ワークショップデザイン論-創ることで学ぶ—
ワークショップデザイン論
山内祐平 森玲奈 安斎勇
第1章 ワークショップと学習
・ジョン・デューイの経験学習の考え方は、「為すことによって学ぶ(Learning by Doing)」という言葉で表現されることが多いが、能動的な行為から学習が始まるという考え方は、すべてのワークショップの根底にある思想の源流と言える。
経験と教育
経験と教育 ジョン・デューイ ○非言語コミュニケーションの観点で見ても面白いです。 【第一章 伝統的教育対進歩主義教育】 ・人間というものは、極端な対立を持って、物…
・ノンフォーマル学習は、「学習(学習目標、学習時間、もしくは学習支援の観点から)としては明瞭にデザインされていないが、計画された活動に埋め込まれた学習である。
・アクティブラーニングは、「読解・作文・討論・問題解決などの活動において分析・統合・評価のような高次思考課題を行う学習」(Bonwell & Eison 1991)であり、聞くだけの講義形式に比べて学習者が能動的に授業に関与するため、「アクティブ」ラーニングと呼ばれている。このような学習を実現するためには、単純に知識を記憶するだけでない、深い思考を伴う活動を授業の中に組み込む必要がある。
・高次の学習である創造は、葛藤状況から発生すると考えることができる。
第2章 ワークショップを企画する
G.ワラスの研究(『創造的思考の過程』)によれば、新しいアイデアはおおまかに以下の4段階の過程を経て生まれるのだという。
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1.準備:自らの知識や技術、論理や推論、情報収集などを通して多くの方向性から課題に取り組む。
2.孵化:考えを中断し、課題から離れる。別のことを考えたり、気分転換をすることで、考えを寝かせてあたためる。
3.洞察:アイデアが自然に意識に現れる。
4.検証:アイデアの妥当性について論理や推論を用い検証する。
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・クライアントへのヒアリングを通してできる限り具体的かつ幅広く意見を収集し、要望と制約を具体化していく必要がある。
・事前のヒアリングだけで要望や制約の全てが明らかになるとは限らない。コンセプトが具体化していく過程で新たな要望が加わったり、次第に気づいていなかった制約が見つかる場合もある。
〇お客様の話をよく聴くこと。その上でのカスタマイズ。
・コンセプトが思いつかず煮詰まった場合には、生成作業を一時中断し、別のことを考えたり、気分転換を挟むことによって、考えを寝かせてあたためる時間を取るとよい。(中略)こうした余暇時間にブレイクスルーにつながるアイデアが生まれやすいことは、これまでの様々な研究でも指摘されている。
・創る活動から学習を誘発するためには、課題に何らかの「葛藤」の要素が埋め込まれており、何らかの工夫や努力がなければ乗り越えられないハードルとなっている必要がある。
・楽しさと葛藤をうまく両立させながら、「Hard-Fun(くるたのしい)」な課題を設定することが重要である。
〇葛藤!Hard Fun!楽ではないけど、乗り越えられると清々しい。生みの苦しみから逃げない事。
・ワークショップを「楽しい」企画にするためには、少し背伸びをした課題設定、手を動かし没頭しやすい作業、できる限りシンプルな目標の提示などが有効であることがわかる。また、フロー状態から醒めないよう、余計な制約や残り時間などをむやみにきにしなくてすむように配慮することも重要である。
〇些細なことが人は気になります。気にさせない技術と言えるかも。
第3章 ワークショップを運営する
・(ワーク中に)しばらく見守っていても葛藤を乗り越えられる気配がなく、参加者が試行錯誤を諦めている様子が見られた場合は、葛藤を緩和するための支援が必要である。現在の進捗状況や、何について悩んでいるかについて問いかけるだけでも、メタ認知が促され、解決の糸口が見つかることもある。
・ファシリテーターは、常に参加者の葛藤状態をモニターし、調整することによって、試行錯誤を促すとよい。
第4章 ワークショップを評価する
第5章 ワークショップ実践者を育てる
・吉崎(1987)は授業についての教師の知識領域には教材内容や教授方法についての知識の他に、生徒についての知識という領域があることを指摘している。
〇相手に合わせた実施もそうだし、講師が知ろうとしてくれているというのが伝わると良いコミュニケーションが生まれます。
・ロールモデルとなる実践者や、スーパーバイザーとして実践の相談に乗ってくれる人が身近に要るという環境は、育成の場として理想的である。
〇本当にそう。自分を顧みた時、こんなに恵まれた環境で学ぶことができたのは幸いです!
・協同することで他者から学ぶことを経験した実践者は、次からは率先して他者との交流を図るようになる。
これもそう!つながり、出会いに感謝です。
第6章 ワークショップと学習環境
・共同体はメンバーにとって居心地が良い場所であり、(中略)関係維持が自己目的化する危険性もある。
・定期的な会合、イベント、食事会などをどのタイミングで行うかによって、共同体にリズムが発生する。
〇節度が大事ですね。
・環境に対して適切な介入=デザインを行い、学習の生起を加速することが「学習環境のデザイン」の基本的な考え方である。
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