修養

修養

新渡戸稲造

はじめに

・「修養」とは、「修身養心」。身と心の健全な発達を図るのがその目的。

第1章 「自分」という財産を最高に生かす方法

・元気を充分貯蓄して、無駄遣いしないようにし、必要なときに有益に使用することを心掛ける。

第2章 「決意の持続力」が人生を決める

・「発心」とは、最初に志を立てること。「何々をしよう」「こんな人になろう」。後悔は、「今後はするまい」「思うまい」という「新たな発心」。

・あるドイツの大学教授との会話。「書物を書き出して、中途から先になると嫌になってたまらなく、中止しようと思う時もあるが、それを我慢するといつしか完成する」。

○宮崎駿監督の「世の中の大事なことって大抵めんどくさいんだよ」と一緒ですね(笑)

・縦糸と横糸があって織物ができ、立志と日々の実行があってはじめて目的を貫くことができる。

・些細な事でも、発心したことに接したとき、「ここだな」という観念を持ちさえすれば、発心は継続され、目的に達し得ることと信じる。

○「ここだな」と踏みとどまること。

・たやすいことでただ少し嫌だなと思うくらいのことを選んで継続心を鍛錬する。

第3章 「克己心」を磨く

・弱点と信じたことは、その根本にさかのぼってこれを抑制するとともに、これを善用するように心がけたい。

第4章 「勇気」を養う

・聖書では、神は人を叱ることはあるが叱りっぱなしではなく、叱りがいがあると見るからで、その裏面には深き愛情がこもっている。いよいよ駄目だと思う時でも一大奮起すると、年来の苦悶も何もかも瞬く間に消滅することがある。(中略)困難はいつか快楽に達する順序であると思えば、少しも落胆することなく、かえって愉快に勇気が湧きでる。

・勇気を修養する人は進む「勇」だけではなく退いて守る「沈勇」も養うように心がけなければいけない。

第5章 「自分の顔」に自信を持て

・自分の悪評を弁解弁護しても、それを見聞する者は勝手に解釈して面倒になるので、見る人の心に任せておく。神だけは確かに見てくれているので、それに任せて弁護などしない。

○SNSの時代も昔も同じですね。

第6章 「人生の蓄え」のすすめ

・4つの貯蓄。金銭・体力・知識・精神力。

・「金言とは機会を逸せずして発したる言葉なり」。俗に「下司の後知恵」。

・自分の経験を顧みて、不幸な経験をよく味わうとき、そこに何とも言えない甘味が出てくる。

第7章 私の「本とのつき合い方」

・精読型多読の方法。一つの標準とする最良の書物を決めて精読する。全精力をあげて読み、その他の書物はこの書物の参考や補助として読む。

・一冊の書物を読むときは、一章ごとにその大意を知るように努めると、目次だけを読んでも、その書物全体が読めるようになり、目次が非常に興味深いものになる。

第8章 「逆境」にあるときの心得

・逆境に陥った人は、他人の善を見るとこれをうらやみ、自分は努力もせずに、その人のようになりたいと思うもの。「うらやむ」は「心病(うらやみ)」。

・自分の欠点、短所を棚に上げて他人をうらやむ者は多い。(中略)自分一人の失敗で逆境に陥ったことでもその理由を自分以外の人に求めやすくなる。

・(新渡戸先生が)子供時代に玩具を買ってもらえず、自分の子供に買い与えるのは贅沢だと思っていたが、「(自分がそうだったなら、子どもも欲しがっている気持ちはわかるはずだから)自分がもらえなかったからといって、子どもに持たせないというのは間違いだ」と知人に。もっともなことだと。

・善意に人生を見れば、世は悲観すべきではなく、事にあたっては自分の狭い経験だけで判断せず、公平に大きく広く世間を見渡し、「達人は大観す」という態度を保つこと。

・順境にある間は、人は友情を育成するが、その友情は逆境に陥ってはじめて試される。

・逆境に陥ったときは、冷静に分析し、逆境とはどんなものか、どれほど遠いものか、何年続くものであるか考えると、逆境の力を半分に削ることができる。

・順境に立つ人は、ややもすれば傲慢になる。

第9章 いま自分のために何ができるか

・(今持っていると自分で思っている)力が利用されないからといって不平を言うのは、まだその力を養っていない。力を養い、必要なときにはいつでも出せるように日頃の力の蓄え方を心得る。

・名利の念は人情と切り離しがたい人間の本能のようなもの。(中略)何事をするにしても、「何のためにするのか」と一歩引いて沈思黙考する。

・天は決して我々に無意味な禍を与えない。決して我が力で耐えられぬものを与えない。丁度手軽なものを与えると信じれば心も休まる。

○ストレッチだと信じて前に進むのを止めないこと。

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