観察から始める

観察から始める

白井剛司

第1章 なぜ「観察」が必要なのか?

・「自分と他人に対して優しく寛容である」という態度が組織内で浸透すると、不要な心配や余計な準備、対立は徐々になくなる。(中略)関係が心地よくなって組織の柔軟性が生まれ、安心できる状況が前向きなチャレンジやトライ&エラーを生み、成果につながっていく。

第2章 なにを、どうやって観察するのか?

・「赤のモード(アクセル:闘う/逃げる)」は、危険な状況に対応した状態で、身体に力がないって血流も多く、エネルギーを非常に消耗する状態。どのようにでもすぐ動ける状態だが長くは続かない。長く続けはダウンする状態に移行。「青のモード」。

・「青のモード(急ブレーキ:固まる/動けなくなる)身体も思考も止まり、意識は外に対する注意から反転して内側に。エネルギーは省エネ状態。「低覚醒」な「固まる/動けなくなる」モードは、生命の本能に根差した生き延びるための戦略。

・「緑のモード(緩やかなブレーキ:安心する/つながる)」。進化の過程において哺乳類以降の生物に備わった性質。「安心」「安全」「一体感」などを仲間同士で「表情」「声」「身体のぬくもりや心拍数」などで身体的に示しあって形成。

「身体感覚」「思考」「感情」を観察する練習法として、自分の感情や身体感覚を天気に例える方法。天気に喩えて認識してから、自分の言葉で感情や身体感覚を言葉で表現する。

第3章 赤のモード(闘う/逃げる)を観察する

・人は1日に35,000回の決断をしている中で、瞬間瞬間で「闘う」と「逃げる」を繰り返している。

・赤のモードで生じやすい「思考」で多く見られるのは「~すべき」「~はだめ」「~しなさい」という自分や相手や状況を変えよう、コントロールしようとする思考。ネガティブ思考も多くなりがち。

・身体反応・思考・感情は、この3つが立ち上がることによって新たな思考が立ち上がり、その思考によって身体が緊張したり、その緊張によってさらに新たな思考や感情が立ち上がるというように、刺激が連動しあって変化し続ける。

・「心底困っている」というとき、一般的な心の流れ、選択肢の一つとして「闘う」ことを選ぶ。加えて、何かを「守ろう」としているのかも。

・(自分の立場、プライド、組織の皆の安心、自身が実現したいと願っていること、大切な人・仲間が期待していること等々)これらが失われることを避け安心したいがために「闘おう」とする相手を「、攻撃対象「」とするよりも「困っている存在」と捉えることも可能。

・「闘う」と比べ、相手や状況が自分にとってより困難で苦手な場合に「逃げる」ことに。

・「言動は、性格ではなく自動反応」「困っているとき、何かを守りたいときにモードに入る」という2点は、自己や他者の観察において重要。自分と自分の大切なものを守るための自律神経の働き。その反応は、過去の人生で形成されたパターンである可能性が高い。

〇悪いパターンがあるとしても、研鑽で良い方向に変えられると良いですね。

第4章 青のモード(固まる/動けなくなる)を観察する

・青のモードに入っていると気づいた場合、無理に立て直そうとするのは赤のモードに戻そうとすることであり、身体の流れに逆らうことに。感じていること、思考していることをただ認め、少しでも身体を休めたり相談したりの対処で状況を観る。

第5章 緑のモード(安心する/つながる)を観察する

・緑のモードは「平常時」「安全時」のモードで自覚しにくく記憶に残りにくい。

・モードは伝播するのであり、「部下と接する際の自分の状態」が大切。

第6章 ブレンドされるモード

第7章 部下育成や対話への活用

・問いを立て、その時の自分を観察。「何を守ろうとしたのか、何に対して困っていたのか、安心したかったのか」。

・自分の内側をモニターして内的安心を高める問い、「あなたの見たいもの、聞きたいもの、感じたいものは何でしょうか?」。

第8章 観察力を高めるエクササイズ

・「受け流す」の先にある「受け入れる」経験で、特定の対象や状況と自分の関係が変化したことを理解。闘う、逃げる・固まるといった固定化されたパターンの代わりに「沈黙を保つ」「質問する」などの新たな選択肢を用意し、バリエーションを保つこと。

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