森川すいめい先生のオープンダイアローグを感じる ~オープンダイアローグ 実際の対話の場面を見てみよう!!~ に参加させていただきました。

先日、標記のオンラインセミナーに参加させていただきました。

森川すいめい先生のオープンダイアローグを感じる ~オープンダイアローグ 実際の対話の場面を見てみよう!!

講師は、森川すいめい先生、川島美由紀先生。

差しさわりのない範囲で当日の模様を備忘録として記します。

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【オープンダイアローグの簡単な説明の後に、60分間のロールプレイ開始】

○ロープレ!?良い意味で期待を裏切られました。

・3人のクライアント。みかさん、姉のれいこさん、夫のけんいちさん。クライアントの自宅に森川先生、川島先生が来訪。

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れいこさん、うつ病、新しい治療法でよくなれば。5週間。薬を飲んでもよくならない。妹から紹介。

けんいちさん。時間がかかると思う。みかさんからの紹介ならと。

森川さん:60分、何を話したい?

みかさん:真面目な姉。仲良い。眠れないと心配。仕事が上手くいっていない。家で休むだけだと・・・よくなっていない。よくなるとっかかりになれば。

れいこさん:少しでも楽になれば。昼まで寝てる。家事もできない。ボーっとしてる。仕事のことばかり考えている。

けんいちさん:休んでいるのもつらいだろうな。家族としてどう関われば。

森川さん:確認の時間。川島さんと話します。

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川島さん:ゆっくりできてる?今の状況をもう少し知りたい。

森川さん:れいこさん、何があったか。人間関係?うつ状態が治ったら仕事に戻れる状態なのか?戻りたいなら職場の人と話す機会があればな。けんいちさんも心配している。話を聞きたい。

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けんいちさん:職場でしんどかったこと、話せる?

れいこさん:自然食品の商社。一般職から総合職に。自然食品を一般に広げるために頑張っていた。課長代理になって頑張っていた。営業成績が落ち込み、撤退を新しく来た部長に言われた。レストランの人になんて言おうか、と気に病んでいるうちにミスを起こしたり。心配で夜中に目が覚めてしまったり。

けんいちさん:社会情勢が変われば、うまくいく時期も来るのでは、とアドバイスしている。

みかさん:正義感が強い。辛いとか言いつつも愚痴っぽく言わない。辛いと言わない。無理している?そんなに自分を責めないでほしい。何とかならないかと思っている。

れいこさん:10年くらい関わってきた事業が反対された。10年のうちの6年は不妊治療をしていた。40であきらめた。頑張ってきてどちらもダメになった。あきらめなければと思っていたが、難しかった。しんどい。

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川島さん:飲食産業大変だった。コロナで自然食品はグレーゾーンな部分も。最前線に立っている人の顔が浮かんできたんだろうな。心配になった。この産業は復活すると思うが、今は色々浮かんでくるのかな。人の顔とか。あきらめたのは大きな決断だったが、無駄ではない。これから何が作っていけるのか。今、部長は何を考えているのか。

森川さん:10年頑張ったんだな。頑張ってこられてうまくいかなくなったことと、弱音を言えない、というので、こうしたいという思いとか、話せているのかな。状況とか情勢を話してくれて。れいこさんの助けになるようなことを探していければ。新しい何かが浮かばなくて。一緒に話したい。

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みかさん:7つ違い。言っていないこともあるのでは。聞けることがあるなら聞いてみたい。

れいこさん:妹の子供を自分の子のようにかわいがっている。話したいことがあれば聞きたいといった。うらやましいとは言えなかった。子供のこと。

みかさん:そんなに悩んでいるとは思わなかった。言ってくれてありがとう。

けんいちさん:不妊治療を二人でしてきた。仕事と合わせた大きな喪失感を改めて感じた。

れいこさん:自分一人で頑張らなくちゃ、という思いが。仕事で忙しそうなので一人で。仕事との両立は辛かった。6年やってできないのであきらめたくなかったけど、難しいのではと医者に言われ、自分ばっかり大変だなという思い。

けんいちさん:あまり言葉にして共有してこなかったかな。MBAの勉強や、家事もやってきたつもりだったけど、自身の時間を使っていることが多かったかな。

みかさん:けんいちさんも頑張っていたと思う。一人で頑張っていたと思っていたのが意外。けんいちさんも頑張っていたと感じていたので、そこが上手くいっていなかったのなら寂しい感じも。

れいこさん:妹がそう思っていたのかと。通院とかの話を深くは話していなかった。夫は言葉にはしなかったけど、今話を聞いて一方的に思っていたのかな。

みかさん:もっと頼ってほしい。子供ができたから言いづらかったこともあったのかな。けんいちさんも悔しがっていたのを私からも伝えたい。

けんいちさん:悔しがるのを見せるのも、と思っていたけど、見せた方がよかったのかな。切り替えて仕事をしていたけど、一緒にやっていこうと伝えていればよかった。

れいこさん:そんな風に思ってくれていてよかった。

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川島さん:不妊治療は大変。言うのも大変。金銭的にも精神的にも大変だけど、続けたかったのかな、というのは聞きたい。けんいちさんが伝えるのは難しかったのかな。自分に頼ってほしいというみかさんだが、複雑な気持ちだったのかな、というのが気になる。

