オトナ相手の教え方
オトナ相手の教え方
関根雅泰
あなたの悩みを解決する、「ひとりで教えない」教え方
第一章 正しい「教え方」って何?
<「教え方」なんて教わったことがない>
教え方の2つの本質、
「相手の立場に立つ」
「学習の手助け」
第二章 教え上手な人の教え方
<「教え上手、教え下手」あなたはどっち?>
人は人生のどこかで「教え上手」と出会ってきている
・教え上手に出会った幸せ。
教え上手な人の事を考えると心がほっこりします。
「教え上手」は「相手本位」な人である
<教える相手が100人いたら100通り教え方>
教え下手は「自分本位」、自分を中心に物事を見ている
自分と相手は違うという違いを認めた上で「相手の立場に立つ」、相手の立場に立つ「努力」をするということ
・この努力は、相手にきっと伝わると思います。
<教える前にすべきこと>
相手のレベルとは「知識」「技術の度合」
<行動目標をレベル分けして目的地をはっきりさせる>
知識:~を説明できる、~に関するキーワードを言える→知識として商品の説明ができるようになった
技術:~ができる、~を動かせる、~を使える→技術として、報告書が書けるようになった
態度:~をするようにする、~をしなくなる→態度として、朝、元気よくあいさつするようになった
<「イラッ」としたら、4つのタイプで考えよう>
「SPトランプによる4つのタイプ」
https://learn-forest.com/archives/1016104978.html
・私の武器でもあります。
第三章 命令するような教え方していませんか?
<「教える」とは3つの手助け>
教えるとは「学習」の手助けであり、大人が学ぶのを、横からそっと手助けするのが「教える」ということ
・あからさまに上から目線で教えられると、大人は反発しちゃいますよね。
学習=「獲得」「参加」「変化」と定義
第四章 一方的に説明しても伝わりません
<伝える前にコップの大きさを確認する>
相手に説明する前に、まずは相手の「コップの大きさ」をはかることが重要、これは「現状のレベル把握」のことを指す
そのときどきによってコップに変化があるので、一方的に説明するのではなく、相手のレベル・状態を把握する、「コップの大きさ」を計るという行為が必要
「説明をする前に質問する」というのは、特に中途採用で経験のある方や、新卒で高学歴の方に有効
・コップの大きさを確認する行為は、相手のことを好きになる一助になると思います。
相手を認め、良い所を好きになるというのが大事ですね。
<持っている情報をすべてつたえない>
「コップに入るだけの量を、小分けにして入れる」
持っている情報が10あったとしても、相手のコップの大きさによっては、3までしか説明しない、残りの4~10は後で説明する
教育哲学者のジョン・デューイの有名な言葉、「誰も学べていないのに、”教えた”というのなら、誰も買っていないのに、”売った”というのと同じだ」
・つい、自分の知ってることを話したくなるというのはわかります。
居酒屋で、気持ち良く語っていると楽しいですから・・・
でも、それは独りよがりです・・・気をつけましょう(苦笑)
<「1,000,000」にすると分かりやすい>
教わる側に理解してもらうためには、情報を「分ける」ことが重要
相手が食べやすい大きさにちぎってあげるというイメージ
「分けると分かる」
・ちぎってあげる、分かりやすいです。
<上手な教え方は伝えて終わりじゃない>
私たちが伝えた情報が、どれだけ相手のコップに入ったのかを確認する
理解度の確認をする方法は、「言葉にしてもらう」「文字にしてもらう」「行動してもらう」の3つ
<大人相手の説明に必要な「吐く・吸う・吐く」>
私たちの説明を「吸わせたい(聞かせたい)」ならば、まずは相手に「吐かせる(言わせる)」ことが必要
「コップの大きさをはかり(吐かせる)」
「分けて分かりやすく説明し(吸わせる)」
「理解度を確認する(吐かせる)
・これ、本当に大事です!
