「提案型左官職人の育て方」セミナーに行ってきました。
11-1studioオーナーの砂越さんからお誘いをいただき、11-1studio主催による[Lecture Series05.「提案型左官職人の育て方」]セミナーに行ってきました。
(オーナーの砂越さんには、板橋区起業家インタビューでご縁をいただいています)
差し障りのない範囲で、当日の様子を記録します。
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冒頭、砂越さんからのイントロダクション。
・レクチャーシリーズ。ものづくりとまちづくりは切っても切れない関係。
・11-1studioの床は原田さんに施工してもらった。
・技術承継問題。そもそもの構造自体が問題。一つとして、11-1studioをつなぐ拠点にしたい。
〇今回のレクチャーシリーズは5回目。すでに拠点として認知されているようです。
・若者が辞めない会社、原田左官工業所。
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原田左官工業所の三代目、原田宗亮さん。まずはNHKの取材動画を皆で鑑賞。
・上手い人がやると簡単そうに見える。
・モデリング。ただやっているところを見せ、やらせてもしっかりマネできない。お手本を見せ、やらせ、その様子を動画で取る。ベテランの動画と比較し、違いをわかってもらう。
・札幌にてモデリングを学んだ。「背中を見て覚えろ」「見て盗め」からモデリングへ。三代目就任から改革に着手。初期はベテランの反発も感じていた。
・入社初日からの練習に、面白くないベテランも。モデリングの良さを分かってもらうための一つとして、若手の理解者を札幌に同行させた。その後、少しづつベテランにも札幌同行を展開。3年ほどたって浸透し始めた。
・モデリングの成果が出始めたことがベテランにもわかってもらえた。新人の定着。
・モデリングで学んだ新人が3年ほどして教え手に。モデリングの文化が回り始めた。
・原田左官工業所が目指したところは「その他の左官」。アートと一般の中間。店舗や商業施設、家具など。
・小学生に説明する際には、「左官とは『壁を塗る仕事』」と伝えている。
・左官とペンキの違いは「厚み」。粘土を鏝(コテ)で仕上げる、液体を刷毛等で仕上げる。鏝は現場でオリジナリティが出しやすい。
・人研ぎ。昔からある手法。流し、滑り台、テーマパーク。
〇テーマパーク!ねずみや恐竜がいるところにも左官の技が!
・一時期、左官の需要が減少。左官技術消滅の可能性。若手を入れていかないといけない。定着の方法を模索。
・技術を盗め、見て覚えろという「見習い」。4~5年は手元作業しかやらせてもらえなかった。そこからの脱却を目指したのがモデリング。
・入社初日に練習所で壁を塗らせる。成果物としてのゴールを見せる。近い将来を想像させる。
・入社後1週間~1ヵ月は練習所にて研修期間。その後現場に。昔と比べて格段に現場での動きが良いと評判に。
〇理不尽な修行の良さもあったのでしょうが、時代の要請だったのでしょう。
・4年で一人前に。社を上げてのセレモニー。見習いから職人へ。顔つきが明らかに変化している。
〇新人さん入社時から一人前になるまでのフォトブック。幼い顔立ちから職人の顔へ。変化を可視できるのはモチベーションにつながるのでしょう。
・採用にはHPやSNSなどメディアの活用。アートを前面に。左官アーティストに憧れて、という人は少なくない。
・仕事旅行社とのコラボ。左官職人になれる旅。1日体験。年間60人以上が参加。
・入社試験。今では業界でも珍しくはないが、10年前はビックリされた。
・合格の基準は「価値観」。この人と一緒にできるかな、と。手が動かすことができない人はダメ。器用不器用ということではなく。
〇わからなくても手を動かすこと。行動。
・ベテラン達も、新人を何とかしてやりたいと手を差し伸べてくれる。
・原田左官工業所は「劇団みたいなもの」。一人の優れたアーティストではなく、時々に輝ける場。
〇アンサンブル。元役者としてニヤッとしてしまいます。シェアド・リーダーシップにもつながりますね。
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原田さん、皆さま、そして主催者の砂越さん、どうもありがとうございました!
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