【木工房 Asukayama Works】サイト―さん
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ー前職はシステムエンジニアなんですよね。
サイト―さん:大学を卒業して17年間、SEの仕事をしてきました。入社して5年目から管理職としてプロジェクトを率いるようになり、多い時で20人弱、小さい案件だと3~4人の部下たちと一緒に仕事をまわしていました。
ー全く毛色の違う「会いに行ける家具職人」として起業された理由を教えてください。
サイト―さん:昔からモノを作るのが好きでした。高校生の頃、自分の机を好みに改修してみたり。DIYには自信があったのだと思います。また、バイクが好きで今でもよく乗っているのですが、整備にはまり、エンジンをいじりまくりました。それこそすべてのパーツをバラシて組み立てたり。工具には手が馴染んでいましたね。
ー木工とエンジンは工具が違う?
サイト―さん:もちろん全然違うのですが、感覚的なものは共通点があります。
ーDIYはずっと続けていたんですか。
サイト―さん:いえ、特にそんなわけではなかったです。ただ、8年前に娘が生まれたのですが、子供が成長するにつれ、娘や妻のために家具を作りたくなったんですよね。それがきっかけです。
サイト―さん:作り始める前は、「木工なんて余裕」と思っていたのですが、思った以上に上手くできませんでした。納得いかず、ネットで色々と調べで気づいたのは、自分が知らない電動工具が沢山あるという事。普通の人は電動ドライバーなどは知っていますよね。
ーはい、私も持っています。便利ですよね。
サイト―さん:そうなんです。例えば・・・、
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と、工房に招き入れ、見せてくれたのは「トリマー」という機械。
サイト―さんが角材に機械を当てると、角材の角があっという間に滑らかに!!
「すごい!!」と、思わず叫んでしまいました。
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サイト―さん:もちろん、手作業でもできないことはないのですが、電動工具を使うと圧倒的に早く簡単に作業ができるんです。この他にもたくさんの電動工具がありますよ。
ーいつごろから起業を考え始めたのですか?
サイト―さん:新卒で入社した当時から、一生会社に勤める気はありませんでした。漠然とですが、そのうち脱サラするだろうな、と考えていたんです。ですが、気づけば17年。同僚や部下に恵まれたので、独立まで時間がかかりました(苦笑)。
ー働きながら、木工を続けてきたんですね。
サイト―さん:はい。あくまでも趣味だったんです。家族も喜んでくれますし。そんな中、3年ほど前に、遊びに来てくれた友人にほめられたんです。「サイト―の家具、売れるんじゃない」って。それで試しにネットで出品してみたらすぐに売れたんです。嬉しかったですね。
サイト―さん:売れたお金で新しい工具を買い足し、また作っては売る。その繰り返しで工具を買い揃えるうちに、そこそこ稼げるようになってきました。本格的な副業になってきたので、会社に副業届けを出し、土日を家具作りに当てました。
サイト―さん:ですが、土日にかかりっきりになると、家族の事がおろそかになります。これはいけないと思い、ああ、そろそろ脱サラ時かな、と思いました。何より、当時一番疑問に思っていたことは、娘の事でした。毎日通勤して帰宅するのは大体19時頃。共働きなので、娘は学童保育が終わると一人で帰宅してお留守番ということが多く、寂しい思いをさせていました。脱サラすれば、家にいられる、と思ったのが一番の理由です。
ー娘さんは喜んだでしょうね。
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「対話型OJT」を献本させていただきました。
言葉を選びながら冷静に話す姿の奥に、熱い思いが込められているのをひしひしと感じました。
サイト―さん、ありがとうございました!
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