多様性の科学

マシュー・サイド

 

第1章 画一的集団の「死角」

・後知恵バイアス。(自身の予想が外れていても)物事が起きたあと(答えを知ったあと)、「そうなると思っていた」「当然予測可能だった」と考える心理的傾向のこと。

・ほぼどの研究分野においても、個人で論文を執筆しているケースは年々減少。特許の出願は個人よりもチームが上回っている。株式ファンドもチームでの運用が圧倒的に多い。集合知。重要な鍵は「多様性」。

・アメリカ人と日本人は異なる枠組みで物事を捉える。アメリカ人はおしなべて個人主義。日本人はより背景や状況を考慮。どちらの枠組みにも盲点。

・「視点が多様化すればするほど、見つけられる有益な解決策の幅が広がる」と、アメリカの心理学者フィリップ・E・テトロック。

 

第2章 クローン対反逆者

・賢い個人

 

・無知な集団(クローン集団)

 

・画一化の罠。最初は多様性に富む集団でも、そのうち主流となる考え方に「同化」することも。(中略)集団には本質的に「クローン化」する傾向。

・賢い集団

 

・多様性はあるが無知な集団(根拠のない人選)

 

第3章 不均衡なコミュニケーション

・集団の秩序は「順位制」(メンバーの序列・ヒエラルキー)によって決まるというのが心理学者と人類学者の見解の一致。ロブスターの世界でさえも。心理学者のジョン・メイナーは「人間の頭や心は、序列が定められた集団の中で生きるよう設計されている」と主張。

・見知らぬ5人を1部屋に集めた1つの課題に取り組ませる実験をすると、たちまちヒエラルキーが形成。そのグループを外から観察する別の被験者は、5人の声さえ聞こえない状態で表情や仕草だけを見て、誰がどのポジションにいるのか的確に当てられる。

・支配的なリーダーがいると、他のメンバーは本音を言えず、リーダーが聞きたがっていると思うことを発言したり、オウム返しに唱える。反逆者のアイデアは出てこない。

・多様性豊かなチームに支配的なリーダーがいた場合の力関係

 

・そのうちそれぞれの丸はリーダーの丸に重なっていき、考え方の枠組みはどんどん狭くなる。集団の認知力はリーダー1人の認知力と変わらなくなる。

・チーム全体が支配的なリーダーに意見を合わせ始める。

○リーダーにせよ、メンバーにせよ、気を付けないといけないことですが、結構重たい課題かもしれませんね(^-^;

・支配によるヒエラルキーと、尊敬によるヒエラルキー。支配型は従属者は恐怖で支配された結果、リーダーを真似る。尊敬型は、「ロールモデル」であるリーダーに対し、自主的に敬意を抱いてその行動を真似る。

 

第4章 イノベーション

・経済学者のポール・ローマー曰く、「アイデアが共有されると、その可能性は足し算ではなく何倍にも膨れ上がる」。カギは「共有」。アイデアや情報の波及効果は、人々がつながってはじめてもたらされる。

・社会学者のランドル・コリンズ曰く、孔子・プラトン・ヒュームは天才だが、その知性が開花したのは彼らが社会的ネットワークの中で格好の「集合点」にいたから。

○場に居られるかどうか。

 

第5章 エコーチェンバー現象

・エコーチェンバー現象。同じ意見の者同士でコミュニケーションを繰り返し、特定の信念が強化される現象。

・エコーチェンバーの内側の人々にとって、反対派の意見は新たな情報ではなく、フェイクニュースでしかない。反対派が提示するデータは、自分自身を正当化する(認識の壁を厚くする)材料に。

・フィルターバブルの中では、外部の声は聞こえない。エコーチェンバーの中では、聞こえるが一切信じない。(中略)初めから一方の主張しか耳に入らないフィルターバブルは本質的に脆い。エコーチェンバー現象では、反対意見に触れることで一層狂信的に。

・人を中傷することを目的とした「人身攻撃」。哲学者のジョン・ロックは、「人が議論をする際、優位に立とうとして、あるいは少なくとも相手を沈黙させようとして用いる論法」と定義。

・「討論の相手に人身攻撃を仕掛けると、自身の信憑性も失うということを公人が理解すれば、もっとデータを重んじるようになり、討論の調子が変わって内容の質も高まる。相手の信用をむやみに落とそうとすると、失うのは自分の信用」。

 

第6章 平均値の落とし穴

・すべての人に最適な食事療法という大前提そのものに根本的な欠陥があったことが明らかになり始めている。

○血糖値や脳地図など、人によってまちまちだと。

 

第7章 大局を見る

・霊長類の間では、認知能力の高さを占める最大の要因は脳の大きさ。ネアンデルタール人より、人類の祖先の方が頭が悪かったと考えるのは不可能ではない。(中略)我々の祖先には社会性があった(社交的)。他の種より密につながった集団で生活。それが劇的な繁栄に。

・個人知から集合知への転換は、人類の歴史における主要な進化の一つ。(中略)知恵やアイデア(文化)の蓄積が飛躍的に進み、大きな遺伝的進化がもたらされた。集団の情報量が急速に増大した結果、その記憶や整理のために選択圧が働き、脳の容量が拡大。(中略)人類の脳が大きいのは「結果」であり「原因」ではない。

・人間が高度な知能を備えているのは、他者(の脳と)つながりあいながら進化してきたから。

・日常に多様性を取り込むための3つのこと。「『無意識のバイアス』を取り除く」「陰の理事会」「与える姿勢(ギバー)」。

・物理学者のマックス・プランク曰く、「科学は葬式ごとに進歩する」。古い世代や価値観が世を去ってやっと新たな理論が発展しはじめる。

○老害にならないようにするためにも、学び続け、傾聴すること。

・心理学者のアラン・グラント曰く、「大成功を収めている人々は皆、モチベーション、スキル、チャンスの3つを持っている(中略)4つ目は他者との接し方。できる限り(自分のために)価値を得ようとするか、それとも他者に価値を与えようとするか」。成功するか否かに圧倒的な影響。

 

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