ストーリーとしての競争戦略
ストーリーとしての競争戦略
楠木建
第1章 戦略はストーリー
・現実のビジネスの成功失敗の八割方は「理屈では説明できないこと」で決まっている。
○運が良いこと、野生の勘が説明できないことだそう。ここに「人柄」というのも加味されそうな気がします。
・「違いをつくって、つなげる」、一言でいうとこれが戦略の本質です。
・「情報」の豊かさは「注意」の貧困をもたらすというトレードオフです。戦略ストーリーを支えている因果論理は、「情報」よりも「注意」の産物です。
・まだ誰も見たことがない、見えないものを見せてくれる。それが優れた戦略です。そのためにはストーリーを描くしかありません。戦略をストーリーとして構想し、それを組織の人々に浸透させ、共有するしかないのです。
・戦略は「嫌々考える」ものではありません。まずは自分で心底面白いと思える。思わず周囲の人々に話したくなる。戦略とは本来そういうものであるべきです。
○この考え好きです。そして聞いている方も楽しければなお良しですね。
第2章 競争戦略の基本論理
・グローバリゼーションや技術革新、規制緩和といった大きなトレンドは、ほとんどすべてが競争の圧力を高め、以前は光り輝いていた星を一つまた一つと消していく方向に左右します。つまり、マクロでみれば、やっかいなことに世の中は必ずといっていいほど利益が出にくいような方向へと進んでいくのです。
・第一の利益の源泉である業界の競争構造がそれほど魅力的でなくても、第二の利益の源泉である戦略で勝負できれば、持続的な利益を獲得しうるということです。
・競争というのは、要するに「放っておいたらもうけが出ない状態」のことを意味しています。
・競争があるにもかかわらず儲かるという「不自然な状態」をなんとかつくり上げて維持しましょうというのが競争戦略に突きつけられた課題です。
・何をやるかをはっきりさせて、違ったことをやろうというのがSPの発想です。「選択と集中」という言葉は、SP(Strategic Positioning)を意味しているといってよいでしょう。
・「他社と違ったユニークな存在であるということが利益へのカギだ。そしてユニークさとは企業のポジショニングの問題である」(後略)。
・SPの戦略とは活動の選択、つまり「何をやり、何をやらないか」を決めるということです。(中略)明確なポジショニングによる違いを構築するためには、「何をやるか」よりも「何をやらないか」を決めることがずっと大切です。
○考えると広がりますが、絞ることが大事だと。
・SPがトレードオフを強調するのに対して、OC(Organizational Capability)のカギは「模倣の難しさ」にあります。
・他社がそう簡単にはまねできない経営資源とは何でしょうか。組織に定着している「ルーティン」だというのが結論です。
・SPが「頭を使う本社発の戦略」であるとすれば、OCは「体を鍛える現場発の戦略」であり、「体育会系の戦略」です。
・企業の戦略はSPとOCのどちらかに傾くことが少なくありません。両者の間に簡単には同時極大化ができないというテンションがあるからです。
第3章 静止画から動画へ
・フェラーリにとって一番大切なことは何でしょうか。ニッチ企業が利益を獲得できる論理は無競争にしかありません。無競争状態を維持することが戦略のカギになります。そのために何ができるかといえば、要するに「売れるだけ売らない」ということです。売れそうになっても、我慢して売らない。積極的に注文を断る。絶対に成長をめざさない。
○希少化ということでしょうか。
第4章 始まりはコンセプト
・本質的な顧客価値を突き詰めるとは、「誰が、なぜ喜ぶのか」をリアルにイメージするということです。
・今も昔もビジネスはしょせん人間が人間に対してやっていることです。人間の本性はそう簡単に変わりません。何を喜び、面白がり、嫌がり、悲しむかは、江戸時代、いやもっと前からほとんど変わっていないのではないでしょうか。
第5章 「キラーパス」を組み込む
・「ちょっとした創造性」は、その業界で広く共有されている通念や常識を疑うことから生まれます。
第6章 戦略ストーリーを読解する
・成功した戦略ストーリーは事後的には「先見の明」のように見えるのですが、「先見性があった」ということで成功の理由を片付けてしまうのは危険です。「先見性」に寄りかかってしまうと、戦略はただのギャンブルと紙一重です。
・戦略ストーリーがそうしたさまざまな「なぜ」を突き詰めていたからこそ、現実がストーリーについてきたのです。
第7章 戦略ストーリーの「骨法10カ条」
・実現すべき競争優位はわりと単純な話です。WTP(Willingness To Pay:顧客が支払いたいと思う水準)を上げるか、コストを下げるか、無競争状態に持ち込む(通常はニッチへの特化)か、選択肢は三つしかありません。
・コンセプトが「誰に」「何を」「なぜ」の三つにこだわったものになっていることが大切です。
・普通の人々が、仕事や家庭やプライベートの局面で、何を考え、何を感じ、どのようなことに困り、何を欲しているのか、こうしたことが自然と肌でわかるような人のほうがコンセプトづくりに向いているように思います。
・悲観主義で論理を詰めるということは、「そうなるだろう」「そうなってほしい」という希望的観測と「本当にそうなる」とを区別するということです。
・悲観主義で論理を詰めるということは、言い換えれば、仕事の現場にいる人々の目に映るシーンを思い描くということでもあります。
○相手の気持ちになる。なかなか難しいですが、できるとこれほど強いことはないですね。
・ストーリーという戦略思考からすれば、事業の成長は、非連続的な「革命」(Revolution)というよりも、連続的な進化(Evolution)の結果です。
・賢者の盲点を見出すためには、日常の仕事や生活の局面で遭遇する小さな疑問をないがしろにしないことが大切です。
・素朴な疑問に対する「なぜ」の思考がストーリーの発火点になったことは間違いありません。
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