ジョブ型雇用社会とは何か

濱口桂一郎

 

序章 間違いだらけのジョブ型論

・人間の評価はジョブにはめ込む際に事前に行い、キチンと遂行できているかを確認。事細かに評価するようにはない。

・ハイエンドではない多くの労働者層については、メンバーシップ型の方が人を評価しているが、その中身は能力や意欲に偏り、生家による評価は乏しい。

・理由がなくても解雇が自由とされているのはアメリカ合衆国のみ。(中略)「解雇自由」がジョブ型の特徴だというのは誤り。

 

第1章 ジョブ型とメンバーシップ型の基礎の基礎

・素人を上司や先輩が鍛えないと物事が回っていかないということが、日本でのパワハラと教育訓練とが区別しにくい一つの要因。

・職務につけた後は、一々査定しないのがジョブ型社会。(中略)メンバーシップ型は末端労働者に至るまで人事査定が。(中略)業績評価よりも中心となるのは能力評価と情意評価。

・脳力という言葉は、日本以外では、特定職務の顕在能力以外意味しない。具体的なある職務を遂行する能力を意味。(中略)日本では潜在能力を意味する言葉。

 

第2章 入り口と出口

・試用期間の意味付け。できると言っていたのに仕事のできない食わせ物を排除するためにあるジョブ型と、やる気のないものは排除するぞと脅して過重労働に誘導するためにあるメンバーシップ型。

 

第3章 賃金

・戦後確立した日本の賃金制度の基本思想は生活給に。賃金は労働者の家族も含めた生活を賄うべきものであるという考え方。

・日本型成果主義は、ジョブ型社会のハイエンド労働者層に適用される成果給とは異なり、成果を測る物差しが明確ではなく、(中略)成果があがっていないから賃金を引き下げる理屈付けに使われただけ。

 

第4章 労働時間

・日本以外のジョブ型社会では、管理職は若いうちから管理職であり、非管理職は中高年になってもずっと非管理職というのが普通。

・労働関係を互いに配慮し合うべき長期的かつ密接な人間関係と見るのか、労務と報酬の交換という独立した個人間の取引関係と見るのかという哲学的な問題。現行法は両方の思想に立脚。

 

第5章 メンバーシップ型の周縁地帯

 

第6章 社員組合のパラドックス

・実定法の建前を全く意識せず、労働者こそが会社のメンバーであり、株主こそが会社にとって外部の第三者だと思い込んでいるのは、『企業民主化試案』のイデオロギーがすべての日本人の頭のなかを支配するミームだから。

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