GIVE &TAKE

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アダム・グラント

 

監訳者の言葉

・アメリカと比べ「情けは人の為ならず」という著者の主張は、日本人にとって、より親和性が高い。おそらくビジネスにおいては日本の方が「ギバーが多い社会」。

 

PART 1 あなたは、まだ「ギブ&テイク」で人生を決めているのか

・ギバーの価値を支持する人が最も多い国はどこかを知るための調査。12か国全てでほとんどの人が「与えること」こそ最も大切な価値だと回答。

・軟弱だとか世間知らずだとか思われることを心配して、職場でギバーとしてふるまえない人も多い。

 

PART2 「名刺ファイル」と「フェイスブック」を見直せ

・ほとんどの人は「マッチャー」。マッチャーの中心的価値観とは、公平性、平等、ギブ・アンド・テイクの関係。テイカーがこの原則を破ると、そのネットワークにいるマッチャーは正義にもとる行動を見逃さない。「目には目を」の信奉者。

・弱い紐帯の強さ。強いつながりは「絆」を生み出すが、弱いつながりは「橋渡しとして役に立つ。(中略)弱いつながりは、異なるネットワークの方により開かれているので、新しいきっかけを発見しやすくなる。

・カギは「リコネクト(再びつながること)」。ギバーが最終的に成功することになる大きな理由。

・休眠状態のつながりの方が、より多くの新しい情報をもたらす。

〇先日、20年ぶりに役者仲間と会いましたが、なんとなくわかります。

「20年ぶりに再会、夢のかけらが繋がりました。これからが楽しみです😄 https://t.co/B62aNITab4」 / Twitter

 

PART 3 チームの総力を活かせる人

・ギバーの協力の仕方の典型。自分個人の利益よりも、グループにとって最善の利益になる仕事を引き受けることで、グループ全体が恩恵を受ける。グループのメンバーが下働きをするほど、製品やサービスはいっそう質・量ともに向上。

・成功したギバーは、自分だけでなくグループ全員が得をするように、パイ(総額)を大きくする。

・「自分よりも他人を気遣う人という評判は魔法のようなもの。数えきれないお返しが自分に跳ね返ってくる。

・相手の努力に対して自分の貢献を高く見積もる「責任バイアス」。自分自身を良く見せたいという思いが原因の一端。(中略)もう一つの要因は「受け取る情報量の差」。他人がしてくれたことより、自分がしてあげたことに関する情報をより多く手に入れる。パートナーの努力については一部を目撃するに過ぎない。

・他人がした貢献に注目すること。自身がやったことを評価する前に、相手がしてくれたことをリストにする。

・エイミー・エドモンドソンの研究によれば、安心感のある環境では、人はより学習意欲が高まり、より新しいことにチャレンジできるようになる。このような環境を作り出すことができるのがギバー。

 

PART 4 荒野で”ダイヤモンド”を見つける法

・人を皆「大きな可能性を秘めた人」として見る時点で、ギバーはそもそもリーダーやメンターの役割を果たしている。(中略)リーダーや指導者の立場にあっても、まず相手の才能を探したくなる誘惑に負けず、だれでも一流になれると考え、やる気があるかどうかに着目。

 

PART 5 「パワーレス」の時代が始まった

・平均的な人の失敗はイメージダウンするが、同じ失敗でも達人がすると、近寄り難さがなくなって、逆に人間らしく親しみやすい印象を与える「プラットフォール効果」。

〇研修冒頭で親しみやすさを感じてもらい、講義では有能さを見せる。そもそも有能でないといけないので学び続けることも必要。

・人は話せば話すほど、一層グループについて知った気になる。テイカーのように会話を牛耳ると、他者が一言も話していなくても、周囲のことがわかったような気になる。

〇これは気をつけなければいけませんね。知らずに知った気になる。怖いです。

・ギバーにとって有利な交渉術、「アドバイスを求めること(アドバイス・シーキング)」。自分に権威がない場合に人に影響を及ぼすための効果的な方法。

・人にアドバイスを求める4つのメリット、「情報の獲得」「自分の身になってもらえること」「相手とのかかわり合いが強められる」「ゴマすり」。

・人間は自分の時間、エネルギー、知識や情報を投資して誰かを助けると、相手がそれに値する人だと必死で信じようとする。「お願い」は誰かを自分にかかわらせるための実に巧妙な方法。

 

PART 6 「与える人」が気をつけなければならないこと

・経済用語で「倫理的満足感」心理学では「ヘルパーズ・ハイ」は、与えることによって脳の報酬中枢が活性化。人の利益のために行動すると、そこから喜びや目的意識などの信号が伝達される。

 

PART 7 気づかいが報われる人、人に利用されるだけの人

・テイカーと付き合う時には、マッチャーに。ギバー、マッチャー、テイカーの3タイプを使い分ける戦略。

〇わかるけど、これが難しい。

・「寛大なしっぺ返し」。3回に2回は張り合うが、3回に1回は協力的な態度で応じる。(中略)他者志向の戦略。他者志向のギバーは信用することを基本にしながらも、その行動や評判からテイカーだとわかると、ギブ・アンド・テイクのやり方を使い分ける。

・自分自身だけでなく、他者の利益も思いやった要求だと釈明する「関係説明」。(中略)ほかのだれかを擁護する場合は、いくら強引であってもそれは「他人の利益を守り、背中を押してあげたい」というギバーの価値観に沿ったもの。

・ブライアン・リトルは、ギバーが人間の第一の天性であったとしても、成功できるか否かは、マッチャーを自分の第二の天性にできるかどうかにかかっていると主張。

 

PART 8 人を動かし、夢をかなえる「ギブの輪」

・「共通のアイデンティティの活性化」。他者とアイデンティティを共有すると、その相手に親切にすることは、他者志向的な性質を帯びる。自身のグループに属する人々を助ければ、グループ全体がより良い状態になるので、結果的に自分自身も助けることになる。

・ブレット・ぺラムは、人は自分自身を連想させる人びと、場所、物などを好むと主張。

・ギバーは、人目につく、つかないに関係なく役に立とうとするが、テイカーは人目につく場合において実行する傾向。(中略)役に立った度合いを目に見えるようにすることは、テイカーにとってもよい行いもできるしカッコもつけられるので一石二鳥。

〇適材適所とでもいうのでしょうか。

・ある個性に基づいた行動をとると公言した被験者は、公言しなかった被験者よりも、そのような行動をとることがかなり少ない。アイデンティティに関する計画を他人に知らせたことで、実際に行動を起こさなくても自分のアイデンティティを主張することができたため。

思考の整理学にもありました⇒・とっておきの考えは、やはりとっておかないといけない。話してしまうと頭の内圧が下がる。留飲を下げたような快感。するとそれ以上考え続けようとする意欲が失われる。

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