いきものの基本は呼吸することですね。
マンガ「北斗の拳」に出てくる、「息をするのも面倒」というゲイラに聞かせて上げたい(笑)
第五章 早く会社になじめるような仕掛けをつくろう
<職場の雰囲気作りが会社と新人のためになる>
教育学の知見、学習=参加=「なじむ」
「なじむ」は、経営学の「組織社会化」という領域では、「適応」という言葉で表現
「適応」とは、つまり仕事への慣れ、同僚への慣れのことを指すが、「適応」を甘く見てはいけない
参加の手助け、つまり、教わる側が職場に適応(=なじむ)できるよう支援することが、最終目標
「相手の立場に立つ」という本質を忘れない
「なじむ」とはどういう状態かというと<役割の認識><適度な自信><周囲の受容>
<「マニュアル読んでおいて」は教えたことにはならない>
新人が一番困るのは、「することがない」という状態
・手持ちぶさたは、辛いですよね。
新人が職場に参加し、適応するためには「役割の認識」が必要
<辞めさせないために「チヤホヤ」する?>
新しく職場に入ってきた人は、不安を抱えている
不安を抱えている新人が、職場に適応するためには「適度な自信」が必要←過剰な自信は持ってほしくない
「適度な自信」は仕事をやり遂げたという経験からしか生まれてこない
新人の知識・技術レベルでは、与えられる仕事が少ないというのが難しい点だが、そこで有効なのが「雑用」
「誰かがやらなくてはいけない仕事」である雑用を、まだそれほど忙しくない新人が肩代わりしてくれることで、
職場の他のメンバーの負担が減ることになる
それは新人の存在価値を上げることにつながるので、より職場に参加しやすくなる
・雑用をやっている人を、周りはしっかり見ています。
雑用は新人に仕事を教えるための「対価」であるという説
<会話が続くか不安でも話す機会を作る>
新人が職場に適応するためには、「周囲の受容」が必要
第六章 プライドのある大人に素直になってもらうには
<10年、20年、当たり前だった行動を変える>
相手の「変化」を手助けする教え方
相手の言動が変わるよう促していくやり方
言動を変えるといっても、相手が大人であれば一筋縄ではいかない
変化の手助けをよりスムーズに行えるポイント→ターゲット(標的)・シナリオ(筋書き)・フォロー(追跡)
<「良い言動」と「悪い言動」の両方をターゲットにする>
「変えてほしい」言動」というターゲット(標的)を設定する目的は「現状と目標の差」を埋めるため
「変えてほしい言動」(現状)は何で、「望ましい言動」(目標)は何なのか、教える私たちがはっきりさせておく必要がある
<「変えてほしい言動」は多くても2つまで>
大人の言動を変えてもらうというのは、相手のプライドの問題もあり、かなり難しいこと
私たちも事前にある程度の準備をする必要がある
シナリオ(筋書)の大まかな流れ→「良い点から改善点へ」・「吐く・吸う・吐く」
相手の言動を変えてほしいときは、まず「良い点」から伝える
・最初にほめることで、「あなたのことを見ているよ」というアピールにもつながります。
改善点は、あれもこれも言わずに、まずは1つあるいは多くても2つぐらいに留めることをお勧め
相手にとっては耳が痛いことを言われているので、一度にあれこれ言ってもいきなりは変われない
ターゲット(標的)である「変えてほしい言動」は、絞り込んだほうがよい
「改善点を伝える」ときは、「吐く・吸う・吐く」を意識する
<1年でも2年でも変わるまで気長に見守ろう>
「相手の変化を手助けする」の仕上げは、フォロー(追跡)
「今後の合意」で約束した言動をきちんと行えているかを見る
・気長に見守る・・・難しいけど、この「忍耐」が自分を成長させます。
第七章 「ウマがあわない」なんて言い訳は通用しません
<「この人から教わりたい」という関係>
教える土台は、相手との信頼関係
「信頼の要素」とは相手が私たちを信頼に足る人物か判断する時に見ている要素
「共通点」「姿勢」「能力」という3つの要素
<いまどきの若い奴にもシャッターは開けておこう>
「共通点」とは、私たち教える側と教わる側との間に、何らかの同じ部分があれば、相手は私たちに親しみを覚えるということ
・これ、ほんとうにそうです!
