流れとかたち
流れとかたち
エイドリアン・べジャン
○コンストラクタル法則。
序
・世界は偶然や巡り合わせや運によって形作られているのではなく、目がくらむような多様性の背後には予測可能なパターンの途切れない流れがある。
・有限大の流動系が時の流れの中で存続するためには、その系の配置は、中を通過する流れを良くするように進化しなくてはならない。
・コンストラクタル法則は進歩という概念を示し、希望を与えてくれる。自由さえ与えられれば、流動系は次第に優れた配置を生み出し、流れやすくなる。
第4章 進化を目撃する
・「より良くなる」というのは進化についても言える。動くものはより良くなるように、この地表をもっと流れやすくなるように進化する。
・コンストラクタル法則から理解する進化の観点。1.生物だけでなく、あらゆるものが進化すること。2.進化には予測可能な方向性があること。3.進化を目の当たりにできること。
第6章 階層性が支配力を揮う理由
・コンストラクタル法則は、人々やものがより容易に、より安価に移動できるように進化を続ける流動系を社会組織が構成するという、一般的傾向を捉えている。これは人間の願望ではなく、物理的特性。
・脈管構造を通過する生命維持の流れ(ヴァスキュラライゼーション(脈管生成)≒樹状構造)を良くするために進化する物は全て生きている。からだの中を流れる血流、河川流域の水、起業に出入りする物質と情報の流れなど、一切のものに当てはまる。
・マックス・プランクの言葉。「新しい科学の真理が勝利を収めるのは、反発する人が納得し、その真理を理解するからではなく、彼らが最終的に死に絶え、その真理に慣れ親しんだ新しい世代が育つからだ」。
○企業における、イヤな上司が異動するまでの間に耐えることに似ています(苦笑)。
第7章 「遠距離を高速で」と「近距離を低速で」
・優れたデザインの輸送システムでは、歩いて移動する時間と座って移動する時間が同じになる。
第8章 学究の世界のデザイン
・前より容易に動きたいという衝動が知識を獲得する傾向の原動力。(中略)知識と情報は私たち自身の動きを良くする流れなので、コンストラクタル法則に従って進化を続けるデザインを獲得する。
・本書は教育が、コンストラクタル法則に支配されるデザインを持った、進化を続ける地球規模の流動系であることを予測する。
・流れとしての文化は、人間の移動よりもはるかに複雑。(中略)法の支配(入り口に殺到する事態を招くのではなく、列に並んで辛抱強く待つこと)こそが文化。それを持つ者は遠くに移動する。
第9章 黄金比、視覚、認識作用、文化
・脳の流動構造は、鏡に映る像のように、観察される(外的)流動構造を寸分たがわず反映している。私たちは考える時に物事を「頭の中に映し出す」。※「熟考する」と「(鏡などに)映す」の両方の意味で「reflect」を使用。
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