世界標準の経営理論【第5部】ビジネス現象と理論のマトリックス
世界標準の経営理論【第5部】ビジネス現象と理論のマトリックス
入山章栄
第33章 近未来に戦略とイノベーションは融合し、理論も重層化する
・戦略とは「企業を取り巻く環境(environment)を前提に、業績(perfomance)を向上させるための、経営資源(resorces)を使った、企業の行動・アクション(action, initiative)のこと」。
○弱者は、絞る。
第35章 あるべきガバナンスを考え抜く時代に、必要な理論は何か
・スチュワードシップ理論はエージェンシー理論の対極。金銭目的ではないモチベーションを前提。「達成感」「承認欲求」「優れた実績を上げることへの本能的な満足感」「目上の者への敬意」「職業倫理」。
○社会をよくするために生きている、と。それも余裕があってこそというのが、凡人。ならば、しっかり稼ぐことが前提としてあるのでしょう。しっかり稼いで還元できるようにしたいものです。
第36章 「国境」の本質を見直すことが、グローバル経営の未来を映し出す
・企業活動が特定都市に集中するのは、インフォーマルな情報・暗黙知が重要なため。
○暗黙知を得るためには接近戦が必要ですね。
第37章 アントレ領域が拡張する未来に、起業家をどう育てるべきか
・既存知と既存知の新しい組み合わせがイノベーション。それを実行する人がアントレプレナー。リーダーとして、創造的破壊を引き起こす人。アントレプレナーの核心は「会社を立ち上げること」にあるのではない。起業はその一手段。
○ここは自問し続けないと。役者と講師と、板橋と、ときがわ町と・・・。
・「創業者CEO(=すなわち起業家)」は非創業者CEOよりもネガティブな言葉や発言が著しく低い傾向。自信過剰は事業の失敗を招きやすいが、乗り越えて生き残った起業家は自信過剰なまま成功。
・事業機会の発見型と創造型の手法。ビジネス・事業機会のある程度の分析は大前提とし、その上で創造型の視点を社内教育・学校教育に取り入れることがアントレプレナーを育てるために必要。
・「トップ起業家との対話」という授業。登壇者に「とにかくパッションだけ語る」ことをお願い。
○この熱にあたることのできる環境は素晴らしいですね。
第38章 「5つのドライビングフォース」が示す、未来の企業組織の姿
・「効率性(取引費用理論が中心)」「コンピタンス(RBV、ダイナミック・ケイパビリティ、リアル・オプション)」「パワー(SCP理論、資源依存理論)」「アイデンティティ(認知心理学ディシプリンの理論、制度理論)」「ネットワーク(ソーシャルネットワークの理論が中心)」。
・これからの未来には、中心のないネットワーク系で、メンバーが自律分散型に動く組織が台頭する可能性があり、ティール型(進化型)組織の概念と符合する。
第39章 現代の経営理論はビジネスを説明できない
・現代社会におけるビジネスの目的は、という根源的な問いには世界共通のコンセンサスを持っていない。
・ウェル・ビーイング(精神的・身体的・社会的に良好な状態)。ビジネスと幸せを同期させることに、世界の経営学者が注目を持ち始めた。
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