サイコドラマをはじめよう

サイコドラマをはじめよう

増野 肇/増野 由美子

はじめに

・「精神療法のサイコドラマ」の枠にとらわれず、「増野式サイコドラマ」という免罪符の下に誰もが自由な発想で自発性を活かし手サイコドラマを展開してほしい、「参加者がよければ何でもあり!」が増野式。

第1章 人が幸せになるには何が必要か

・自発性とは、より良く生きたいと願う「生の欲望」。心と体の欲求に基づいて、やらずにはいられない行動。自分の中に秘めている可能性そのもの。

第2章 サイコドラマと増野式サイコドラマ

・サイコドラマは集団精神療法、増野式サイコドラマは治療より、グループワークといった援助の側面が大きい。

・モレノ、ロジャーズ、森田、アンジュ-、ネオヒポクラティズムの考えの軸は同じ「己の中に治る力があり、それを発揮させることが治療につながる」という考え。

・増野式の特徴の一つ、「観客がいない」。観客の役割を担うには、自分に代わって舞台で演じる人への共感が必要であり、子どもにはそれができないが、「ごっこ遊び」をしている子どもたちは、共感はできなくてもごっこ遊びが現実とは違うことを知っている。その上で主人公になりきって一つの世界を作り出している。

・私たち人間は創造する能力(イマジネーション)を持っている。そしてサイコドラマは想像をドラマに変え、疑似体験できる場を作ることができる。(中略)グループの力を借りてドラマにすることで、単なる想像から「体験」になる。

第4章 増野式サイコドラマを始めよう

・「トーク&シェア」の基は「言いっぱなし聞きっぱなし」というグループワーク。進化系の「トーク&シェア」でも他人の話は聞きっぱなしにして、シェアする内容はあくまでも自分の気持ちや経験など、自分の話でなくてはならない。

第5章 増野式サイコドラマQ&A

・何も知らないで生まれてきた子どもが新しい世界で適応していくには、子どもが持っている豊かな自発性が助けに。大人のふるまいを学んで、新しいものを作らなくなるのがマンネリズム。それを打ち壊して自発性を取り戻すために作られたのがサイコドラマ。

・「演じたくない場合は演じなくていい」が、サイコドラマの本来の意義は「ドラマ」であるということ。現実ではない。演じる役が自分の考えと同じである必要はない。現実では直面したくない事柄をドラマという安全な場所で経験する機会。

付録

・役割(Role)には3つ。「身体的役割」「心理的・心理劇的役割」「社会的役割」。心理的役割や社会的役割は固定化し易く、固定化するとマンネリズムに陥り、危機の時に対応ができなくなる。ロールプレイングは、そのような役割を自由に使い分けることを訓練する技法。

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