アルバイト・パート採用・育成入門

アルバイト・パート採用育成入門~「人手不足」を解消し、最高の職場をつくる~

中原淳+パーソルグループ

【第1章 データで見る「人手不足」のリアル~「職場づくり」への発想転換~】

TOPIC01 「アルバイトが足りない」は”本当”なのか?

TOPIC02 あなたの職場に人が足りない「本当の理由」は?

<人手が足りない店長ほど、「出口対策」が足りない>

・アルバイト人材の獲得競争が激しい時代にあって、人手不足を解消する施策は3通りあります。1つは応募数・採用数を増やす入り口対策。(中略)2つめが、生産性の向上です。(中略)3つめの最重要オプションが、アルバイトの離職をできる限り防ごうとする出口対策です。

・今夏の調査によれば、直近3年以内にアルバイトを辞めた人のうち、なんと50%以上は入社から半年までのあいだに離職しています。

<「長く働き続けたい職場」をつくれていますか?>

・じつは時給がアルバイトの離職防止に与える影響は、それほど高くないという結果が出ています。

・「人手不足が”原因”になって職場がダメになっている」のではなく、「職場づくりができていないから、人手不足という”結果”になっている」という発想の転換が必要なのです。

○職場づくり。雰囲気をつくることって、簡単じゃないですよね。性格や人柄が職場のカラーになって表れます。

【第2章 「いい人材」に来てもらう~採用ステージ~】

TOPIC03 募集広告を出しても、なぜ応募者が来ない?

<「結局、ブランド・広告予算次第」は本当か?>

・職場イメージの形成に最も影響を与えているのは来店時の印象であり、これがマスメディア経由で形成されるイメージよりも強い影響力を持っていることが見て取れます。

<「リクルーティング・メディア研究」の見地から考える>

・アルバイト採用においては、職場そのものが最も重要なリクルーティング・メディアであり、求職者に最も多くを語るものであること(後略)。

<あのお客様も「将来のアルバイト候補」かもしれない・・・>

・アルバイトが店長に怒鳴りつけられているお店を訪れて、「ここで働いてみようかな・・・」などと思う人はいません。(中略)表面上のサービスがよくても、トイレがひどく汚れているだけで、応募する気をなくす人もいるでしょう。

○お店の雰囲気に、「働いている人たちの空気感」を感じてしまいます。

TOPIC04 なぜ「来てほしい人材」が集まらないのか?

<来てほしい人材の「ニーズ」を考えて募集していますか?>

・応募してきてほしい人材像が明確なのであれば、彼らが求めている物をつかんだうえで、それを意識した採用アプローチをとることが大切です。

<「職場の雰囲気」へのニーズは全体的に高まっている>

・それぞれの属性によってアルバイト求職者が重視するポイントには違いがありますが、一方で共通点もあります。(中略)「生活時間に合わせて働けること」(中略)「働いている人の雰囲気がよいこと」という項目でしょう。

TOPIC05 「友人紹介」を増やすには?

<優秀な店長ほど「人づて採用」をベースにしている>

<コスト削減・安定供給・定着率アップ・・・メリットはさまざま>

・応募者はブランドイメージ以上に、直接的な口コミ情報重視しているということです。(中略)海外のリクルーティング研究の知見でも、「その組織で自分が働くイメージ」を事前に持っているスタッフのほうが、入社後にその会社に定着する確率が高くなることがわかっています。

・「人づて採用」はかなり確度の高い採用手法だということがわかってきているのです。

○高校時代のレストランでのアルバイトを思い出しました。私の紹介で二人入りました。その後、あまり仲良くなかったちょいワルの子に、「紹介してくれないか」と頼まれて困ったことも(苦笑)

<「人にすすめたくなる職場」の特徴は?>

・「仲良しグループ」的なノリはさほど考慮されていないことが見て取れます。「職場の人間関係への満足度」よりも「仕事内容への満足度」が、友人紹介のモチベーションを左右するというのは、意識しておいたほうがいいポイントでしょう。

○車の両輪みたいなものでしょうか。

TOPIC06 アルバイトの「内定辞退」を防ぐには?

