ニュータイプの時代

ニュータイプの時代

山口周

 

第1章 人材をアップデートする6つのメガトレンド

・ニーチェの「ニヒリズム」の定義、「何のために、という問いに対して答えられないこと」。「意味が失われた状態」こそがニヒリズムの本質。

・(アメリカを代表する)S&Pの構成企業の平均寿命は1960年代には約60年だったのが、現在20年足らず。

 

第2章 ニュータイプの価値創造

・ニュータイプとは、常に自分なりの「あるべき理想像」を思い描いている人。理想像を構想することで、現実とのギャップを見出すことで問題を発見していく。

・セグウェイは「どんな問題を解こうとしているのかはっきりしない製品だった」。いくら先端的なものであってもそれが何らかの社会的課題の解決につながらなければ、そのイノベーションが大きな価値を生み出すことはない。

・(オールドタイプは予測するが)ニュータイプは構想する。

・専門家の予測は「原理的に外れるのが当たり前」。

 

第3章 ニュータイプの競争原理

・マルクスは、人間が「良かれ」と思って作り上げたシステムやプロセスから人間性が失われ、むしろ人間がシステムやプロセスの奴隷となって振り回されることを「疎外」という概念を用いて警告。(中略)「主体的に想い、考える力」そのものを失ってしまう。

・検索エンジンは「役に立つけど、意味がない」という市場を代表するサービス。

・現在の市場においては「役に立つ」ことよりも「意味がある」ことに経済的価値が認められている。

・「素晴らしいテクノロジー」と「素晴らしいデザイン」だけでは「素晴らしいプロダクト」はできない。「テクノロジー」も「デザイン」も「コピーされやすい」。(中略)その製品やブランドが持っている固有の「意味」はコピーできない。

・共感できる「WHAT(目的)」と「WHY(理由)」を語る。

・決定的な局面においてこそ、リーダーには自分たちが置かれている状況を大きなストーリーとして捉え、周囲に対して自分たちの「意味」を与えることが求められる。

 

第4章 ニュータイプの思考法

・「過剰なもの」は「論理と理性」に、「希少なもの」は「直感と感性」に生み出されている。

・「中長期性の生産性向上」と「短期の生産性向上」はトレードオフの関係であり、イノベーションマネジメントが持つ本質的な難しさのポイント。

・レヴィ・ストロースの「ブリコラージュ」こそが、予定調和を過度に重んじるオールドタイプと対比されるニュータイプの思考様式。(中略)近代思想の産物であるイノベーションにおいても、ブリコラージュの考え方が有効。

・「法そのもの」の是非は問わない「実定法主義」に対し、自然や人間の本性に合致するかどうか、その決定が「真・善・美」に則るものであるかどうかを重んじる法哲学が「自然法主義」。法そのものの是非が批判的検討の対象に。

 

第5章 ニュータイプのワークスタイル

・ナシーム・タレブのバーベル戦略。極端にリスクの異なる2つの職業を同時に持つもの。90%会計士、10%ロックスターという生き方。

両利きの経営と通じます。

・上司からの命令で動くエリートと、内発的動機に駆動されるアマチュアという構図は、多くの場合前者が後者に完敗するという結果に。

 

第6章 ニュータイプのキャリア戦略

・ジム・コリンズが、「ビジョナリー・カンパニー」に共通してみられる特徴として指摘した「大量のものを試して、うまくいったものを残す」こと。「生命が進化するメカニズム」を経営に取り込んだもの。(中略)偶然の変化が起きる回数が多いほど、進化の契機も増す。

・「土地のオーナー」が持つべき覚悟、「一所懸命」。領主が領民に押し付ける「弱者の道徳」に転化。

 

第7章 ニュータイプの学習力

・「役に立つ」の軸に沿って目盛りを高めるのはサイエンスの仕事、「意味がある」の目盛りを高めるのがアートの仕事。

 

第8章 ニュータイプの組織マネジメント

・「マクドナルドのある国同士は戦争をしない」。マクドナルドの店舗が経営的に成立する水準まで中間層が勃興した国では、戦争を遂行できるだけの権力集中が不可能に。

〇資本主義国限定、と言わざるを得ないかもしれません・・・。

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