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研修開発入門「研修転移」の理論と実践

中原淳、島村公俊、鈴木英智佳、関根雅泰

 

はじめに

・「研修で学んだことが現場で実践される、成果が生み出されること」。それが研修転移(Transfer of Training)。

・研修転移を促す方法の主な4つ。①上司を巻き込む②インターバル型研修③アクションラーニング→「研修の内容」=「仕事に直結」④研修事後のリマインド→予習・復習。

 

第1部 研修転移の歴史、理論的枠組み、実践策

・学問的な研修の定義は、「組織のかかげる目標のために、仕事現場を離れた場所で、メンバーの学習を組織化し、個人の行動変化・現場の変化を導くこと」。

・企業研修とは、「学んだ個人が、行動変化や現場に変化をもたらすこと」を通して、組織の目標達成にポジティブな影響をもたらすこと

・研修転移とは、「研修で学んだことが、仕事の現場で一般化され役立てられ、かつその効果が持続されること」。2つの概念→一般化(Generalization)と持続(maintenance)。

・研修転移のメカニズムのもっとも下の基層には2つの要素、「運ぶ(Transport)」と「類似度(Degree of similarity)」。類似度が高いものは「近転移」、類似度が低いものは「遠転移」。

・第2次大戦以降の研修評価の発展の過程には3つの段階。①4段階モデル時代、②ROIの時代、③4段階モデルの洗練化時代の包括的段階。

・研修転移の概念は「研修でもっとも重要なことは、現場にインパクトをもたらすかどうか」を主張すること、4段階モデルの「レベル3:行動」と「レベル4:成果」を問うていること。

・「レベル1:反応」は「レベル2:学習」と関係がないとする研究もあるが、カークパトリックの息子のジェームスは「それでもレベル1(反応)を観察することは大事」だとコメント。特に研修中に講師が観察することが大事。

・研修後の自己効力感を高めるのは、受講者の研修直後の反応であり、この反応を予測するのが、受講生との心理的距離を縮めるような講師のインストラクションスタイル。

・レベル1の反応とレベル2の学習は、「Effective training(効果的な研修)」、レベル3の行動とレベル4の成果こそが「Training effecriveness(研修の効果)」。

・コントロールしやすいL1、L2とコントロールしにくいL4をつなぐミッシングリンクがL3を促す研修転移との結論付け。

・研修転移に最も影響力のあるマネジャーからの働きかけは十分に行われていない。

・研修に参加する受講生との研修前のマネジャーとの会話が必要。参加理由の明確化。

・職場のマネジャーを「身内化」し、「同じ船」に乗せるために積極的な巻き込みが必要。

・「転移魂(Transfer spirit)」。受講者自身の意欲や意志。

 

第2部 研修転移の実践事例

・研修転移がうまくいくポイントは「自分で気づくこと」。ディスカッションで他人の意見を聞くことも自分にない視点や学び方を知る「気づく」きっかけに。

・何かを伝達してその組織を活性化させるには、関係者、関与者などの「ステークホルダー」の協力が必要。

・人同士の相互作用や、関与し合う関係性の「アクターネットワーク」をいかに作るかも研修転移の重要なポイント。

・背中合わせ、合わせ鏡のように、教えること、教えられることの共通言語を作った上での研修。

○教える側の理論と教わる側(学び手)の理論が同じなら腹落ちしやすいですね。

・一人の若手育成には、職場ぐるみで様々な人が関わることが重要。

・具体的な課題解決を手掛け、それを通じて学ぶのがアクションラーニング。振り返りを行うことでアクションラーニングの効果がさらに高まる。

 

第3部 研修転移を促すための働きかけ

・人事側から「強制力」を働かせないと上司は動かせない。

・自分で体験したものにしか意義を認めない上司も。

・上長と研修受講者をいかに結び付けていくか。

・社長や役員に講話をお願いする時には、研修の目的に沿ったメッセージを打ち出してもらうように。

・受講生に変化を起こさせようと思ったら、上司も含めて人事の本気度が必要。現場にも熱として伝わる。

○非言語コミュニケーションを感じるということも含めて熱量は伝わると思います。

・偉大な教師は相手の心に火をつける。

 

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