<4人に1人?増えるアルバイトの内定辞退>

・面接担当者に聞いたところ、アルバイトの内定辞退率は24%にも上りました。

<「誤解を生む求人」を出さない>

・実際に面接も受け、採用の連絡をもらった人は、いったいどんな理由で辞退しているのでしょうか?(中略)「面接をする前」と「面接をしたあと」でのギャップが、求職者に不信感を生むからでしょう。

<面接時に「ここ、ヤバいかも・・・」と思われるポイント>

・「面接中に怒号が聞こえる」というのは論外ですが、清掃など明日からでも実践できるはずです。店内だけでなく、バックヤードやトイレが汚いのも、心象としてはかなりのマイナスポイントです。

○けっこう、見かけます。怒号まではいかなくても、客前で叱る上司。あれはいけません。

<採用活動に「リクルーター」が占める役割は大きい>

・リクルーティング研究における重要分野の1つとしてリクルーター研究というものがあります。これは、リクルーター、つまり採用担当者の仕事の仕方・態度・情報の伝え方などが、企業の採用活動にどのような影響を与えるかを解明する研究です。

<店長は求職者に「見られている」>

・店長は面接を「する側」であると同時に、「される側」でもあります。つまり、「選ぶ側」でもあり「選ばれる側」でもあるということです。

・アルバイトとして働いてみたくなる面接のポイントは3つ。「リラックスできる雰囲気」「説明の丁寧さ」「人柄を見ようとする態度」です。

TOPIC07 アルバイトの「面接辞退」を防ぐには?

<最初はとにかくスピードが肝心>

・せっかく応募したのにすぐに折り返し連絡が入らないと、「この職場は大丈夫だろうか・・・」と不安に感じる人も増えているようです。

<応募連絡への対応は遅くとも「翌日中」に>

・面接の前までに店長にできる最善の方策は、一刻も早く応募者に折り返し連絡を入れること。

○ほっとかれるのはどんな場面でもモチベーションを低下させますね。

TOPIC08 「ここで働きたい!」と思わせる面接とは?

<「お金以外に得られるものがありそう」と感じてもらう>

・ぜひ店長としても、「この職場が給料以外に何を提供できるのか」を整理してみて下さい。

<職場のアピールポイントの「引き出し」を整理しておく>

・「やりたい仕事内容をしっかり聞いてもらえた」という実感が、モチベーションに大きく影響しています。

○相手の立場に立って聴く。傾聴。

【第3章 「すぐ辞める」はこうして起こる】

TOPIC09 なぜ「すぐ辞めるバイト」がいるのか?

TOPIC10 「話と違うので辞めます」を減らすには?

<面接の成否を決める「現実的職務予告」とは?>

・人材の採用と育成には、お互いに切り離せない部分があり、採用ステップの時点でやはりある種の育成がはじまっているのだとも言えます。

・採用にまつわる科学に関しては、すでにリクルーティング・メディア研究とリクルーター研究の2つを紹介してきましたが、最後に重要なのが現実的職務予告と呼ばれる行為に関する研究です。(中略)(Realistic Job Preview)、つまり「仕事の内容をできる限り実像に近いかたちで”下見”させること」です。

・リクルーターには、つねに適切なRJPが求められるというわけです。

・人材面でも業績面でも安定した実績を上げている店長のOさんは、面接のときに必ず「ここで働くことについて、いまどんな想像をしていますか?」と質問するようにしているそうです。(中略)面接の段階で認識のズレを無くすよう心がけているとのことでした。これも効果的なRJPのためのテクニックだと言えるでしょう。

<「リアルな期待を生み出す面接の4ステップ>

①まずヒアリングのための信頼をつくり、②信頼に基づいて相手のニーズを引き出し、③それに応えるやりがいを示したうえで、④最後にちらりとリアルな側面を見せるという4つのステップが見えてきます。

TOPIC11 新人受け入れ時の「やってはいけない」とは?

<採用した新人には「ピープル軸の育成」を意識しよう>

・育成研究では、人を育てる要素をピープル軸と経験軸の2つから考えます。

・新人ステージにおいては、「ピープル軸の育成」が重要です。(中略)最初はとにかく周囲が積極的に関与して、その人材をできる限り早く「一人前」に育成することが望ましいのです。

<「新人が長続きする職場」をつくる3つの施策>

①教育担当者をきちんとつける

・アルバイトが早期離職を繰り返している職場ほど、専任の教育担当者をつけたほうが新人の定着率は上昇します。

②全体ミーティングの機会を設ける

③談話スペースを設ける

○コミュニケーションなんですよね。教育担当者がその窓口になる。

TOPIC12 現場との「認識ギャップ」を解消するには?

<ギャップを埋められる店長は「役者」である!?>

・店長として本当に伝えたいこと、わかってほしいことは”3割増し”くらいを心がけるのがよさそうだということです。少しオーバーなくらい、少ししつこいくらいを意識し、なるべく店長とアルバイトとの目線を合わせるように努めましょう。

○研修でもそう。伝えるためには繰り返すこと。

TOPIC13 座学の新人研修は「無駄」なのか?

