越境学習入門

越境学習入門

石山恒貴/伊達洋駆

序章 ホームとアウェイを行き来する

・越境学習前後の変化・成長。能力の向上。起業家に必要だと言われている能力とも重なる。

第1章 越境学習とはなにか

・越境学習では、ホーム⇔アウェイと、往復することで生まれる違和感・葛藤が学習効果をもたらす。

・越境して外から自社を相対化して見ることができるようになったおかげで、所属組織の良さも見つめ直すことができる。

・越境学習者が組織を変える:「分かったつもりの打破」。「分かったつもり」になっていると、自分たちの存在意義や顧客への貢献価値も当たり前のこととなり、深く考察しなくなる。組織文化の同質性が強くなり、外部の知識を受け入れにくくなる。

○専門用語で外部に説明しても通じませんね。

・目指す方向は、「経験学習」が熟達としての縦の深掘りであることに対し、「越境学習」は熟達を意図的に一旦停止し、視野を広げて横へ展開していくこと。

・越境学習の源流:ヴィゴツキー。最近接発達領域と越境学習の関係は、学びを個人に閉じたものと考えずに、集団でのやりとりを前提とした「アイデンティティ」を形成していくプロセスが学びである、という転換の道を切り拓いたこと。

・エンゲストロームはヴィゴツキーの考え方を、より集団に力点を置く形で発展させた。(中略)集団の営為をモデル化した「活動システム」。活動理論(活動システムをモデル化し、実践するための理論)では、活動システム(集団)は社会に無数に存在。そこに越境という考え方。

・状況論の発展の結果としての概念が、レイヴとウェンガ-による実践コミュニティ。人が学ぶ仕組みをコミュニティという観点から明らかにしたもの。ヴィゴツキーの「仲間とやりとりする中で人は学んでいく」という主張をコミュニティの観点から理論化したもの。

・集団(組織)に焦点を当てる活動理論と実践コミュニティの「越境」は、日本では独自に、個人の水平的な学びの重要性に焦点を当てる「越境学習」へと発展。

・メジロ―は新たなものの見方や考え方を身に付けるために、これまで培われた信念、価値観、固定観念を打ち破るような変化を伴う学習を「変容的学習」と呼び理論化。「変容」を起こす大きなきっかけとしての危機的な「混乱するジレンマ」。

・「葛藤」が学習に繋がっているという点において、越境学習は「変容的学習」に連なるもの。

・メジロ―は変容的学習には「批判的内省」が必要とし、松尾教授は、批判的内省はアンラーニングにつながるとしている。(中略)越境学習がもたらす違和感や葛藤は、批判的内省とも親和性が高い。

・ヴィゴツキーの「述語主義」。日常的に同じ文脈で暮らしている人が、段々主語を省略するようになること。(中略)怖いのは、人間は、本来分かり合えない存在なのに、分かったつもりになって、分かり合おうという努力をしなくなり、異質な人を排除するようになること。

○排除から衰退がはじまる。ただ、信頼がないと難しい部分もあります。最低限の礼儀の価値観が合うことが大事なような気がします。

・実社会は「ポリフォニー(多声性)」。同じものを見ても、それぞれ違ったような見え方で、色々なことを言う。世界の捉え方は人によって異なる。(中略)越境学習は「多声性」の重要性に気付かせてくれる。

第2章 なぜ今、越境学習なのか

・越境学習によって仕事の意味付けを社会課題と関連付けるようになったという事例。

○仕事にやりがいを見いだすためには、新しい刺激が必須なのかもしれません。

第3章 越境学習で何が起きているのか

・ホームである所属組織からの「見学者」「ビジター」マインドではなく、一個人として越境先へ飛び込もう、という「冒険者」マインドを持って臨めるかどうかが越境学習の鍵に。

・越境学習では、所属先と越境先2つのアイデンティティを持ち、葛藤する中で、どちらの価値観・考え方も「間違いではない」と認められるように。異なる両者の共存を許容。葛藤の継続が学びにつながるため「認定的不協和」状態でも、簡単に解消しないまま耐えることが非常に大切。

・越境学習において「逆カルチャーショック」と同じ状況。多くの越境学習者は「越境後」の逆カルチャーショックを予測し得ない。

・周囲に合わせなくてはと焦る自分と、これまでの自分に戻りたくない自分、戻れない自分との間の葛藤。

・組織を変革することを良しとする越境学習の考え方では、冒険者マインドを失わず、「祖国に戻った冒険者」でい続けることに価値。複数のアイデンティティを保持し続けること。

・越境学習者は越境中も越境後も、「葛藤⇒行動⇒俯瞰⇒動員」という同様のプロセスをたどっている。大きな流れの中で各要素を行きつ戻りつ、相互作用しながら徐々に越境学習者のアイデンティティを変えていく。

第4章 「越境」人材を組織に活かす

・松尾睦教授の越境する上司に関する調査、「両利きマネジャーの研究」。上司が「探索」をしていると、その部下の学習志向が高まり、それによってアンラーニングが促されていることが明らかに。

・「迫害」「風化」への対処。

・アウェイの場との往還の継続が大切。社内の他部署に越境学習者がいれば、アルムナイ(卒業生)のようなコミュニティを作ることで、次に越境プログラム参加を希望する人の相談に乗るなど、越境学習を組織内に広げていく活動につなげることも。

○文化を根付かせるには時間がかかります。そのためのお手伝いを我々がいかにできるかをよく考えること。伴走。

第5章 ケーススタディ

おわりに

・越境学習の学びとは、そのきっかけになる出来事の大きさ、深刻さなどに左右されるわけではない。

○些細なことでも、「混乱するジレンマ」になり得る。

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