かくれた次元

かくれた次元

エドワード・ホール

第1章 コミュニケーションとしての文化

・異なる文化に属する人々は、違う言語を喋るだけではなく、違う感覚世界に住んでいる。(中略)ある文化の型の感覚的スクリーンを通して受け取られた体験は、他の文化の型のスクリーンを通して受け取られた体験とは全く違う。

・人間は自分の体の延長物(extension)を作り出したという事実によって他の生物と区別される。(中略)コンピューターは脳の一部分の延長であり、電話は声を、車は足を、言語は体験を、記述は言語を時間・空間内に延長した。

・人間は進化を自分の体からその延長物に移行させることにより、進化の過程を早めた(Weston La Barrre)。

・誰しもが、自分の言動に対して他人が反応する時、相手の態度に起こる微妙な変化を敏感に感じ取る(コミュニケーションの予示的【adumbrative】部分)。困惑の印から明白な敵意にまでエスカレートすることを最初は無意識的に、ついで意識的に避ける。(中略)他国・他文化混成の生活空間においては、この予示を正確に読み取れないことから多くの問題が生じる。

第2章 動物における距離の調節

・「なわばり」の他、個々の動物は一連の「泡」か風船」のようなもので囲まれ、個体間のスペーシングの維持に役立っている。(中略)動物心理学者のヘーディガー(Heini hediger)は、逃走距離(fight distance)・臨界距離(critical distance)は異なる種の固体が出会ったときに、個体距離(personal distance)・社会距離(social distance)は同種間で相互に関わる時に認められるものと述べている。

第3章 動物における混みあいと社会行動

・シカ、トゲウオ、ネズミなどの異なる動物において、混みあいは仲間への攻撃に始まり、さまざまな行動異常を経て大量に死に至る。

○ストレスがたまる。人間も同じ動物ですね。

・人間の進化の特徴は「遠距離感覚器」、すなわち視覚と聴覚の発達にある。

第4章 空間の知覚ー遠距離受容器 目、耳、鼻

○「フィーリング・コミュニケーション」で最重要なもの。中でも「匂い」は、下手をすると人を遠ざけます。

第5章 空間の知覚―近接受容器 皮膚と筋肉

身体心理学。

第6章 視覚的空間

第7章 知覚への手掛かりとしての美術

第8章 空間の言葉

第9章 空間の人類学ー組織化のモデル

・プロクセミックスという用語は人間が空間をどのように使用するかについての相互に関連する観察と理論を表すのに用いる。

○プロクセミックス【proxemics】 の解説→人に近接した空間領域の文化的研究。他人との距離の取り方は意思の伝達手段の一つで、お互いの親密度や属する文化によって異なるというもの。近接対人空間学。

第10章 人間における距離

・人間における距離の研究。社会環境の中で観察した上で4つに分類。密接距離(intimate distance)、個体距離(personal disrtance)、社会距離(social disatnce)、公衆距離(public distance)と命名(それぞれ遠近あり)。

・一つの文化で密接距離であるものが、他の文化では個体距離もしくは公衆距離でさえある。

第11章 通文化的関連におけるプロクセミックスードイツ人・イギリス人・フランス人

第12章 通文化的関連におけるプロクセミックスー日本とアラブ圏

・あらゆる方向からやってくることができる中心という観念は、日本の文化において非常に発達している。

・アメリカ人が日本人の行動様式を言い表す最たるものは「遠まわし(indirection)」という言葉。(中略)我々アメリカ人がなぜいつも「論理的」であろうとするのかがわからない。

○今でこそその差は埋まっているのでしょうが、やはり文化の違いはあります。

第13章 都市と文化

・市街区や近隣住区の計画、住宅開発においては尺度(スケール)が鍵となる要素。もっとも重要なのは都市の尺度だが、これは民族の尺度と一致しなければならない。

第14章 プロクセミックスと人間の未来

○この本が書かれたのは1966年。54年を経た今、グローバルな都市設計は豊かな暮らしと共にあるのでしょうか。

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