ハマトンの知的生活

ハマトンの知的生活

P・G・ハマトン

1 知的生活における「肉体の基礎」をどうつくるか

・頭脳をできるだけよい状態に保つ必要のあるものは、その人なりのに一番好ましいとわかっているやり方で、自分の生活を律する覚悟を持たなければならない。

・完全なる知的生活というのは、自分が記憶している諸々の肉体上の感覚に依拠、股間の経験に基づかない知的概念というものは存在せず、最も抽象的な思考すら次々と概念を置き換えていくことによって、五感により知覚された事柄が消去されてしまったに過ぎない。

2 知的生活における「精神の基礎」をどうつくるか

・訓練が無性に面倒くさく感じられるときは同時に、訓練の必要性が痛感されるとき。

〇宮崎駿監督も言っていますね、「は~、面倒くさい・・・」って。でもその先に快楽が待っていることも知っているから頑張れます。

・ある方面のことにあまりにも洗練され過ぎると、その反動で他の方面では堕落してしまうことも。

〇バランスをうまくとること。

・成就すべき大望があるとき、その大望のために自制心を働かせ、官能の誘惑と戦うことに。前途に横たわる仕事の巨大な重みに耐えるだけの強靭な肉体と、理知的な頭脳をいつも維持できるかどうか。

3 教養と知的エネルギーについて

・自分にふさわしくない知識の探求は厭うべき。生まれつき適性のない科学の研究を勧められても無駄。

・優れた知性の持ち主は、自分で真実であると考えたものを深く永遠に脳裏に刻み込む点で際立っているのと同様に、自分にとって大切でないものはなかなか覚えずまた簡単に忘れてしまうことでも際立っている。

〇何が適正か、若いうちに知れた人は幸運です。興味があることに色々と試す時間がありますし。

4 時間のつくり方、使い方

・研究しているいくつかの分野の学問相互の間に、いかに一本の筋を通し、いかに研究全体としての調和を図るか、時間節約の真の秘訣に他ならない。

〇コネクティング・ドッツ。

・読書の技術は、要所を押さえながら、不要な個所を飛ばし読みすること。すべての書物の中身は現代の文化全体の中に反映されていて、それを享受しているので、著者たちが究めた学問の足跡をことごとく丹念にたどるように読書する必要はない。

〇なるほど。これは勇気づけられます。中原先生に「サマリー読むだけでもよい」と言われた時くらいうれしいです。その分、専門を読み込む時間がつくれますね。

・自分が心から必要とすることだけは、固い決意のもとに何とか実現するようにし、あとのことは相殺という黄金の原理に委ねる。

5 知的独立のための「金銭」について

・思考力の貧しさは、自由に使えるお金の乏しさに比例すると言って差し支えない。(中略)いつも自由にお金が使えれば、思想の土壌は充分に耕され、水が与えられ、芽が出やすい。

〇独立した1年間、この状態だったのは否めません。最初に仕事を出してくれたメンターの関根さんに感謝し通しです。しっかり稼ぐこと。次につなぐこと。

6 人生を豊かにする交際術と孤独について

・感情的なものがない知的な友情。相手は利益を目的として契約した商売のパートナーに似ている。誠実が要求され、互いの尊敬と思いやりが必要。

7 創造的な知的活動の秘訣

・ゲーテもご多聞に漏れず、想像力の豊かな心の持ち主を苦しめるあの青春の悩みを味わったからこそ「若きウェルテルの悩み」を。すぐに立ち直り、ウェルテル的な病的感傷に耽ることはなかった。いたずらな感傷に耽らせる書物を書いたことを、次第に恥じるように。

〇思い出すと赤面する思い出は誰にでもあるでしょうね。

・最高のインスピレーションが生まれる条件。霊感は修練を積んだ者にのみ閃く。怠惰な者はいくら待っても無駄。

8 ものを考える環境と創造する環境

・我々が今こうしてあるのは、たまたま住んだ土地の環境に負うところが大変大きい。

・目や耳に入るもの全てが、我々の気質や考えに影響を与えるし、住む場所が我々の心の奥底にあるものを変える。

・ゲーテは、戦争というのは人の心をある日は完全に打ちのめすが、次の日には頗る創造的にし、また、みじめな境遇にあっても希望はあるというような文句に人を慣れさせ、僧侶や宮廷人の偽善とはまた別種の独特な偽善を生み出すということに気づいた。

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