人材開発・組織開発コンサルティング

人材開発・組織開発コンサルティング

中原淳

第1章 企業における人材開発・組織開発の役割

・人材開発・組織開発とは、ヒトという「最も扱いにくい資源」であり「最も期待に満ちた資源」に対して、「科学知」と「臨床知」を駆使して、「人の能力ややる気を伸ばし、組織を動かす」営み。

・人的資源管理論の中で、人的資源と企業の競争優位性の関係を探求した研究において、人的資源への投資は、業務の成果などによい影響を与える。

・全ての人事施策は「経営戦略」に基づいて行われるものであり、経営・現場にインパクトをもたらさなければ意味を成さず、「内的整合性」を高めるべく設計されなければならない。

第2章 人と組織の課題解決

・「限界合理性」とは、「人間には、情報収集力と計算能力に限界があり、その中で完全に合理的には振る舞えないこと。

〇手持ちを最大限できるだけ使うこと。

・コンサルタントは、クライアントの「親友」にならなければならない。

〇ここ、とても大事だと思います。寄り添うこと。

・化学の知は「クリーンヒットは保証しないけど、痛恨のエラーだけは避ける助けになってくれる」。

第3章 人材開発の理論と実践

・「内部労働市場の社会(Make型)」→戦略が変わったときに「人に変わってもらう(Change)社会」:内から獲ってくる。「外部労働市場の社会(Buy型)→戦略が変わったときにときに「人に替わってもらう(Replace)社会」:外から獲ってくる。

・投資収益率による試算を行うと、企業内教育が企業の生産性に及ぼす効果は、設備投資よりもはるかに高いことが明らかに。

・組織社会化の過程においては「いかに適応させるのか」という視点も重要だが、「いかにプロアクティブ行動をとってもらう環境を作るか」という視点も重要。

・中途採用者は、考えているほど、あたらな組織に入ってすぐにはパフォーマンスを発揮できない。(中略)組織再社会化のプロセスにおいては、中途採用者に対する組織ぐるみの支援が必要。

・ジョブ・クラフティングを行うということは、自分の業務を離れる「内省的観察」の時間を意図的に持つこと。

・リーダーシップを発揮する機会を学習者に付与し、得られた経験を振り返って学ぶという「経験学習」を繰り返すことが、リーダーシップ開発につながる。

・フィードバックとは、相手の行動について、どのように見えるかについて現状を通知し、目標設定して行動の変化を促す「現状通知と立て直し」によって人材開発を行うもの。

〇研修では、「Good」と「Motto」を意識的に探ってもらうようにしています。

第4章 組織開発の理論と実践

・「組織調査による見える化」と「組織の未来をあぶりだす見える化」。

第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ

・ステータスマネジメント(Statusu Management:ステータスのやりくり)。コンサルタントは自らのステータスを上下させながら、クライアントの信頼(認知的信頼と感情的信頼)を獲得する。

〇演じること。もちろん実力に裏付けがあってこそ。

・「エポケーする(現象学的還元)」姿勢。コンサルタントは意図をもって自らを「空(から)」にし、判断を保留しいったん全てを受容しなければならない。

〇中立。

・「コンタクトクライアント」を「信じすぎてはいけない」。その人こそが組織において「課題を抱えているとみなされている人(Identified Person)」というケースも。

・優秀なコンサルタントは「他者の網膜に自分がどのように映っているのか」を想像する力量に長けている⇒「セルフアウェアネス」を常に意識。内面的自己と外面的自己に相違がない状態。

〇自己演出の巧みさ。

・「他者には他者の合理性がある」。(中略)「他者の肩越し」に他者の目線から他者の振る舞いを見つめると、その不合理な行為にも一定の他者なりの合理的な意味づけが存在する。

・「考える前に現場に行け!」。現場のニーズに根差していない人材開発・組織開発ほどむなしいものはなく、それでは経営にインパクトを与えることはできない。

・組織を常に二次元で捉え、「問題の中心にある」とされているものの周囲を調べる「脱中心化(Decentralization)」。個を変えたいと願うならば、周囲にある環境を変えるという考え方。

・内集団・外集団の形成が蓄積すると、やがて人材開発・組織開発が必要な状態が生まれる。

・クライアントの話を聞く際は、クライアントにとって「誰から誰までを」一つの社会集団と考えているかについて敏感になる必要。

・組織の歴史に対するリスペクトを忘れない。どんなに不合理に見える組織の慣習・制度・仕組みであってもかつての特定の時期には合理的に機能していたかも、と想像力を駆使する必要。

〇板橋区起業家インタビューでお伺いした、『ヘドロを認識すること。何故そうなったのかを考えることが大事だと思っています。そこに価値もある』が想起させられました。

・現場の人たちに対して「リスペクト(Respect:尊敬の念)」を持ち話を聞く一方で、定量データの数字を見ながら「サスペクト(Suspect:疑いの目)」もしなければならない。

・組織の目指す理想と現実のギャップとは何か?

・人材開発・組織開発は、ねぎらいと感謝から始めるのが重要。

・クライアントの「生声」「発言」ほど現場の人に刺さる。現場の人が使ったメタファや言い回し、言葉遣いを極力残した形で伝えると、信頼性も納得感も高まる。

〇「この人、現場を知っているな」と。

・エドガー・社員の「ORJIサイクル」。「Observation」「Reaction」「Judgement」「Intervention」。

・対話とは「間」のあるコミュニケーションであり「しっとりした時間」が流れる。お互いの意見を探り合い、分かり合えなさをいったんは楽しむことがポイント。

〇これが難しいけど、楽しめたら良いですね。

・「実は・・・でした」という打ち明け話が出てくることが良いフィードバックミーティングの目安に。

・「対話飽和点」は、次の話題・次のアクションへの転換点に。

・コンサルタントとクライアントの「共依存関係」を意図的かつ戦略的に作り上げる人も。

〇悩ましいところですが、恋人から夫婦へ、みたいな感覚がベターでしょうか。

第6章 よりよい課題解決者になるために

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