リフレクション入門

リフレクション入門

坂田哲人 他

1.1 リフレクションとは何か

・教育者自身の在り方。ある二人の教育者が、同じような場面で同じように見える教育的実践を行ったとしても、同じような結果が得られるとは限らず、その差は教育者のあり方が関連しているのではないか。

○誰に教わるか、というのは重要です。

・専門家が熟達していく過程で、行動の源泉となる知識・技術が暗黙知化されるために、次第にその行為の枠組み自体が疑われなくなることを改めて疑うということにリフレクション・イン・アクションの意義がある。

・教育者の成長にとって大事な3つの視点、「理論(Theory)」「実践(Practice)」「教育者自身(Person)」。

○学び続けること。

1.2 コルトハーヘンのリフレクションの方法論

・コルトハーヘンは、コルブ(David Kolb)の経験的学習サイクルモデルを参照しながら、ALACT(アラクト)モデルと呼ばれる理想的なリフレクションのモデルを開発。

・ALACTモデルの第3局面を飛ばしてしまっていることが多いと指摘。引っかかりを感じた本質的な気づきがないまま、具体的な行動が何も示されない結論で満足してリフレクションを終えてしまう人が少なくない。

・第3局面の<本質的な諸相への気づき>をより確実に達成するため、第2局面振り返りに持ちうるべき仕掛けとして「8つの問い」を開発。

・Doinng,Thinking,Feeling,Wanting。

・リフレクションを促す立場の人は、「尊重するのはあくまでリフレクションする人の主観である」ことを意識しなければいけない。

・コルトハーヘンは、客観的に理解しようとする際の知識や理論を「大文字の理論」と呼び、主観的に理解される知識や理論を「小文字の理論(theory with small t)」と呼ぶ。

・コア・リフレクション。ポジティブ心理学に立脚。心の中にある信念や強みを活かして外に向けて働きかけていけるようにするものであり、人の潜在能力を引き出すためのアプローチ。

・従来の心理学や従来型のリフレクションを乗り越えるために、「強み」や「成功体験」に焦点を当てる新たなリフレクションのアプローチとして「コア・リフレクション」を開発・提唱。

・「コア」とは、人の心の核心・中核にはダイヤモンドのように輝く「強み」があるという思想が根底に。(中略)高級なダイヤモンドが無数の側面を持つように削られているのと同様に各個人にも様々な側面の「コア・クオリティ」がある。

○SPの考え方と似ています。

1.3 コルトハーヘンのワークショップ

・体験を通じて得たことは自分自身の学びとして咀嚼して取り込みやすくなるという考え方がリアリスティック・アプローチ。

2.7 ヒーロー・インタビュー

・2010年初来日の際、ある50代の男性教師がコルトハーヘンに「はじめて自分の良いところを褒めてもらった気がする」と嬉しそうに語りかけられたことが自身の印象に強く残っている。

○大人になるとほめられることは少ない中、私の研修でも、「ほめる」ワークは見ていてワクワクします。皆、照れくさそうで、でも嬉しそうで。

・学習者がある経験を「思い出したくもない」と思ってしまった瞬間、その経験からの学びは途絶える。記憶と学びを封印してしまう前に、少しでもポジティブな側面に焦点を当てる時間を確保することが重要。

・ヒーロー・インタビュー・の3つのエッセンス、①讃える(まず拍手)②感情について聞く③今後の抱負を聞く。コア・リフレクション理論のエッセンス。

・他人から見た己の強みに対して、照れくさかったり、恐れ多く感じたり、しっくりこなかった人がいたとしても、「周囲の人にはそれらがあなたの強みであるように見えている」ということだけは受け止めよう、と補足することも有効。

2.9 リフレクションのワークの実施に向けて

・リフレクションを導く上で、大切にしたい考え方や前提とすべき要件3つ。①集中や没頭感②安心感③学ぶこと > 教わること。

・リフレクションをするのは誰なのか、を終始一貫して意識すべき鉄則。

○参加者の皆さんのために精一杯頑張ります!のツイートは、あくまでも参加者のための研修だということを忘れないようにすること。

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