会話を哲学する
会話を哲学する
三木 那由他
はじめに
・コミュニケーションは発言を通じて話し手と聞き手の間で約束事を構築していくような営みで、マニピュレーションは発言を通じて話し手が聞き手の心理や行動を操ろうとする営み。
第1章 コミュニケーションとマニピュレーション
・会話を通じて人は誰かの心理や行動を操作しようとすることをマニュピレーションと称す。
・マニピュレーションとは、コミュニケーションを媒介にすることで話してから聞き手になされる行為。
第2章 わかり切ったことをそれでも言う
・話し手がコミュニケーションをした以上、話し手は自分の行ったコミュニケーションに応じた責任を負うことになり、この責任に反するような振る舞いが「嘘」と呼ばれている。
第5章 すれ違うコミュニケーション
・約束事は、目の前の相手との関係において、時に勇気を出してそれを撤回することこそが、何よりも誠実な選択になることが。
・コミュニケーションがすれ違っている時は、約束事を再確認したり、互いに自分の方針を示したり、相手の方針を批判したりしながら、自分たちがどういう約束事に従っているのかということについての擦り合わせをし、軌道修正を図る。
・コミュニケーションによって作られた約束事を一方にとって都合のいいように捻じ曲げてしまうようなコミュニケーション的暴力を「意味の占有」と呼ぶ。
・意味の占有は、高い地位、利用できる社会制度が多ければ多いほど実行しやすい。
〇声の大きい人に引っ張られないように。
第6章 本心を潜ませる
・コミュニケーションとマニピュレーションの区別は、音声多重放送における主音声と副音声のような関係。表と裏。
第7章 操るための言葉
・話し手にとって都合のよいイメージを聞き手が想起することを狙って、話し手が比喩を用いるのは、マニピュレーション。(中略)自分の議論の説得力を、比喩によるマニピュレーションによってブーストすることができる。
・聞き手に気づかせないで行うマニピュレーションが効果を及ぼした時、聞き手は誘導された思考を、自分の思考として守ろうとする傾向。
・悪質なマニピュレーションは結果の良し悪しの点でその悪質さが問われるべきであり、コミュニケーション的な約束事が形成されているとか約束事に話し手が従っているかを焦点にするべきではない。
〇まさに今のSNSの現状の一端でしょうね。
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