組織になじませる力

尾形真実哉

 

第1章 「組織になじませる力」

・企業規模は関係なく、オンボーディングに力を入れているかいないかが、中途採用者の定着とパフォーマンスに重要。

 

第2章 新卒採用者の組織適応課題

・「既存型リアリティ・ショック」。楽観的・非現実的な期待に対して、反する厳しい現実が待っていた場合に直面。

・「肩透かし」という新しいタイプのリアリティ・ショック。自分自身を鍛えてほしいという厳しさへの期待が裏切られたときに生じる。

○働き方改革。良い面はたくさんありますが、逆にこういう側面もあると。法で縛る弊害もあると。

・「専門職型リアリティ・ショック」。看護大学生は、厳しい現実が待っているという覚悟を抱いている。現実把握による機体の抑制は、リアリティ・ショックも抑制。

・入社2年目がキャリア初期の成長段階において重要な意味を持つ。(中略)2年目になると余裕も出て理想と現実の擦り合わせが、個人の心理状態に多様な変化を生じさせると考えられる。

・「遭遇型のリアリティ・ショック」はすぐに顕在化し、内省を伴わない表層的なもの。会社への愛着に影響。「擦り合わせ型のリアリティ・ショック」は、内省で生じる理想や期待と現実のギャップであり、離職意思に影響を及ぼす可能性も高い。

・リアリティ・ショックのポジティブ効果。「覚醒効果」「学習促進効果」「人的ネットワーク広範化効果」「メンタル効果」。組織適応を阻害し、離職を引き起こすネガティブな側面だけではない。

・リアリティ・ショックの克服に苦しんでいる時は辛くても、キャリア全体を通して回顧的に振り返れば、その経験がポジティブな影響を与えていたということも。

○それを見まもってくれる人がいるかどうかが分かれ道ですね。

 

第3章 リアリティ・ショックへの組織の対策

・RJP(Realistic Job Preview:現実主義的な職務の事前提供)。離職行動を抑制するために、内定者に非現実的な期待を抱かせないことが重要であり、採用プロセスではネガティブな側面も含めた、現実に基づく職務情報を提供することを提唱。米国の産業心理学者のワナウス。

・「就社」と言われる日本の場合、より広い範囲での正確な情報提供の必要性。ROP(Realistic Organization Preview)、RCP(Realistic Careerpath Preview)、RMP(Realistic Member Preview)。

・リアリティ・ショックを生じさせる「白い嘘」。伝えるべき情報を敢えて伝えないのことが原因に。

 

第4章 中途採用者の組織再適応課題

・暗黙のルールの理解の困難。長い仕事経験の中で無意識に習得してきた、言語化が難しい知識(暗黙知)。自身で感じ取ったり、観察して理解していくしかないもの。

・イノベーションや組織学習につながる「新しい視点を持ち込む役割」を中途採用者に期待。

・「know how」を得るために「know who」を知る必要。人的ネットワークの構築に苦労。

・「中途固有課題」の「アンラーニング」と「中途意識の排除」。

・「中途ジレンマ」の「信頼関係の構築」と「人的ネットワークの構築」。

 

第5章 中途採用者の組織再適応をサポートするオンボーディング

・新卒は「入社→染色段階」に対し、中途は「入社→脱色段階→染色段階」の3段階のプロセス。

・人事部と中途採用者の定期的な面談が重要。上司との面談は、仕事上のミスマッチを防ぎ、精神的プレッシャーを取り除くことが求められ、人事部との定期面談は、離職意思の低減に効果的。

・新卒の準備期間が1年などという長期間だが、中途採用者は3か月などの短期間でよい。(中略)準備期間は、「人脈作り期間」「学びほぐし(アンラーニング)期間」。

・受け入れ側への教育。中途採用者を「仲間」として迎え入れるように働きかけてほしい、と理解してもらう。

 

第6章 組織になじむために重要なプロアクティブ行動

・育成上手の研究。彼らは反面教師から多くを学んでいた。(中略)誰にでも当てはまる最良の育成方法はないが、誰もが嫌がる最悪の育成方法はある。

・携わっている仕事を自分自身によって興味が持てる内容や、やりがいを持てる内容に想像していく行動がジョブ・クラフティング。

フロー体験に通づるものでしょうか。

・コミュニケーションが活発であれば良いのではなく、行き交う情報が信頼できるかどうか(情報の信頼性)が重要。

・職場における個人の学習は、職場の風土や文化から影響を受けることが実証済み。

○学び合う文化を醸成することが、ラーンフォレストの目標です。

 

第7章 効果的なオンボーディングのための環境整備

・アフターコロナ時代の新しい働き方・人材育成のあり方を構築すべき。そのために、ビフォーコロナ世代がコロナ禍以前の郷愁を捨て(アンラーニング)、アフターコロナ時代の考え方や価値観を受け入れること。

・「7:2:1」の法則。経験・薫陶(他者)・研修。若手をコア人材に育成するには、若手に直接働きかけるよりも、現場で育成に携わる上司に働きかける方が効果的。(中略)上司を育成上手に育てれば、上司の現場でのOJTに任せられる。

・部下を成長させたければ、厳しさは必要。「パワハラ型厳しさ」ではなく、「育成型厳しさ」。

・経営はトップの考え方次第。人材育成においても同様。(中略)いかにトップにその重要性を理解してもらうのか、人事部の役割はそこからスタート。

・吉田松陰が「人財育成」のかなめとして挙げた「寛容さ」と「忍耐」。

・人を育成せずして良質な組織文化を醸成したり、サービスを提供することは不可能。企業に普遍的に求められる組織文化とは「育成文化」。共通の育成観のもとで、トップ・人事部・現場が協力し、長期的な視点で育成に尽力すること。

 

第8章 「組織になじませる力」で支える幸せな転職社会

 

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