これからのキャリア開発と組織社会化

これからのキャリア開発と組織社会化

エドガー・H・シャイン/尾川丈一

第1章 大学新卒者をいかに新しい仕事に慣れさせるか

・新卒者向けの上司の慎重な選択と、そうした上司向けの研修を組み合わせて行えば、(中略)1.上司と新入社員が直面するであろう困難な問題に対する上司の意識を今以上に高めること。2.大卒者を扱う上での不安や懸念、問題点、それと同様にうまくいったアイディアや経験を、上司たちがお互いに共有する機会を提供すること。3.新たな問題や得意な問題が新卒者の間で発生したときに、支援が得られるような手段として、上司同士がお互い相談できるような関係性を醸成していくこと。

・こうした類の研修プログラムは、上司にかかる人件費と外部人材にかかる費用の両方の観点から言って高額になるが、採用された大卒者の高い離職率と失望、その結果生じる無気力感による損失を招くよりは、はるかに無駄がないと確信。

○教育にはお金がかかる。でも費用対効果を考えれば、と。1964年の記事からの転載。

第2章 組織社会化

・(コロナ)パンデミックが起こってきた中で(中略)組織の中で人間がコラボレーションして学んでいくスタイルが、様々なところで可能に。

・キャリア形成に対する考え方も変化。ワークライフバランスからライフワークバランスへ。仕事中心ではなく、生活を大事にし、そこに仕事をどう組み合わせていくか。

・日米ともに、新しい世代の社員が持っている期待を、直属の上司や監督者がどう把握していけるかが問題。次世代とのコミュニケーションを行いお互いをより理解し、共通部分を見つけることが必要。

・大企業や各国のリーダーは、「EGO」から「ECO」にシフトする必要。

・何に対して組織社会化を行うのか。組織へ、新人をあるプロジェクトへと組織社会化、ある一つの職業へ組織社会化、最後に自己に対するものも。忠誠心は、組織へよりも、自分が成長して社会の中でどのような責任を持つ存在になるのかといった自己に対する社会化も。

・(日本のように?)アメリカの雇用では優秀で能力が高い人材を雇い、その後に組織が必要なトレーニングを行うように変わってきている。徐々な傾向として、見習い制度・アプレンティス(新技術見習い制度:欧州で多い)が、特定の業界で活用。

○ジョブ型への移行といわれている中、メンバーシップも見直されているという話もあります。揺れ動く。

・マネジャーの役割は、教師・スポンサー・トレーナー・メンター。

・自己の社会化としての問題が起こるのは、組織の企業文化の内容と会社に採用される人が期待している内容が異なる場合に。

・アメリカでは「年配者を敬う」という文化的価値観はないが、最近では、シリコンバレーや革新的な業界では、若者に、「年配の知恵には価値があるので大切にすべき」と伝える書籍も。

・(組織に問題がある場合、外部の提案は無視される可能性があり)組織の中で何らかのグループを作り、経営幹部に組織の内部のメンバーが提案を行う方法が効果的。

・メタカルチャーの変化とはテクノロジーの変化から生まれる二次的なもの。そこで起こっていることは、従来のような政治・経済的な根拠ではなく、化学てこ根拠に基づいて判断を行う動きが大きくなっている。

・アメリカでは多くの人が、仕事とは報酬だけではなく、仕事を通じて意味のある様々な体験(社会化)をすることが重要だと考えている。

応援クリック、励みになります!

にほんブログ村

Follow me!