具体と抽象

具体と抽象

細谷功

序章 抽象化なくして生きられない

・具体は個別事象に対応したもの、抽象はそれらを共通の特徴で一つにまとめて一般化したもの。複数(N)の具体に対して、一つの現象が対応する「N:1」という対応関係。

第2章 デフォルメ

・抽象化とは「デフォルメ」。特徴あるものを大げさに表現する代わりに、その他の特徴は一切無視してしまう大胆さが必要。

第6章 往復運動

・「共通点」と「相違点」を適切につかんでいることが抽象化、ひいてはたとえ話の出来映えを決する。

第7章 相対的

・「抽象度の低い」目的と(抽象度の高い)「上位目的」の関係は、普段どこを見ているかによって変わって見える。

「コンテキストのずれ」が、まさにここなのかも→「どんなつもりで、その言葉を使っているのか」

第10章 価値観

・オフィスワークであれ工場の作業であれ、仕事は「抽象から具体」への変換作業。仕事の上流、内容が確定していない「やわらかい」企画段階から概要レベルの計画ができ、詳細レベルの計画になり、詳細の実行計画へと流れていく。

・上流の仕事から下流の仕事に移行していくに伴い、仕事をスムーズに進めるために必要な視点が変わっていく。

第11章 量と質

・抽象の世界は、極めるほど結論はシンプルに。

第14章 アナロジー

・特許で守れるのは、抽象度が低い直接的に類似性のあるもののみ。抽象度が高いもの(関係性や構造)であれば、合法的に「盗み放題」。たいてい、盗みであることに気づかない。いかに抽象レベルで結び付けられるかが、創造的発想力の根本。

第15章 階層

・膨大な情報を目の前にしたとき、その内容をさまざまな抽象レベルで理解しておくこと。

第17章 理想と現実

・「大きな理想」という抽象レベルの目標を掲げながらも、目の前の実行も手掛けるのが起業家。「具体と抽象の往復」「上流と下流の同時進行」。

第18章 マジックミラー

・「見えている側」に立ったときに「見えていない相手」にどう対処するべきか。

・人間は抽象概念の塊だが、自分の理解レベルより上位の抽象度で語られると、突然不快になるという性質。

第19章 一方通行

・他人への一般化は平気でやるのに、自分が関連していることを他人に一般化されることは理解できず、好まない傾向に。

○誰もがオンリーワンの自分、だということを尊重することが、大人のたしなみかもしれません。

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