたびに思いますし。

伊藤さん:ここまで続けてこれたのは、リピートしてくれるお客さまのおかげだと思っています。オープン当初から毎月来てくれるお客さまもいらっしゃいます。リピーターの方には感謝しかないですね。恩返しをしたいという思いが続ける原動力になっています。

ーオープン当初と比べて、メニュー単価が上がっているそうですね。

伊藤さん:良い食材を使うとやはり上がってしまいます。ですが、美味しいものを食べてもらいたいという気持ちに嘘はつけません。原価率との葛藤はありますが(苦笑)。ただ、正直に言うとお客さまが離れてしまうのではないかという恐怖感もありました。実際、単価が上がることで客層が変わったといえるかもしれません。

ーそれでも、リピーターは変わらず足を運んでくれる。美味しいですからね(笑)食材へのこだわりはあるんですか。

伊藤さん:京都の有機野菜やBIOワインを仕入れているので、「自然派のお店」と見られる側面もあるのですが、実はそれも「たまたま」なんです。京都の農家さんは昔からの知り合いですし、ワインは知人に紹介して頂いた自然派ワインのインポーターさんから主に仕入れています。もちろん味は言うまでもありませんが、あえて言うなら僕のこだわりは「ヒト」です。好きな人、信頼できる人から仕入れることを大事にしています。

伊藤さん:余談ですが、美味しいものを提供してくれる方たちに共通しているのは、「仕事がキレイ」なこと。丁寧だし、迅速。梱包一つとっても手抜きがありません。ただ、めったにないのですが、たまに雑な梱包・包装で送られてきた時は「何かあったのかな、忙しくて大変なのかな」と心配になる事があります(笑)。

ー私は仕事で起業家育成のお手伝い比企起業塾をしているのですが、起業家に大事なことの一つは、自ら動ける人材であることだと思っています。これからの時代は会社勤めの人も「自律型人材」が求められる傾向もありますが、伊藤さんが思う「自律型人材」というのは、どういうものでしょう。

伊藤さん:やりたいことがハッキリしている人・・・うん、それもそうですが、「思考を停止しない人」でしょうか。起業家はもちろんそうですが、会社勤めの方でも、上から降りてきた案件だろうと自分で考えて行動する人が「自律型人材」だと思います。私の周りにいる起業家の方達はとにかく行動力がすごい!自分も頑張らないと、と思いますが、中々(笑)。

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終始柔らかい物腰で話す伊藤さん。「美味しい食材を提供してくれる人は食材に愛情を注いでいる」という言葉は素敵でした。

伊藤さん、ありがとうございました!

 

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