森川さん:言葉では短く話せたけど、言葉は人を傷つけるんだな。一人で頑張っているけど、言えなかったんだろうな。言えたことを良かったな、と感じてほしいな。

川島さん:思いやるからこそ言えなくなることもあるんだな。

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みかさん:自分の立場だったら子供のことを聞けなかったかもな。動揺しているけど、姉のことが大事なのは変わらないから、一緒に考えて行けたらいいな、と勝手に感じた。

れいこさん:みかだけでなく、子供がいる人皆うらやましかったからね。話したことで少し楽に。自分のことを思いやって言えなかったんだというすいめいさんの言葉を聞けて少しうれしかった。

けんいちさん:言葉にしないと分からないことが多いな。仕事のアドバイスだけでない方がよかったかな。

れいこさん:心の奥の声を出せたかな。ごっちゃになっていたけど切り離された、整理された。ぐるぐるが少し弱まり楽になった。

みかさん:姉のために予約を取って姉が楽になったら嬉しい。仕事のことだけじゃなかったことがわかってよかったな。

けんいちさん:あまり聞けてなかった本音が聞けて、痛いけど良かったな。

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【役割(ロールプレイ)を終えて】

みかさん:すごく丁寧に一人一人話を聞いてくれるのが新鮮。森川さんと川島さんの会話を聞いて、自身を客観的にみられる。先生と相談者という感じではなかったな。

けんいちさん:カウンセリングなら、自分に言われたことに反応する自分がいるが、お二人が話して言っていることを聞きながらぼんやり思いを巡らせる時間だなと。

れいこさん:先生方が話していることを聞いて、道筋が見える、良くなるかもしれないと思えた。専門家というより、近い距離で、もっと話してもいいかな、と。お二人から、自分の気持ちを聞いたり、質問されて、自分のことを二人が考えてくれていると思えて心強かった。話せた。

川島さん:オープンダイアローグとリフレクティングとは何が違う?1対1だとあいての顔色を窺う。どう答えてくれるか。答えてほしいことを聞いてみたり、説得したくなったり。違う反応だったら、と作為的な反応が出ない。純粋にどうなのかな、聞いていいのかなと思ったり。1対1だと説得しちゃうし、自由に話せなくなる。

森川さん:設定を考えてもらい、台本なしで始まった。まだ状況から抜けだせていないが。本当に話せなかったことがそれぞれの中で話せたことで何かが動いたらいいなと思えた。役から抜け切れていないな。ご家族ならこの後話していくんだろうな、私がいなくなった後も。

○実際どうなのかわかりませんが、心理劇の流れを汲んでいるように感じました。インプロが人の行動変容を促す源流もここにあるのかもしれません。

「インプロ(即興劇)」を用いた「非言語コミュニケーション研修」

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【質疑応答】

Q.リフレクティングとオープンダイアローグとの違いは?

A.森川さん:それぞれ影響し合っている。曖昧においたままに。

A.川島さん:聞く姿勢として相手のとの関係性を追い求めている。その人のことを知りたい、対話が続くようにと工夫する中で生まれてきたもの。両者とも。

Q.リフレクティングのトレーニングは?

A.いかに心を寄せられるか。それぞれの背景の一部を聞く中、大事に、宝物のように感じて大事にして真ん中において会話するだけ。何とかしようという気持ちを脇に置く。

Q.クライアントがこの場に積極的出ない場合、あまり語ろうとしない状態の時は?

A.森川さん:今回もそうだったが、そういう関係性なんだと、そこに対応。対話技法ではなく、ご家庭の世界に入って心を寄せる。外側から見えるようなとき、本当の話ではないと感じたときはどうやって止めるか、ということも。

A.川島さん:話せていること以上を予測するのは土足で入ること。どうしたらよいかはその時々。全ての声がすべての人に聞けるのは貴重。話さなくてもいいよ、というのも大事。この場を許してくれているのもその人の思い。それを考える。

Q.森川さん、言葉に詰まった時はどうだった?

A.言葉が見つかっていなかった。気持ちと言葉が一致するまで。

Q.感情が引っ張られたときはどうする?

A.森川さん:引っ張られます。その上で自分ごとのように悲しくなるというのは違う。心が動くけど、自分の心の話をしない。

A.川島さん:こちらが悲しくなりすぎると話してもつらい。話しやすいようにすることを意識しないと。

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【最後に】

川島さん:こういう対話の場が広がっていったらよいな。

森川さん:やり方と捉えるのではなく、対話とは、ということを大事にしていただく一コマだったら。

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森川先生、川島先生、皆さま、どうもありがとうございました。

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