「自分ごと」だと人は育つ
「自分ごと」だと人は育つ
博報堂大学[編]
○独立初期にとてもお世話になった本であり、今でも役に立っている本です。著者の白井さんとお会いできたのを機に改めて記したいと思います。
第1章 「人が育ちにくい時代」の認識から始める
・OJTとは「職場で、業務遂行中に、上司が、部下に対して、個人及び集団の育成必要点を見出し、それに対するいっさいの指導、援助活動を計画的・意識的・継続的に行うこと」(寺澤弘忠『OJTの実際』)という定義。
・「守・破・離」に象徴される経験選好の学びと、事前学習を基にした経験を通じての学び。(中略)学習スタイルの違い。片方しか知らなければ、もう一方の学びは短所が目立つ、あるいは劣っていると感じるかも。
○他者を知ることにもつながります。
・今存在しない自身の将来のイメージを信じながら、数あるタイプの先輩社員からそれぞれが持つ知見を取り入れ統合するような、自己成長に向けての「編集力」が求められる。
第2章 育成・指導者と新入社員が同じゴールを持つ
・OJTの前半は「並走する」。
・後半は「指導」から「支援」に変化。
○私の恩人のSさんは、「伴走する」という言葉を好んでいました。一緒に走ってくれることに勇気づけられますね。
・トレーナー世代の「帰納的学習」と、新人(若者)世代が志向する「演繹的学習」。
・覚えては忘れ、また覚えるの繰り返しが必要。本書のメッセージは「新人に教える際は説明だけに終わらずに、常に「経験」と合わせて指導してほしい」。
第3章 「任せて・見る」
・新人の本音を知った上で、今の職場の価値観やスタイルになじむように育成・指導していくことが大切。「自分と違いがある事をわかった上で指導する事」が必要。
・(初期の)並走。「トレーナーが把握してくれている」等の安心感があってこそ、主体的に取り組んでいこうという意識が芽生える。
○私はバンジージャンプの綱みたいなものと思っていました。
第4章 「任せ・きる」
・新人は未経験に関する不安があるものの、トレーナーは「根拠ある確信」によって背中を押せる、という構図が重要。よく観察しているからこそ。
第5章 「任せて・見る」と「任せ・きる」の合間に考えるべきこと
・「どこまで躊躇する新人に寄り添わなければならないのか」という声。
○悩む方、歯噛みする方もいるでしょう。それでも初期段階は・・・。
・新人の強みは正に若者の視点。得意領域で自分を前に出す経験を与える。
第6章 フィードバックの効用と具体的な方法
・新人とトレーナーの「事実の認識」を合わせる事。
・トレーナーは、見えていない事を見せ続けていく。新人の視野拡大を意識する事が重要。
第7章 OJTの1年間でトレーナーが考えること
・「傾聴」できているか否か、判断するのは全て新人側。
○これは肝に銘じないといけませんね。独りよがりにならないように。
・大人の立場で出来ない原因を考えるのではなく、新人の立場で考える事が解決の糸口の発見につながる。
あとがき
・「トレーナーと新入社員は社内最小のチームである」「指導者であるトレーナーは社内の最小チームのリーダーである」。
○小さく始める。
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