板橋区の起業家インタビュー、第8回目は「鉄板酒処はな家」のかよこさんからご紹介いただいた【The Hasune Farm】(ハスネファーム)を営む、冨永悠さんにお話を伺いました。

冨永さんは会社勤めの傍ら、副業として農業を勉強するうちに農業の面白さにハマり、2019年6月に脱サラしたそうです。

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「作業をしながらでもいいですか」。

畑に苗を植えながら、インタビューに答えてくれる冨永さん。

春の陽気の中、板橋にいることを忘れてしまいそうになりながらお話を伺います。

ー板橋区の中にこれだけの広い農地があることに驚きました。

冨永さん:ここ(ハスネファーム)は3反ほどですね。他に、練馬に1反、朝霞に5反ほど借りています。基本は一人でやっていますが、フェイスブックで「ハスネファームサポーターズ」を作って、一緒に農作業をお手伝いしてくれる方を募っています。土に触れたい、という人が多いんです。

―元々農業には興味があったんですか?

冨永さん:実はそうでもなかったんです。妻の実家が畑を持っていたというのがきっかけ。働きながら、興味本位で週末に社会人向けの農業大学校に入学したのがきっかけで学ぶうちに農業の奥深さと、可能性を感じ、徐々に面白くなってきました。卒業後も、最初のうちは副業・兼業でしたね。

ーお忙しいですね。

冨永さん:いえ、当時勤めていたS社は、コロナ以前から比較的自由がきいたんです。当時からリモートワークも行っていました。あの頃はワイヤレスイヤホンをして、畑で鍬を片手に取引先と商談、なんてこともありました(笑)。

ー会社勤めは何年ほどですか。

冨永さん:新卒でPR会社に入社し、3年ほどでS社に転職しました。S社では新規事業の開発やマーケティング、広報など色々やっていましたね。合わせると足掛け11年くらいです。

ーそのままS社にいれば安泰だ、という考え方もできそうです。

冨永さん:確かにそうですね。当時は実際、S社で出世してやろう、という気持ちが強くありました。

―心境の変化があったんですか。

冨永さん:昔から環境問題や貧困問題には興味がありました。大学時代、国際ボランティアに参加したり、バックパックで途上国を旅していました。就職後も社会的なテーマに少しでも関わりたいという想いがずっとあり、そんな時に“農業”と出会い、自分の興味と合致しました。今思えば、運命だったのかなと思っています。

冨永さん:この畑は「生産緑地(都市農地)」なんですが、「2022年問題」というものがあり、生産緑地が激減してしまう可能性が言われています。「土地を守りたい」という思いがありますね。

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ー起業家として、農業でどのような展望をお持ちですか。

冨永さん:農業は、公共性の強い分野です。とは言え、経済合理性と公共性のバランスをうまくとって営農していきたいです。

―ハスネファームの直売所では、注文後に野菜を収穫するそうですね。これ以上ない新鮮さですよね。しかも有機野菜。

冨永さん:ええ。お客さんからはそこを評価いただいていると思っています。見ての通り、住宅街の真ん中にある畑ですから、販売面ではとても恵まれている場所なんです、都市農地って。最近では、おかげさまで少し遠方のお客さんも来てくれます。

冨永さん:あとは配達も行っています。今、板橋区と北区に数か所の「ピックアップポイント」を設けています。お客さんから事前に野菜の注文をもらい、そこにまとめて配達し、そこに各自取りに行く。昔の生協みたいなものですね。

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―冨永さんが思う「自律型人材」とはどのようなものでしょう。

冨永さん:少なくとも、新しく農業を職業として始める人は自律型人材じゃないとやっていけないです。自ら農地を探して、育てる野菜を決めて、自分で売り方を考えないといけない。生産から販売までを全て自分一人で担う必要がありますから。

ー練馬の畑では新しい試みを始めているんですね。

冨永さん:はい。副業としての農業を広げる試みとして、練馬の都市農地を借りました。脱サラして農業を新規で始めるというのは、かなりリスクの伴う選択です。一方で、後継者不足に悩む都市農地が使えれば、副業的に農業が出来るのですが、今は(法的には問題がなくても)非農家が都市農地を賃借するのは難しいのが現状です。そこで、私が借りて、将来農家になりたい方と一緒に畑を管理できれば、もう少し借りやすくなれば、「半農半X」のように副業として始められます。練馬の畑でOJTをするようなことですね。これを成功事例にして、もっと農家を志す人を巻き込んで、農地を拡大していきたいです。

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インタビューの間も、次々とお客さまがいらっしゃり、人気の高さを感じることができました。終了後、「対話型OJT」を献本。感想をお待ちしております(^^)/

 

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ちなみに、書籍は一番最後にお渡しし、「OJT」という言葉は私からは伝えていませんでした。富永さんの口から聞けたのは何となくうれしかったです(^^)

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冨永さん、どうもありがとうございました!

 

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