ミラーリングとモノマネ
<部下は上司を選べない>
信頼の要素の2つ目、「姿勢」とは私たち教える側の熱意や真摯さ
困ったときにいつでも声をかけられる雰囲気にしておく、ということが大切
<教える側は「値踏み」をされています>
「能力」は、私たちの知識・技術・経験・対応を指す
「この人は、自分に教えるだけの能力があるのか?」と、私たち教える側を「値踏み」している
・値踏みに耐えうる説明力を獲得するために日々勉強ですね。
第八章 「ひとり」ですべてを教えようとしていませんか?
<なぜ、教え方は分かっているのに実践できないのか>
<教えることだけが仕事じゃないから時間が取れない>
現場で教えていて一番苦労するのが」「教える時間の確保」、つまり、自分の業務との両立
<教える内容が専門的で対応できない>
<ひとりで全部抱えない>
私たちが苦労する「業務と教育の両立」に対しては、周囲を巻き込むことで、上手くバランスを取る
大人相手に教える時は、「ひとりで教える」必要はなく、「複数で教える」という手段が有効
どうすれば周囲を巻き込むことができるのか→人脈マップの作成・周囲への協力依頼
・周囲への協力依頼は、自分の人脈の再確認や再構築もできますね。
<職場の見える化「人脈マップ」を作ろう>
「人脈マップ」には、皆さんの周囲にいて、新人指導に関わってもらえそうな人たちの「名前」と「強み」を書き出す
新人がその「人脈マップ」を見た時に、誰が何に詳しいのかがぱっと見て分かるように書くことが重要
<新人を受け入れる体制を整える>
「人脈マップ」ができたら、描いた人たちに対して、新人指導を手伝ってもらえるように「協力依頼」をしていく
同僚や自分より先輩になる人に協力依頼をするのは難しいと感じる・・・そんな時こそ「上司」の力を借りる
<複数で教えるときは過負荷に気をつけよう>
<道のりはバラバラでも目的地は同じにする>
<周囲を巻き込んでいくとすべてがうまくいく>
<教える側も正解がわからないときがある>
<正解がわからないときの教え方>
対話モデル→教える側も正解がわからないのであれば、教わる側と一緒に「対話」しながら、共に正解を考えだすようなやり方
「教える立場なのに、相手に相談するなんてできない」→「分からないから、解決方法を一緒に考えてもらっていいかな」と素直に頼ることも、教える立場として大事な要素
・この「素直さ」がある人こそ、教え上手だと思います。
今後、より複雑化していく世の中の教育現場でも、一緒に答えを見つけ出していくという対話モデルが、一般的な教育方法となっていく
第九章 忙しい中で教えることはムダじゃない
<教えることで得られる7つのメリット>
知識整理・原点回帰・意欲向上・人脈拡大・視野拡大・説明力向上・マネジメント力向上
<自然に経験の棚卸しに>
他人に教えることで・・・今まで覚えてきたたくさんの知識や技術、重ねてきた経験を、いったん棚卸しする機会につながる
<上に立つ人の心構えが身につく>
新人指導は・・・「こういうところを新人に見られるとまずいよな」と、自分を律する機会にもなる
<評価がさらに意欲を向上させる>
人に教える立場を、会社から任されたということは、私たち自身がそれだけ会社に認められているということ
<仕事のタコつぼ化を防ぐ>
自分も分からなかったことを、「新人に教えてやってくださいよ」と言いながら、一緒に学ぶこともできる
・ちょっとずるい(苦笑)けど、大事なことです。
自分だけの力では横のつながりが作りにくいところを、新人の力を借りて拡げていく
<他人の成功パターンを知ることができる>
人に教えることで、私たちのものの見方が拡がる
新人指導を通じて、私たちの人脈が拡がれば、それだけ多くの人のものの見方を知る機会につながる
<「人を動かす」分かりやすい説明力>
新人を教える立場になることで「他人に分かりやすく説明しようとする意識」が高まっていることが明らかに
教える立場になる「前」と「後」で数字的な差が出ている
・分かりやすく説明するには、教える内容を深く知らないとできませんからね。
<マネージャーとしての基礎>
自分の感情に向き合う機会となるのが、教える立場になったとき
<新しい未来をつくる>
教える=相手の「学習(獲得・参加・変化)を手助けする」ことで、相手の可能性を広げ、未来をつくっていく手伝いをしている
すべては、将来のマネジメント力の向上につながる
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