『テレワークを再考する:”オフィス回帰”をどう捉えるか」オンラインセミナーに参加させていただきました。

先日、標記のオンラインセミナーに参加させていただきました。

ビジネスリサーチラボの伊達先生とは、以前、関根さんと共に登壇させていただいたご縁があります。

「JMAM出版トーク 『オンライン採用』×『対話型OJT』本音で語る採用と育成」

差しさわりのない範囲で当日の模様を備忘録として記します。

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【能登真澄さん:研究知見で見る、テレワーク/出社の違い】

・テレワーク下で評価への納得感はどのように形成されるか

・評価への納得感→自分の仕事が適切に評価されないのでは?

・同僚・上司とのコミュニケーション→仕事の不確実性→評価への納得感

・「評価への納得感」が高まるプロセスについて研究。
→上司が質の良いコミュニケーションを行うことは両者で有効。

・「上司のタスク志向なコミュニケーション」はテレワークで有効。仕事内容に特化した情報交換。

・「上司のコミュニケーションの量」は出社で有効。

・統計的にはテレワーク/出社で優劣は見られない。(N:テレワーク53名、出社319名。)

・近年のテレワーク研究の概観。コロナ以降増えた。

・仕事の裁量付与は、テレワークの効果を高める。自分で決められることで職務満足を高める効果。

・個々の業務進捗がたメンバーのタスクに影響しない仕事はテレワーク向き。

→相互依存性が低い仕事だと、テレワークが良い効果を持つ。職務満足を高める。

・チームの対話にオンラインツールを活用しにくい職場は出社向き。

・どういう場合にテレワーク/出社が良いのか?

・周囲との調整が少なく、一人で集中できる仕事はテレワーク向き。

・周囲との調整が多く、協働で成果を高める仕事は出社向き。

・自律的にどんどん進められる仕事か、他メンバーとの調整コストが高いか否か、で考える。

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【伊達洋駆さん:テレワークの有効な進め方】

・推進派でも回帰派でもない。それぞれの企業が状況において決めればよい。

・テレワークは仕事の自律性を高める。離れて働くため、裁量が増す。任さざるを得ない。

・自律性が創意工夫を引き出す。

→時間と目標を設定・管理する。セルフマネジメントが鍵。

・自由な時間で新しいことを行う。アイデアの試行、学習の促進。

・テレワークは集中を維持できる。仕事の中断が少なくなる。集中できる環境を整えること。作業環境の整備、デジタルの活用。

・リズムと健康に配慮する。自分なりのペースを設計。

・出社は運動になるという健康促進の面もある。

・ワークライフバランスに気をつける。仕事と家庭の葛藤はテレワーカーにバーンアウトをもたらす。

→場所と時間をデザインする。仕事をする場所とそれ以外の場所を分けて、仕事と休憩のモードを切り替える。

・ルーチンの確立。規則正しい生活。プライベートの充実も重要。

・テレワークはかかわりが減りやすい。フィードバックが得られにくい、サポートが減る。社会的な孤立を防ぐことが大事。

・孤立防止への対策

・定期ミーティング、顔の見えるウェブ会議を高頻度で。週報や月報。チャットやバーチャルオフィスも有効。

・仕事以外の話題が孤立を遠ざける。

・雑談は関係構築に機能する。関係が浅い時ほど効果は大きくなる。

・上司と部下のやり取りが重要に。悩みやニーズを把握する、フィードバックの提供。意識的に行わないといけない。

・一緒に学ぶ機会を設定する。勉強会の開催、共同プロジェクト。

・コミュニケーションと集中のジレンマ。上手くバランスを取ること。

・ハイブリッド型テレワークが注目を集めている。

・テレワークならではの良さを引き上げる。出社にはない独自の強みに注目し、新たな可能性を広げる動きもある。

→世界中の優秀な人材と共同できる、時差を利用した分業で効率化を図る。

・デジタルノマド。ワーケーション。色々なデータが身近になり、データドリブンな意思決定を勧められる。

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【Q&A】

Q.社内知見がない新しい取り組みなどは、社内合意は対面でないと難しい。ルーチンはテレワークでも大丈夫。テレワークで新しい試みが成功した良い事例はあるか。

A.合意は対面、アイデアはテレワークという知見もある。新しいチャレンジには有効ではないか?少人数(2,30人くらい)でバーチャルオフィスを利用して成功した事例がある。

A.類似した環境、コミュニケーションツール、同期性、双方向性があると成功する可能性がある。より対面に近いバーチャルツールが有効という知見も。

Q.出社回帰で社員の不満軽減は?

A.集まるからこそ得意な仕事をやる、というのであれば不満は起きない。テレワークでできることをオフィスでやらせようとすると不満が。

A.通勤の手間は減らせないので、出社するからこそのメリットを示す必要。

A.オフィス手当を出す会社も。

Q.チーム内でテレワークにおける相性の違いがある場合の良い考え方はあるか?

A.出社組と非出社組の対立。コミュニケーションを取ること。ダイバーシティはポジティブだという文化を醸成していくこと。

A.テレワーク出来る人とそうでない人との対立。ずるいよ、と。ギャップへの研究。不公平感を解消するために文化を醸成すること。

A.理由を説明するのがマネジャーの役目。

Q.テレワークに合う合わないは仕事の性質以外にも、心理的安全性の状態や、入社後間もない、メンバーや上司との関係などにも向き不向きが。

A.セグメンテーションプリファレンス。プライベートと仕事を切り分けたいか否か。テレワークが合わない方もいる。入社間もない方への「社会化」を乗り越えるカギは、最初の早いタイミングでタイミングで会うことで安心させてからテレワークに移行すると社会化に寄与するという研究。

A.対人関係の構築は対面よりオンラインの方が時間がかかるが、できると言われている。でも、時間がかかると新人は大変。「たまには会いましょう」というのも良いという研究も。

Q.ハイブリッドの効果を高めたり、良い組み合わせ方の知見は。

A.知見としては積みあがっていない。今までの知見では、強弱をつけて行くこと。ハイブリッドの割合がチームによって違う。

Q.コロナ禍で話題になったテレワーク中の雑談タイム。継続させていくコツは。

A.雑談のメカニズム。雑談で相手のことが分かったと認識することができる。自分を知ってもらえたと思える。人間関係がよくなる。信頼関係が高まるとエンゲージメントが高まる。雑談は人間関係を構築する一つの手段として。ランチに行ったり、自然に雑談ができるような環境づくりが大事。

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伊達さん、能登さん、皆さま、ありがとうございました!

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