<「新人研修のクオリティ」と「定着率」の意外な関係>

・これらの研修が「役に立った」と答えている人は、就業期間が長くなる傾向があるということです。

・「この職場は研修・教育がしっかりしている」という印象を持った人のほうが早期離職しにくいというデータもあります。

○よく利用する某居酒屋チェーンの店員さんも、「研修が良い」と言っていましたね。アルバイトの接客に真心が感じられるお店です。

【第4章 「定着」させて、一人前に育てる】

TOPIC14 「定着しない」の3つの理由とは?

<「辞めても仕方ない」と思っていませんか?>

・仕事がそこそこできるようになり、職場になれてきたからこそ抱く不満があるということ。

○その不満を掬える店長とそうでない店長の差はなんだろう?自分の経験で考えると、「見てくれてない」ことでしょうか・・・?

TOPIC15 時給アップは「引き留め」になるか?

<何よりもまずは「店長が見てくれている」という実感>

・「店長が自分の仕事をいつも見ていてくれて、それをしっかり評価・承認してくれている」「店長は私の仕事ぶりを気にかけてくれていて、いつも声をかけてくれている」-そういう実感が失われたとき、アルバイトのモチベーションは失われます。

○やっぱり、そういうデータがあるんですね。それはそうだよな、と腹落ちします。

TOPIC16 「アットホームな職場」は求められているか?

<「仲良しベッタリ」な職場でも「すぐ辞める人」はいる>

・早期離職している人のほうが「歓迎会があった」と答えている割合が高くでています。

<「真面目なニーズ」を見過ごすな>

・調査データを見るかぎり、アルバイト間のコミュニケーションでは、職場に関わるものが好影響を与えていることがわかります。

*スタッフの間に職場をよくしようとする雰囲気がある

*ミスが発生したときは、他のスタッフから十分なフォローがある

*ベテランスタッフから、他のスタッフと平等に接されている

<「チーム実感」を生み出した2つの仕組み>

・プライベートで仲良くするのではなく、あくまで職場改善につながるコミュニケーションを促進しようと試みているところがポイントです。

TOPIC17 「これからどうなる」を示せているか?

<経験軸の育成では「ストレッチゾーン」を意識する>

・学習者(つまりここではアルバイトのスタッフですが)の心理的空間には①コンフォートゾーン(快適空間)、②ストレッチゾーン(挑戦空間)、③パニックゾーン(混乱空間)の3つがあります。

・ある程度の背伸び(ストレッチ)や失敗のリスクを負いながらも、それをくぐり抜けるような経験をしたときに初めて、「経験による育成」は成功します。

<「成長実感」をいかに演出するか>

・定期的に面談などの場を用意し、「店長としてどのように成長してほしいか」「アルバイトとしてどのように成長していきたいか」を互いに共有するのがいちばんでしょう。

【第5章 「職場のリーダー」を育てる】

TOPIC18 なぜ店長には「頼れる右腕」が必要か?

<「リーダーの育成」こそが店長のラスト課題!!>

・経営学の世界で最も有名なマネジメントの定義は、”Getting things done thorugh others”つまり、他者を通じて物事を成し遂げることです。

<「ベテランによる育成」の比率が最も高い>

・アルバイトはベテランスタッフから多くを学んでいるという実態が浮かび上がります。店長より比率が高いのはいいとしても、教育担当者よりも数値が高く出ているのは驚きです。

TOPIC19 「困ったベテラン」はなぜ生まれるか?

○大切にしているかどうか。大切な関係たるのかどうか。

TOPIC20 結局、「優秀な店長」はどこが違うのか?

<店長の課題は「売上」よりも「育成」>

・売上を無視しろと言っていいるわけではありません。ただ、これからますます人手不足が加速していく時代、この「職場づくり」の発想を欠いたままやっていけるのは、ひと握りのよっぽど恵まれた職場ぐらいでしょう。まずは人を育てることにフォーカスし、与えられた環境のなかでパフォーマンスを最大化していくことが、マネジャーとしての店長の使命になっていくと考えるべきです。

<優秀な店長がやっている「3つのマネジメント」>

①目標を共有する

②育成を任せる

・決して「丸投げ」ではなく、入念な”根回し”をしているという点(後略)。

③権限を移譲する

○すべて、「信頼しているよ」という証に感じられますね。

【第6章 アルバイト育成の未来へ】

TOPIC21 シニア人材をどう活用すべきか?

TOPIC22 シニアが輝ける職場をつくるには?

<体力面と人間関係でつまずくケースが多い>

・シニアが感じている課題は、大きく分けると、次の3つです。

①仕事の負荷の高さ

②孤立感

③店長やベテランスタッフとの人間関係

・育成のステップにおいては、年令に関係なく、言うべきことは言わなくてはなりませんが、相手を年長者として敬う態度も欠かさないようにしましょう。

○敬う気持ちを持てるかどうかがポイントですね。

 

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