アクティブ・ラーニングとは何か

渡部淳

 

第1章 授業改革からアクティブ・ラーニングへ

・総合学習の特徴は、時間が設定されているものの、内容についての規定がなくそれぞれの学校が自由に内容をデザインすること。「空っぽの器」。

・アクティブ・ラーニングの定義。「主体的・対話的で深い学び」。①生きて働く「知識・技能」②「未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力」③学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性」。「何を知っているか」だけでなく、「何ができるようになるか」まで発展させる。

・よく発言する生徒が「目立ちたがり屋」だと批判を受けるような雰囲気の中では、アクティブ・ラーニングは成立しにくいし、教師側もそれを意識して子どもたちが発言しやすい関係を作る必要。

○逆に大人の学びの場では、声が大きい人以外の声を拾う工夫が必要です。

 

第2章 アクティブ・ラーニングへの移行

・溝上慎一は、アクティブ・ラーニングを「一方的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習には、書く・話す・発表するなどの活動への関与と、そこで生じる認知プロセスの外化を伴う」と幅広く定義。

・ディベートという討論スタイルが学校教育で幅広く認知されてきたのは、ほぼ1990年代に入ってから。

○!私が小学校の頃、1980年代、授業で頻繁にやっていた記憶があります。あの学校は進んでいたんだなあ!懐かしいです。

・ディベートは、本心に関わりなく、仮に設定された立場で徹底的に考えるロールプレイとしての面を持つ。ここで発揮される表現力は、自分が演じる対象を内在的にかつ共感を持って理解する力につながっている。

○役になりきるという事でしょうか。

・ワークショップの再定義。「参加・体験型のグループ学習」に対して、デューイ的アプローチで見た「コミュニティ形成(仲間づくり)のための他者理解と合意形成のエクササイズ」。その上で、ワークショップが、知識は「与えられ」得るものだというような思い込み(身体技法)を改めて問い直し、組みかえる「まなびほぐし(unlearn)」の場になっていくことを求めている。

 

第4章 共有財産としての参加型アクティビティ

・獲得型学習モデルと4つのカテゴリー

・学習者同士の関係を和ませて、彼らの「思いを声に出す勇気、動き出せる身体」を育む「ウォーミングアップ」。アクティブ・ラーニングに不慣れな子どもが多い日本の教室では、重要な役割を果たす活動。

・新しい教師像。「教師=学びの演出家」。自律的学習者を育てる教師に求められる資質。学習者として、表現者として、援助者(ファシリテーター)として。

 

第5章 アクティブ・ラーニングが定着する条件

・学びの達成感をたっぷり味わって成長するのが自律的学習者。5つの経験。①プロジェクトの運営に参画。②チームの活動に貢献、互恵的な学び。③自分の視野が広がる、探求がもたらす発見の喜び。④コミュニケーションの大切さに気付き、「安心して表現できる空間」を作る。⑤自己の特質に気付く。

・アクティブ・ラーニングの経験は、そのまま参加型民主主義の運用経験に通じる。構成要素は思想・制度であると同時に、理念を具現化するものとしての「手続きと運用」。具現化を支えているのが市民同士のコミュニケーション。学習内容の獲得および社会性のトレーニング。

 

おわりに

・AIの台頭の中、学びの場としての学校に残される最後の機能は、人と人が行う直接的コミュニケーションであり、互恵的な学びであり、ひいては「自律的学習者=自律的市民」の育成。

○コロナ禍のおり、よくよく考えなければいけないと思っています。

 

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