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インプロする組織

高尾隆 中原淳

 

1章 からだを動かし、日常をゆさぶるパフォーマティブ・ラーニング

・主体としてのからだ、物としてのからだですが、これは固定されているものではありません。(中略)変わっていく過程で、主体としてのからだと物としてのからだは、ときに、ずれることがあります。

・このずれが、リフレクションやコミュニケーション、創造性の源泉であると私は考えています。

・自分のアイデンティティも、この主体としてのからだと物としてのからだの間にあります。(中略)主体としてのからだと物としてのからだの、ずれと統合のダイナミズムの中で、自分はゆさぶられ、またあらたにつくりかえられていくのです。

・からだがメディアとなっている時には、主体としてのからだと物としてのからだのずれが、本人も知らないうちに、はっきり出てしまっていることがあります。

〇非言語コミュニケーションはこのずれを意識するところから始まるのだと思います。

・リフレクションだけでは、硬直化しているからだは、なかなかその硬直から解放されません。(中略)そのときには、主体が物を動かすことだけではなく、物が主体を動かすという逆の方向も考えなければならないのではないか、(中略)メルロ=ポンティの言葉を借りれば、可逆性を持ったからだです。

〇行動すれば頭もついてくるという営業の面白さにつながるような気がします。

・パフォーマンスとアイデンティティがつくられていく循環運動のことをジュディス・バトラーはパフォーマティブと呼びます。

・演劇的なパフォーマンスは、当たり前になっている日常を違和感のあるものにし(別の言い方をすれば異化し)、日常で当たり前になっているものの見方をゆさぶったり、崩したりするでしょう。その意味で、演劇的なパフォーマンスは、批判性を持ったものなのだと思います。

・パフォーマンスすることで自分を崩し、そして再びつくっていくこと。それを私は学びととらえたいと思っています。そして、そのような学びを私はパフォーマティブ・ラーニングと名づけたいと思っています。

・インプロは、この「評価を気にし、失敗を恐れるあまりに、管理されてしまったからだ」を解放し、再び他者や環境に開き、それらに自然発生的に反応し、表現を生みだせるようにするにはどうしたらいいかを、実践レベルでずっと考えています。

〇恥ずかしくないですよ、と参加者の皆さんにうまく伝えること。やはり笑顔でしょうか。研修におけるインプロではとても意識します。

 

2章 企業でインプロを実践することの意味

・パフォーマティブ・ラーニングとは、身体を動かし表現することを他者とともに愉しむことをとおして、自己を変化させ、自己の周囲にいる他者にも変化をもたらすことなのです。

・過剰適応とは、組織社会科が進行しすぎて、個人が創造的な思考をできなくなること、さらには、そうした個人が増えていくことによって、組織自身が、日々変化する外部環境に柔軟かつ早急に対応できなくなることをいいます。換言すれば、非創造的な個人、硬直した組織を生みだしてしまうことなのです。

・インプロは、「自己・組織の過去・現在」を対象とした内省を駆動させます。そこには、愉しみの中で、全員で考え、内省し、対話の中で意味づけるきっかけを持つことできる可能性があるかもしれません。そして、その延長上には、「変革の可能性」がひらけているのかもしれません。

 

4章 パフォーマティブ・ラーニングの時代~身体・学び・イノベーション~

・行動がその人をつくる、行動がその人のキャラクターをつくってしまうという(後略)。外側をつくることで内側がつくられていくことをインプロの世界では「マスク」といいます。仮面と一緒なんです。つまり、そういうふうな仮面をつけると、性格までそういう人になってしまう。

・からだを動かすこと自体で”裂け目”は入らないんですよ。からだを動かしたあと、それを言葉にしたときに裂け目が入る。言葉にすることが効いている。

現場で見たものを、自分で考えて言葉にした瞬間、文字に起こした瞬間に、はじめてそこで起こっていたことが「発見」できる。法政大学の長岡健さんは、「発見は”現場”では起こらない。”書斎”で起こる」ということをおっしゃっています。

〇あらためて、リフレクションをもっと意識してやっていきたいですね。

・インプロビゼーション(improvisation)は、「先を(pro)見ること(vision)」をしない(im)という言葉です。インプロにとって「今・ここ」を生きるということはとても重要な、本質にかかわることです。

・(インプロのワークショップ参加後)何人かの人が言ってましたよ、「なんだか、わかんないんですよね」って。僕は「そうでしょうね」って言って、「でも、そのモヤモヤをいったんは抱きしめてください」と言いました。(中略)一度モヤモヤに出会い、そのモヤモヤをすっきりさせていくことが学習だと思うんです。

〇「モヤモヤしてもよいけど、すっきりさせることが必要ですよ」、と伝えられることができるかどうか。

・インプロがおもしろいのは、うまくいかないときの原因を探ると、これが日常生活のなにかにあたっているんです。

・インプロをやることで、日常の「当たり前」が逆投射されるということですね。つまり、そこにリフレクションが駆動する。

〇ここを強調してあげること、でしょうか。

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