転職学
転職学
中原淳/小林祐児
オリエンテーション なぜ「転職学」が「人生の必須」なのか
・転職への強い意識と現実社会のジレンマ。(中略)「転職アノミー(転職か否か視界不良の状態)」。(中略)転職へのネガティブなイメージ。
・転職は「誰にでもできる」ものにはなっていないので中々「転職を学ぶ」ことができない。結果、転職によってキャリアが「遭難」「沈没」も。アンハッピーな転職が無数に存在。
・転職とは「認知(Cognition)」→「行動(Behavior)」→「感情(affection)」の「C・B・Aモデル」で進められるべき。
〇まさに、「辞めたい!」というAから起業し、苦労しました(苦笑)。でも、なんとかなった、動いて良かった。幸運です。
・これからの転職に必要なのは「マッチング思考」から「ラーニング思考」への思考転換。(中略)「自分に最適な場を探そうとすること」ではなく、「自分が場に最適に適応すること ー 新たに学び、変化する覚悟を持つこと」。
第1講 まずは方程式「D×E>R」を学ぼう
・学習性無力感(Learned Helplessness)。不満を解消しようと行動を起こしても、状況に変化が起こらなければ「何をやっても無意味であること」を学んでしまう。
・転職における「時間的展望」の重要性。単に現状に不満を感じているだけでなく、不満の解消が将来的にも困難であるという「負の見込み」に気付き、将来に期待や希望が持てなくなった時に「離職意向』を強めていく。
第2講 「自己認識」を高めれば転職力も高まる
・「セルフアウェアネス行動」とは、「内向きの認識(内面的自己認識)」と「外向きの認識(外面的自己認識)」とを重ね合わせ、それらのズレを補正していくこと。
・面接の一問一答への一般解は存在しえず、採用側にとって面接とは、応募者が「相手の視点にどれだけ立てる/立とうとする人か」を確かめるプロセス。
第3講 孤独になるな!「転職相談」の大切さ
・相談すべき「安心屋さん」と「緊張屋」さん。
・転職相談という場において「一つの物語」を作ることが必要。仕事上の出来事の「過去・現在・未来」を明らかにしてつないでいく行為。(中略)「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこに行くのか」。
・持っていたストーリーが対話を通じて語り直され、形を変えていくことを「ドミナント・ストーリー」から「オルタナティブストーリー」への転換と呼ぶ。
・「時間的展望」生成の図式。
第4講 日本人と「大人の学び」の心理分析
・「企業特殊的な知識」と「汎用的な知識」の違いは「方言」と「標準語」の違いとして表現。(中略)OJT中心の経験学習を回し続けているのは「方言」がたまっている状態だが、多くの人はそのことに気づいていない。外の視点を取り入れ、自己認識の向上が越境学習に期待できる。
〇外部に研修を頼む人事の方はこの視点を持っているのでしょう。だからこそ、学び続けないと。
第5講 地方転職から副業まで「流行りの転職」の虚実
・自ら選択した仕事先で不満を感じたり悩んだりするのは、願望やなりたい姿への夢をかなえるための犠牲のようなもの。
特別集中講義 日本の転職の歴史学
・世界的な転職の動機は「キャリアアップ」が中心だが、日本は「不満」ベースが多く、「キャリアアップ」動機は相対的に少ない。
第6講 新しい組織に馴染む科学的な方法
・「フィードバック・シーキング」と「ネットワークシーキング」はともに、転職者が組織に馴染むための重要な情報、気付きや協力を他者から引き出せるようになるための行動。
〇そこに少しでも手を差し伸べたい、と思う人事の施策の一つが「中途へのメンター制度」構築。
・「信頼蓄積理論」。リーダーは、職場での普段の振舞いを通じて周囲の人達からの「信頼」を貯金のように積み上げ、蓄積された信頼に見合った影響力を行使して、組織に変革を起こす。
・経験から得たものは「捨てる」というより、一度脇に「置いておく」という感覚が良いかも。
・コロナ禍以前から、転職者の育成が転職者本人の努力や、現場やマネジメントの創意工夫による「属人的」な行為。属人的な育成はテレワークとは相性が悪い。(中略)職場に散らばっている「暗黙知」はデジタル化しづらい。
・オンラインでのセルフ・オンボーディング。企業や職場が「暗黙知」のまま放置しているものを自分で明文化し、「形式知」に積極的に変えていくこと。
第7講 これだけは知りたい「ミドルの転職」
・「PEDALモデル」。①仕事を意味づける(Explore)②まずやってみる(Proactive)③学びを活かす(Learning)④居場所を作る(Associate)⑤年下と上手くやる(Diversity)。
最終講 「辞めた会社」との付き合い方とは
・「転職学習」のプロセスで大切なこと。「捨てる・変わる・開かれる」という心の姿勢。こだわりを捨て、未来に向けて変わり、他者に対して開かれること。
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