残業学
残業学
中原淳
オリエンテーション ようこそ!「残業学」講義へ
・長時間労働の是正は「経営のためにやるべきこと」。
・日本人の「希望(幸せ)」を規定するもので一番は「仕事」という調査結果。
第2講 あなたの業界の「残業の実態」が見えてくる
・幼稚園教諭や保育士、介護福祉士・ヘルパーはサービス残業率が高い。離職率の高さの一因の可能性。
・明治期の訪日外国人は、「時間感覚の違い」や「怠惰さ」を日本人に感じていたという文献。明治後期には欧米諸国に追いつこうと政府や啓蒙思想家は国民を啓発。お手本として二宮尊徳。「勤勉さ」が一般的になったのは明治30年ごろとされている。
○良い方向に啓蒙されたのでしょうか。
第3講義 残業麻痺ー残業に「幸福」を感じる人たち
・欧米では「労働」はなるべく避けたいもの、といった「負の効用」持つ概念。
・多くに人にとって「量をこなすことが成長につながる」といった思い込みが根強い。日本人の「努力信仰」が背後に。
・「努力信仰」は裏を返せば、「量(時間)をこなせない人」に対して「成長しない」「仕事ができない」などのバイアスがかかる可能性。
○たしかに、「一生懸命がんばってるなぁ」と見えますからね。
第4講 残業は「集中」し、「感染」し、「遺伝」する
・実際は全員が「帰りたい」と思っていても、「誰かに嫌がられることは避けたいから残業しよう」と。「多元的無知」という現象。予期された集団的な思い。
・忙しさを演出する「フェイク残業」。別の仕事をアサインされないように←集中。
・できる上司やできる先輩が残業。「早く帰ると無能に思われる」ことを恐れた「フェイク残業」←感染。
○これは本人にとっても組織にとっても悲しいです。
・「新卒入社時に自分自身が受けていたマネジメント」と同じ行動を上司になっても取ってしまう傾向←遺伝。
第5講 「残業代」がゼロでも生活できますか?
・人間は自分の周囲に起こる「変化」に敏感に反応。特に、「何かを得る」よりも「何かを失う」場合により強い反応を示す。プロスペクト理論。「満足・不満足(効用)を決めるのは変化である」。
・調査において「上司の指示・判断が曖昧であること」や「上司が粘り強く働いている人を評価している」場合、その部下は残業代を当てにする傾向が強まる。
・「残業手当」は、実質的な生活保障として維持されてきた面も。
・減らした分の残業代の還元を考える必要性。
第7講 鍵は、「見える化」と「残業代還元」
・人事施策は「作ること」がゴールではなく、「流行らせ」「定着させ」「成果を出す」ことがゴール。
・残業代還元はそれまでの残業代の減少を前提だから原始も確保できており、各種調整コストを除けば実施費用も掛からない。
○ここは肝だと思います。短期的に見るとデメリットだけど長期的には大きなメリットになるはずですが、効果が見えるまでの時間がかかる・・・教育コストの考え方と重なる部分もありますね。
第8講 組織の生産性を根本から高める
・希望のマネジメント。「ジャッジ力」「グリップ力」「チーム・アップ力」
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