【木工房 Asukayama Works】サイト―さん

板橋区の起業家インタビュー、第4回目は、高島平で「木工房 Asukayama Works」を営むサイト―さんです。
2019年10月、17年勤めたシステムの会社を退職し、高島平に工房を構えました。第2回のインタビューで輝成さんから、「サイト―さんからは面白い話が聞けると思いますよ」とのご紹介を受けてのインタビューです(実はいたばし部つながりでもあります(笑))。

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ー前職はシステムエンジニアなんですよね。

サイト―さん:大学を卒業して17年間、SEの仕事をしてきました。入社して5年目から管理職としてプロジェクトを率いるようになり、多い時で20人弱、小さい案件だと3~4人の部下たちと一緒に仕事をまわしていました。

ー全く毛色の違う「会いに行ける家具職人」として起業された理由を教えてください。

サイト―さん:昔からモノを作るのが好きでした。高校生の頃、自分の机を好みに改修してみたり。DIYには自信があったのだと思います。また、バイクが好きで今でもよく乗っているのですが、整備にはまり、エンジンをいじりまくりました。それこそすべてのパーツをバラシて組み立てたり。工具には手が馴染んでいましたね。

ー木工とエンジンは工具が違う?

サイト―さん:もちろん全然違うのですが、感覚的なものは共通点があります。

ーDIYはずっと続けていたんですか。

サイト―さん:いえ、特にそんなわけではなかったです。ただ、8年前に娘が生まれたのですが、子供が成長するにつれ、娘や妻のために家具を作りたくなったんですよね。それがきっかけです。

サイト―さん:作り始める前は、「木工なんて余裕」と思っていたのですが、思った以上に上手くできませんでした。納得いかず、ネットで色々と調べで気づいたのは、自分が知らない電動工具が沢山あるという事。普通の人は電動ドライバーなどは知っていますよね。

ーはい、私も持っています。便利ですよね。

サイト―さん:そうなんです。例えば・・・、

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と、工房に招き入れ、見せてくれたのは「トリマー」という機械。

サイト―さんが角材に機械を当てると、角材の角があっという間に滑らかに!!

「すごい!!」と、思わず叫んでしまいました。

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サイト―さん:もちろん、手作業でもできないことはないのですが、電動工具を使うと圧倒的に早く簡単に作業ができるんです。この他にもたくさんの電動工具がありますよ。

ーいつごろから起業を考え始めたのですか?

サイト―さん:新卒で入社した当時から、一生会社に勤める気はありませんでした。漠然とですが、そのうち脱サラするだろうな、と考えていたんです。ですが、気づけば17年。同僚や部下に恵まれたので、独立まで時間がかかりました(苦笑)。

ー働きながら、木工を続けてきたんですね。

サイト―さん:はい。あくまでも趣味だったんです。家族も喜んでくれますし。そんな中、3年ほど前に、遊びに来てくれた友人にほめられたんです。「サイト―の家具、売れるんじゃない」って。それで試しにネットで出品してみたらすぐに売れたんです。嬉しかったですね。

サイト―さん:売れたお金で新しい工具を買い足し、また作っては売る。その繰り返しで工具を買い揃えるうちに、そこそこ稼げるようになってきました。本格的な副業になってきたので、会社に副業届けを出し、土日を家具作りに当てました。

サイト―さん:ですが、土日にかかりっきりになると、家族の事がおろそかになります。これはいけないと思い、ああ、そろそろ脱サラ時かな、と思いました。何より、当時一番疑問に思っていたことは、娘の事でした。毎日通勤して帰宅するのは大体19時頃。共働きなので、娘は学童保育が終わると一人で帰宅してお留守番ということが多く、寂しい思いをさせていました。脱サラすれば、家にいられる、と思ったのが一番の理由です。

ー娘さんは喜んだでしょうね。

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ーサイト―さんが考える「自律型人材」とはどのようなものでしょう。
サイト―さん:一言で言うと「仕事を創り出す人」です。自律型人材は、新しい仕事を生み出す、取ってくる人です。
サイト―さん:とは言え、適材適所はありますし、それぞれの個性に合った役割を全うすることも大事です。例えば、僕は事務作業が苦手ですが、事務作業を確実にこなす人も組織には必要です。そう考えると、自分の場所でそれぞれが工夫することが自律型人材につながるのかな、とも思います。
ーサイト―さんは組織でたくさんの部下をお持ちでしたが、自律型人材たる人を見極めるコツなどはありましたか。
サイト―さん:確かに、無意識に見極めていたかもしれません。・・・思いついたことを実行するか否かが、分かれ目だったかもしれません。思いついても実行しない人の方が多いと思います。そもそも思いつかない人もいるかもしれませんね。
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ー最後に、これから起業を考えている人にエールをお願いします。
サイト―さん:何かの記事で読んだのですが、自分が背中を押された言葉に『死ぬ前に人が最も後悔するのは「挑戦しなかったこと」』というものがありました。理想の自分になろうとしなかったということだそうです。つまり、行動することが大事なのだと感じました。
サイト―さん:もう一つは、「縁を大事にする」ことです。縁に助けてもらえることは多くあります。独立当初は、ずっと一人で家具作りしているのだろうと思っていたのですが、1年間経ってみるととにかく縁がなければ全然やってこれなかったということを実感しています。それがわかってからは、自分も人の縁をつなげるように意識もしています。

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「対話型OJT」を献本させていただきました。

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インタビュアーの林(ラーンフォレスト合同会社 代表社員)は、上記の「対話型OJT」をもとにした、新人の適応を促す「上手な仕事の教え方」を研修にてお伝えしています。

言葉を選びながら冷静に話す姿の奥に、熱い思いが込められているのをひしひしと感じました。

サイト―さん、ありがとうございました!

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