板橋区の起業家インタビュー、第7回目は、2021年6月に17周年を迎える「鉄板酒処はな家」を営む宇野さんご夫妻にお話を伺いました。

Bistroむじかの伊藤シェフからご紹介いただいた奥さまのかよこさん。かよこさんとは飲食店の勉強会仲間だそうです。

「めがねシェフ」(かよこさんのフェイスブックでの旦那さまの呼び名(笑))も仕込みの最中にも関わらず、快くお時間を割いていただきましたこと、感謝いたします!

===

かよこさん:伊藤さんとは同じ飲食店勉強会で知り合ったのですが、同じ板橋区ということで親しくさせてもらっています。

かよこさん:勉強会では、学ぶことが多くあります。多様な人が集まっているので、多岐にわたって情報をシェアすることができ、楽しいです。

ー最初はお一人で起業されたんですよね。

かよこさん:17年前にお店を始めて5年ほどは学生アルバイトをお願いしつつ、一人でやっていました。夫(宇野さん)は当時は、イタリアンレストランの店長をしていて、近隣の飲食業仲間の一人でした。

宇野さん:飲み仲間だよね(笑)。

かよこさん:そう(笑)。自分のお店が終わってから、飲食の皆が集まる場所で、飲みながらよく情報交換をしていました。

ーご結婚されてからは一緒に切り盛りするようになったのですね。

宇野さん:自分でもお店を持ちたいという考えはあり、イタリアに修行に行こうかなどとも思っていました。

かよこさん:ちょうどその頃、アルバイトの方がやまれぬ事情で急遽いなくなり、結婚する数年前から時間がある時にお店を手伝ってもらっていたこともあり、一緒にやるようになりましたね。

===

ーかよこさんはずっと飲食業界だったのですか。

かよこさん:いえ、実は専門学校を卒業の後、ゼネコンで設計をやっていました。パソコンに向かって毎日施工図とにらめっこ。6~7年です。正直、ちょっと疲れていました。そんな折、会社の方針で図面作成を外注する比率が増えてきたのを機に退職したのですが、人と触れ合う機会があまりなかった反動で、「接客がしたい!」と思ったんです。それでいくつかのアルバイトを掛け持ちでやるようになりました。イタリアンのお店やカフェで接客したり、ワインバーでも働きました。あと、雑貨屋さんとか。

ーバイタリティがすごいですね!

かよこさん:だんだん増えていったんですけど、とにかく知識が欲しかったんです。このお店、「はな家」の前は別の方がもんじゃ屋さんをやっていたんです。実は縁もあり、もんじゃ屋さんのオーナーを父がやっていました。

ーかよこさんのお父さんがオーナーのお店だったんですね。

かよこさん:そのお店をやっていた方が辞めることになり、父もそれを機にお店を畳もうかとも思っていたそうです。それを聞いて、思い切って「やります!」って。最初は父や母に反対されたのですが、話し合った上で理解してくれ、お店の権利を買い取り「はな家」をオープンしたんです。

かよこさん:店は居抜きですから、お好み焼きやもんじゃを今も出しています。最初に思ったのは、お好み焼きやもんじゃだからビールさえ出していれば良いわけじゃないのでは、ということです。もちろんビールも美味しいですが、美味しい料理に合わせて美味しいお酒を提供したいという思いです。

ーそれが「知識が欲しかった」ということにつながるんですね。

===

ーもうすぐ17周年。すごいことですよね。開業してどのくらいで「いける」という手ごたえを感じましたか。

かよこさん:開業当初を思い出すと、やはり大変でした。初期の頃は正直持ち出しもありましたし。でも、若いアルバイトの子たちと一緒にお店を作り上げていこう、一緒に頑張るぞ、って。

宇野さん:(アルバイトと)年も近かったしね。

かよこさん:そう。色々と話し合いながらお店を作り上げていったような感じでした。楽しかったですね。

かよこさん:開業して「3年一区切り」言いますけど、私もやはりそうでした。常連さんも増えてきて、何とかやっていけるかなと思いました。また、先ほども言いましたが、急遽アルバイトが辞めてしまった時に、夫に手伝ってもらうようになってからは、今日まで順調に来たと思います。

宇野さん:転がり込んだんだけど(笑)、同じ道につながりましたね。

===

かよこさん:夫とも話しているのですが、別の店舗を出したいという気持ちもあります。

ーイタリアンですか?

かよこさん:飲食に限らなくてもいいのかも、とも思います。夫も生まれも育ちも板橋区ですが、私は祖父の代から「上板橋っ子」なんです。上板橋が好き。好きで住んでいる町がさびれるのは寂しいんです。少しでも盛り上げたいですね。

===

ーお二人が考える「自律型人材」とはどのようなものでしょう。

かよこさん:一言でいうと「自分で何かを探し出していける人」です。会社勤めだとしても、上から言われたこと、与えられたことだけでなく、アイデアを出すことが大事だと思います。

かよこさん:ゼネコンにいた時は、言われたことを早くこなすことで手一杯でした。上司から求められることは「正しく」「早く」だとも思っていました。若かったですね。

ー今はアルバイトさんに仕事を教えるお立場ですが、「OJT」の際に心掛けていることはありますか。

かよこさん:視点を変えることでしょうか。相手の視点に立つことです。今までたくさんのアルバイトの子たちと接してきて感じるのは、「上手く伝える方法」は相手によって違うこと。個々に判断するようにしています。

宇野さん:自律型人材は「提案できる人」です。ある提案に対して、それも良いけどこういうのもあるよ、と提案できる人。話を聞いた時に「疑問を持てるかどうか」が大事ですね。ただ、そうやって提案できる環境を作ってあげる必要が教える側にはあります。そして、互いに信頼関係を育てられたら良いなと思います。そのためには、妻も言っていますが、相手のキャラを見ることです。

宇野さん:大学時代、あるファストフードのバイトマネジャーをしていた時に、OJTのありようを学ばせてもらいました。同じ指導をするのでも、どのタイミングで伝えるのが良いのか、個々の能力やキャパシティを見極めること。思えば指導のベースはそこで作らせてもらいましたね。

===

近年の学生アルバイトさんたちはほぼ全員、飲み仲間や常連さんの子どもたちだそうです。インタビューの途中に出勤してきたアルバイトさん、私が店をお暇する時、仕事の手を止めてしっかりと笑顔で(マスク越しでもわかりますね)挨拶してくれました。お店の雰囲気が良いということが如実に表れているのだと感じました。

宇野さん、かよこさん、どうもありがとうございました!

===

「対話型OJT」を献本させていただきました。

今度感想聞かせてください(*^-^*)

 

===

応援クリック、励みになります!

にほんブログ村