チームが機能するとはどういうことか
チームが機能するとはどういうことか
エイミー・c・エドモンドソン
第1章 新しい働き方
・チーミングは「動詞」。境界のある固定された集まりではなく、動的な活動。
・多くのチームが集められてはすぐに解散する。
・学習するための組織づくりというアプローチをリーダーが採用すると、ライバルより効率的に製品を生み出すことではなく、ライバルより早く学習することに重点が置かれる。目標は、何が上手くいって何が上手くいかないかを見つけ出すこと。
・工業化は労働者を子ども扱いしたが、知識ベースの経済が上手くいくのは、あらゆる階層の労働者を、誇りを持つ、自分で決定を行う大人へ回復させた時だけ。
第2章 学習とイノベーションと競争のためのチーミング
・多くの病院に見られる他の部署と連携を図らない構造は、治療に伴う手順の多くに必要な、動的で即座の行動を求めるチーミングを後押しすることができない。
・チーミングは、学ぶこと(質問する、好奇心を持つ、傾聴する)と、教えること(コミュニケーションを図る、結び付ける、明らかにする)に関連する対人能力向上の問題。
・従業員を尊敬していることをリーダーが明確に伝えると、進んで知識を提供しやすくなる。(中略)人々の知識やスキルを求めているという弱さをリーダーが認められないと、人々はそれを出し渋り、チーミング行動が持つ対人リスクを招くことになる。
・意見の衝突は新たな理解や尊敬や信頼を築くチャンスに。心理学の認知的誤謬、「素朴実在論」と「根本的な帰属の誤り」を考えると役に立つ。
・素朴実在論。自分が関心を持っていることについて友人や同僚が不賛成であることが分かると、多くの人は驚くと同時に不快に思う。
・根本的な帰属の誤り。ある人の欠点を、その人が直面している状況ではなく能力や姿勢と関連付けて解釈するように。(中略)自分自身の失敗を説明するとき、無意識のうちに原因は外的要因にあるとする。
・「価値観」は心に大切にしまっている信念であり、他人に簡単に片づけられてしまうと、故意でなかったとしても強い感情を持って対応してしまう。
・職場で自然に生まれるフレームの多くは本質的に自己防衛するためのもの。協働、学習、進歩するチャンスを著しく制限。思慮深い学習志向へのフレームへと再構成するために、相互依存するチームリーダーと、自立したチームと、志の高い目標が必要に。
第3章 フレーミングの力
・自分の役割が、命令を出す人からチームメンバーへ変わり、他メンバーに権限を与えてやる気を促し、変化に必要な努力をしてもらいたいと思ったこと。「外科医が怒鳴るように上から命令を出すというモデルは最早ない」「手術室に溢れているのは、協力し合うという新しい波」。
第4章 心理的に安全な場をつくる
・心理的安全があると、期待や希望を否定するデータを示されたときに生じる守りの姿勢、「学習不安」を克服しやすくなる。保身より共同の目標や問題の防止に思う存分、集中できるようになると結論。
・権力を持つ人が高圧的に、最初に話をすると、人々は一層自分にブレーキをかけるように。マネジャーは自分の意見に対し、疑問を正直に口にすることよりむしろ支持を求めることによって、意義ある反対意見を述べようという人々の意欲を削いでしまう。
・比喩は新たなアイデアを生んだり創造性を呼び覚ましたりするが、実際の問題点を見えなくしたり率直な、活発な話し合いを妨げたりする場合がある。
○得意気の罠、にはまらないようにしないと。
・「公正な文化」という考え方。有能な専門家でも間違うことも。が、無鉄砲な行動に対しては断固とした措置を必ず取る、ということを認識するため。
・心理的安全とは、意欲的なパフォーマンス目標を達成しようとして生じた失敗や疑問のために罰せられたりばつの悪い思いをさせられたりすることはないということ。
第5章 上手に失敗して、早く成功する
・失敗の真実、「失敗には良いものもあれば悪いものもあり、避けがたい場合が少なくない」。組織的失敗から学習することは決して簡単ではない。
・ミス(エラー)は、すでに分かっているプロセスからの回避可能な逸脱。失敗(フェイラー)は、回避できるもの(ミス)も回避できないものも両方を含む。
・リーダーは失敗に終わった試みを「上手くいかなかったトライアル」と呼ぶことができる。認知的にも感情的にも言葉の違いははっきり伝わる。組織文化に大きな影響がもたらされ、失敗から学ぶことに対する堅固な心理的障壁を取り払えるように。
第6章 境界を越えたチーミング
・あるチームが抱える問題の対する解決策は他のどこかのチームがきっと持っている。
○研修でのグループワーク。互いに答えを持ち寄っています。
・適切な知識や専門知識を持っている人を突き止めるために、組織中を横にも下にも探し求める。定期的に訪ねるのも暗黙知を見つける方法。信頼や理解や協同を確かなものにするための強力な方法。
○SNSで定期的に、「自分は○○屋」と発信し、時にはリアルで会えるとよいですね。
・職業的な境界をなくすには、様々なグループの融合が起きる「バウンダリー・オブジェクト」を使うことでハードルが下がる。図面や試作品や部品のようなバウンダリー・オブジェクトは知識がはっきりした形をとって現れたもの。
第7章 チーミングと学習を仕事に活かす
・ベストプラクティスは「動く標的」。
・医学事象に関するシナリオをシュミレーションすると、仕事に戻って実際の患者に接する際に臨床医たちのチームとしての結束やパフォーマンスが向上。
○演劇の力。
・省察のための手段。PJのメンバーに、「またやりたいと思うこと」を5つリストアップしてもらい、次に「もうやりたくないと思うこと」5つについて話し合ってもらう。ポジティブなこととネガティブなことのバランスによって、安全な環境が生み出され、PJのあらゆる面について深く話し合えるように。
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