定年後

定年後

楠木新

プロローグ 人生は後半戦が勝負

・社員が50代になると、定年後に向けて社内でライフプラン研修を実施する会社が少なくない。(中略)それらの内容は、概ね決まっていて次の4点である。

①受け取る年金額をきちんと計算して老後の資産を管理すること

②今後長く暮らすことになる配偶者と良好な関係を築くこと

③これから老年期に入るので自分の体調面、健康にも十分留意すること。

④退職後は自由な時間が生まれるので趣味を持たないといけない。

・誰にも適用できる一般論の対応策はそれほど役に立たないというのが実際のところではないか。

○基礎として聞くのは良いのでしょうね。それ以上のことに関心を持ち始めている企業さんも出てきているのがヒアリングを通じた実感です。

・感じるのは、50歳前後では、定年後のことを明確に意識している人は極めて少ないことだ。

・研修では50歳以降の仕事生活を見直すのに、小さい頃に好きだったことや、こだわっていたことを再び取り込むように勧めている。子どもの頃の自分と今の自分がつながると、それが一つの物語になるからだ。

○これ、すごく共感できます。定年後のコネクティング・ドッツ。

第1章 全員が合格点

・法改正をよい機会と捉え、定年延長によって社員のさらなる戦力アップを図っていこうとする企業もある。

・「女性は現役時代から、仕事だけではなく、家事も、子育ても、食べ歩きやショッピングなど好きなことも手放さないで、調整しながらなんとかやってきたからだ。仕事だけだった、という人が多い男性とはそこが違う」と述べている。

○エッセイストの岸本裕紀子さんの「定年女子」。女性に負けないまでも見習いたいものです。

・60歳はまだまだ若手なので地元にいる人たちから頼りにされるというのだ。

・定年後の課題が大きいのは都心部であって、地方では退職後も地域に自分を求めてくれる場があるので、定年前後のギャップは圧倒的に小さい。畑仕事や果樹園の仕事をしている人は、本当の意味での生涯現役だと言えそうだ。

○板橋区からときがわ町に通っていて感じるののは正にそこ。46歳の私なんかガキに見える方もたくさんいると思います(苦笑)

・彼ら(大手新聞のデスクや記者)によれば、この「定年後」の対象者は、大手企業か中小・零細企業かという区分で言えば大手企業が中心である。

○興味はあるけど、あまり取り上げない。中小・零細はそれどころではない?

第2章 イキイキした人は2割未満?

・元気な人の共通項を探ってみると、教育関係に取り組んでいる、若い人に何か役立つことを持っている、若いころの自分をもう一度呼び戻している、などを挙げることができそうだ。また会社の仕事だけではなく、それ以外の何かに取り組んでいる人という条件も重要ではないかと感じた次第である。

・「アバウト・シュミット」という米国映画をご存じだろうか。

○ジャック・ニコルソンが定年後の親父を演じているそう。見てみたいような怖いような・・・。

第3章 亭主元気で留守がいい

・社会学者の水無田気流氏は、著書『「居場所」のない男、「時間」がない女』日本の男性は突出して「孤立化リスク」は高いと指摘して、、それは日本人の男性が就業以外の社会参加に乏しいという社会的背景によるとしている。

○これも都会と田舎ではかなり違うと感じています。比企郡の方たちのコミュニティを見ていると顕著です。

・転職や起業・独立の場合は、次の仕事での人間関係が存在する。しかし定年退職の場合は、仕事も今までの人間関係も同時に」消失する可能性が高い。

・管理職の当時は部下から面と向かって意見されることもなく、自分が偉いと思い込んでしまっている。本当はそういう人の部下は、陰に回れば馬鹿にしているのに、本人は想像力がないのでそれが分からない。ましてや地域や家庭に入れば、「会社で偉かったから」といったことは通用しない。しかしそれにも気づかない。

○辛辣ですが、因果応報というものかも。

・自ら考え、行動することによって価値観を変えなければ、「家庭内管理職」レベルの人が変わるのは難しいということかもしれない。

・在職中は、仕事に注力する自分、仕事以外に関心のあることに取り組む自分、家族や昔の友人を大切にする自分などを、自らの中に同時に、抱え込んでおくことが大切である。

○ビジネス面でもプライベート面でも、どちらかに心配を抱えていると必ずもう一方にも影響が出ます。

第4章 「黄金の15年」を輝かせるために

・会社組織で長く働いていると、人生で一番輝く期間は役割を背負ってバリバリ働く40代だと勘違いしがちである。しかしそれは社内でも役職を到達点と見る考え方であり、本当の黄金の期間は60歳から74歳までの15年なのである。

○星新一のショートショート、「甘口の酒」を思い出しました。年を取るのも悪くないのかな、と思った10代の頃。

・つまり会社生活で、若い時は上司の指示を忠実にこなし、中高年になって組織の一線で活躍して役職定年になって落ち着いて仕事をしてきたすべての労働時間よりも長い8万時間という自由時間が生まれるのである。これほどの自由時間を持つことができた時代は、日本の歴史上かつてなかっただろう。

・中年以降に会社員から転身して別の仕事を始めた人たちのインタビューを繰り返していた時に「一区切りつくまで3年」と発言する人が多かった。(中略)転身者へのインタビューでも3年の一区切りを3回経験して一人前になるというのが実感だ。

第5章 社会とどうつながるか

・自分が社会から必要とされなくなるなんて、忙しいビジネスパーソンには想像もつかないかもしれない。しかしもともと社会と強固につながっているわけではないのだ。(中略)個人事業主は社会と直接的につながっているが、会社組織で働く社員は会社を通して社会と間接的に向き合っている。

・中高年から全く新たなことに取り組んでも、長年の組織での仕事で培ったレベルに到達するのは容易ではない。今まで取り組んできた仕事を直接、間接にカスタマイズして社会の要請に応えられるものにすることが力を持つ。

○これは後から来る人に伝えたいことの一つです。私がした苦労はあまりしなくてもよいように。効率的な苦労の仕方があると思います。

第6章 居場所を探す

・大阪府豊中市の社会福祉協議会が都市型の農園を開設していて、その活動は定年退職者の男性を中心に運用されている。

・定年後の居場所にするには参加する人の主体的な意志や活動が大事で、義務や責任や役割を持っていることがポイントである。

・団塊の世代では、パソコンやSNSを使いこなせる人とそうでない人がいる。しかしそういうツールを使えない人とのつながりが広がらないというのが実感だそうだ。(中略)興味や関心のあることを自分の中だけにとどめず広く発信することも、居場所を作るための一つの方策になるだろう。

第7章 「死」から逆算してみる

・功なり名を遂げた人に臨終の前に「自分の誇れるものは何か」とインタビューすると、仕事や会社のことを話す人はいないという。大半が「小学校の頃、掃除当番をきっちりやった」など、小さい頃の思い出を語るらしい。

○日本人の往生観を研究しているカール・ベッカー教授の講演だそう。子供還りも関係しているかもしれませんが、原風景はやはり大事な核なのでしょうか。

・B級グルメの私は、死ぬ前の1か月間に食べる昼食をランキングしている。「最後の朝食リスト」でベスト30を決めているのである。(中略)リストを眺めていると、大半が高額のものではなくて、小さい頃や青春の思い出と結びついている。大学受験の合格発表で自分の名前がない掲示板を確認した帰り道に食べた吉野家の牛丼だったり、学生時代バイトをしていた王将の餃子だったりするのだ。

○食事に張りが出ることで健康に気を遣う気持ちが出てくるのでしょうか。

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