表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

若林正恭

キューバ

・「先生、知ることは動揺を鎮めるね!」「若林さん、学ぶことの意味はほとんどそれです」。

ファスト教養の「おわりに」で紹介されていた一節。刺さります。

・(ハバナ空港からホテルまでのタクシーを探す際)運転手一人一人の貌と体格をよく見ながら歩いた。(中略)もしもの事があった時に腕力でなんとか勝てそうな運転手を選ぶのだ。幸いキューバは銃社会ではない。(中略)同性を動物として勝てるかどうかで見るのは久しぶりだった。

○若いころはそうだったなぁ(苦笑)。

・革命博物館で心をとらえられたのは彼らの目。(中略)ゲバラの名言「明日死ぬとしたら、生き方が変わるのですか?あなたの生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」。(中略)僕はきっと命を「延ばしている」人間の目をしていて、彼らは命を「使っている」目をしていた。

・芸人にはもともと声に力を持っている人とそうでない人が。話している内容ではなく、声そのものが鼓膜を振動させるとき、脳が快感を感じるかどうか。(中略)カストロの声やリズムには、長時間人を引き付ける力。(中略)”ライブ”。

・出かけたいところがあることは人を幸せにする。

○行動するのはこれも強くありますね。

・キューバの若者には生まれたときから配給が。欧米のアーティストのPVを見て「なんでああいうおしゃれな服が配給にないの?」と。(中略)おしゃれな服を着たい、という欲求が人間にデフォルトで備わっていることをハッキリと実感したのは初めて。

モンゴル

・モンゴルでは働いている少年少女をよく見た。(中略)当たり前だが、日本は15歳以下の少年少女に義務教育をしっかり受けさせるという育成の仕方をしているとあらためて実感。

・集団に必要とされているという実感を得る機会は、色々なことが便利になって減ったのでは。(中略)他者に必要とされる実感が希薄になると人間に何が起こるか。「承認欲求」というキーワードが使われる回数の増加は、必要とされている実感(所属欲求)が満たされる機会が減ったこと。

・今は自分の所属先を現実社会でもネットでも複数持てるすごい時代。

○だからこそ、どこに所属するか。

アイスランド

・チケットカウンターで手続きのために何度話しかけても無視されたことがあったが、こういうことで旅先の国の印象を変えてはいけない。どこの国でもいい人もいれば嫌な人もいる。それだけのこと。

あとがき コロナ後の東京

・日本ではしっかりと世間を信じれば、世間に大事にされるが、ひとたび裏切れば大変なことに。

・3か国に行って感じた「サル山」と「資本主義の格差と分断」から自由になれる隠しコマンドは「血の通った関係と没頭」。傷つけば血が流れる繋がり。似たようなことで傷ついてきた者同士が出会ったり、共通の敵と戦った者同士であったり。経済を越えた強い結びつき。実生活以外、本や歴史上の人物、芸人でも。生き辛い道のりを歩く灯火になる。

○ちょっと違いますが、根っこは同じな気がします。→道心に結ばれる師や友は決して時と所を同じくする人の間ばかりとは限らない。

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