イシューからはじめよ

イシューからはじめよ

安宅和人

はじめに

・「考える」と「悩む」の違い。「悩む」は、答えが出ない前提のもとに「考えるフリ」をすること。「考える」は、答えが出る前提のもとに、建設的に考えを組み立てること。

・「悩んでいると気づいたらすぐに休め。悩んでいる自分を察知できるようになろう」。「君たちの賢い頭で10分以上真剣に考えて埒が明かないのであれば、そのことについて考えることは一度止めたほうがいい。それはもう悩んでしまっている可能性が高い」。

〇これを言ってくれる上司がいる部下は幸せですね。

序章 この本の考え方 — 脱「犬の道」

・バリューのある仕事とは何か。バリューの本質は2つの軸。「イシュー度」と「解の質」。イシュー度とは、「自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ」、解の質とは、「そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い」。

・「根性に逃げるな」。価値のあるアウトプットが生まれればいい。

・「時間ベース」か「アウトプットベース」か。「労働者(laborer)」と「ワーカー」、「サラリーマン」と「ビジネスパーソン」、「ビジネスパーソン」と「プロフェッショナル」の違い。

・脳自身が「意味がある」と思うことしか認知できない。「意味がある」と思うかどうかは「そのようなことが意味を持つ場面にどのくらい遭遇してきたか」によって決まる。

〇やはり肝心なのは経験。

第1章 イシュードリブン

・「イシュー(の見極め)からはじめる」ことが極意。「何に答えを出す必要があるのか」からはじめ「そのためには何を明らかにする必要があるのか」という流れで分析を設計していく。

・強引にでも前倒しで具体的な仮説を立てることが肝心。

・「絵」や「図」はイメージを掴むためには有用だが、概念を定義するのは言葉にしかできない。言葉(数式・化学式を含む)は人間が作りあげ磨き込んだ最もバグの少ない思考の表現ツール。

・良いイシューの表現は「WHY」ではなく、「WHERE」「WHAT」「HOW」いづれかの形をとることが多い。「WHY」には仮説がなく、何について白黒はっきりさせようとしているかが明確でない。

・構造的な理解の4パターン。

・イシューの見極めにおける理想は、「自分の手法ならば答えを出せる」と感じる「死角的なイシュー」を発見すること。(中略)学術的アプローチや事業分野を超えた経験がものをいうのは「自分だけの視点」を持てるため。

〇ニッチを見つけるためにも、多様な経験が必要だと。コネクティングドッツ。

・「知り過ぎたバカ」にならない範囲で情報収集を止めることが、イシュー出しに向けた情報集めの極意の一つ。

第2章 仮説ドリブン① イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる

・人に何かを理解してもらうためにはストーリーが必要。分析も検証も完了していない時点で「仮説がすべて正しいとすれば」という前提でストーリーを作る。

第3章 仮説ドリブン② ストーリーを絵コンテにする

・イシューが見え、検証するためのストーリーラインもできれば、次は分析イメージ(個々のグラフや図表のイメージ)をデザインしていく。「絵コンテづくり」。

・「どんなデータが取れそうか」ではなく「どんな分析結果が欲しいのか」を起点に分析イメージを作る。

・分析とは比較、すなわち比べること。フェアに対象を比べ、その違いを見ること。

・脳は「異質な差分」を強調して情報処理するように進化。それが分析の設計において明確な対比が必要な理由。(中略)脳にとって認知を高める方法が「比較」。分析的思考。

・既知の情報とつなぎようのない情報を提供しても、相手は理解のしようがない。

〇かみ砕くというのはまさにここなのでしょう。極力平易な言葉で専門用語を使用しないように説明すること。

第4章 アウトプットドリブン 実際の分析を進める

・「答えありき(自分の都合のよい見方)」ではなく「イシューからはじめる(正しく答えを出す見方)」。フェアな姿勢で検証しなければならない。

・(イシューに)「答えを出せるかどうか」。答えを出せなければ何のインパクトも生み出さない。「完成度よりも回転数」「エレガンスよりもスピード」を実践すること。

第5章 メッセージドリブン 「伝えるもの」をまとめる

・プレゼンや論文のアウトプット。聞き手・読み手と自分のギャップを埋めるためにある。

・「賢いが無知」というのが基本とする受け手の想定。

・恩師の言葉、「自分が理解できなければ、それを作った人間の事をバカだと思うもの。人は決して自分の頭が悪いなんて思わない」。

〇わかりやすくシンプルに。

・プロフェッショナルの世界では「努力」は一切評価されない。(中略)常に最初に来るのは結果であり、努力はその評価の補助手段。

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