孫子

孫子

小林武松

 

第3章 「諸氏百家」の世界

・戦国時代の多数の思想家、思想集団「諸氏百家」。人材の供給源であり、出世のための学ものも。根底では人々が己の生き方を問うたもの。老子、荘子らはラグループはむしろ出世に背を。

・戦争のやり方の研究集団が兵家。「孫子」は兵家の一系統。

・諸子百家の世界の開祖たるにふさわしい人物、孔子。(中略)講師とその弟子たちの集団は「孔門」。(中略)言行六を中心に編集された書物が論語。冒頭には「学んで時にこれを習う」。理論学習と時折の実地演習。

〇アクティブラーニングですね。

・近代以前の中国社会を貫く国家思想は法家の思想であり、儒教はその下に摂取。(中略)「孫子」は法家思想に基づく軍事論。

 

第4章 軍事制度と兵器体系

 

一 計篇

 

二 作戦篇

・「兵に拙速はあっても、巧久はない」。拙速主義の起源。

 

三 謀攻篇

・相手を知り、味方のことを知っていれば、百回戦っても不安がない。

 

四 形篇

・古来いわれるいくさ上手とは、勝てる場合に勝つ人。だから、このいくさ上手が勝っても、智将として評判になるわけでなし、勇ましい手がらさえない。(中略)いくさ上手とは、不敗の地に立っていて、敵が負けるところを見過ごさない。

 

五 勢篇

 

六 虚実篇

 

七 軍争篇

・疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、知り難きこと陰の如く、動かざること山の如く、動くこと雷震の如し。(中略)風林火山=武田信玄の見たテキストではそうなっていたのでは。「孫子」は日本へは遣唐使がもたらす。

 

八 九変篇

 

九 行軍篇

・部隊が親しみなついていないうちに罰などを与えるなら言うことを聞かないが、親しみなついているのに必要な罰を行わければ、その部隊は使いものにならない。文(納得づく)で一つにし、武(力づく)で整える「必取」。(中略)「取」の原意は敵を殺した証拠に耳を切り取ること。

 

十 地形篇

 

十一 九地篇

・兵のコツは敏速。敵が間に合わないのにつけ込み、備えのない道から警戒していないところを攻撃する。

・そもそも民衆は害の真っただ中に突き落とされ、そうなることで初めて力を出して勝敗を決する働きができるようになるもの。

〇「孫子」はそもそも民衆には見せない想定。権力者は学んでさえほしくなかったものだと。

 

十二 火攻篇

・戦いに勝ち攻めとったならその戦功の賞を与えないのは不都合。利口な主君や将は、利でなければ動かず、得でなければ軍を使わず、危険がないなら戦わず。

〇民衆とはいえ、そこをしっかりしないといけない、と。

 

十三 用間篇

・履行や君主や賢い将たちが、動けば人に勝つ理由、成功が一段と抜きんでるわけは「先知」。お告げや占い、推測でなく、必ず生きた人間から情報を取って敵情を知るもの。

・三軍が主君と親しいといっても、間(スパイ・間者)より親しいものではない。報償では間より手厚いものはない。重大な事柄について間以上に機微に通じているものもない。優れた智者でなければ間は使えない。

〇イメージでは間は卑しいものでしたが、もともとはこうだったのだと。

 

軍と服装

・戦闘用の軍服はセパレーツになり、軍事に伴う儀礼・儀式、あるいは地位・身分表示のためのワンピースも。

 

計篇について

・戦争は正々堂々のやり方で行うものではなく、相手の虚を突き、その裏をかくという「道」に外れたやり方、すなわち「詭道」。戦争の本質の概念。

 

道について

・道(どう)。戦争が政治の延長であり、「他の手段をもってする外交の継続」(クラウゼウィッツ)という本質を持つ以上、「道」=「政治のありかた」。戦争の原因は政治。「『道』とは民をして上と意を同じうせしむるなり(人民を支配者に同意させること)」。

 

計と将の起用

・「計」とは作戦とは別もので、作戦は将の関わる領分。計とは戦略であり、国家としての(軍事上の)方針の現実課題への適用。

 

詭道

・全篇を貫く思想であり、最も重要な概念。敵に対する詭道と自軍の兵士に対する詭道の両面。

〇本音と建て前。

 

食を敵よりす

・ドイツ30年戦争での両軍の徹底的後輩作戦が相互の社会の存率自体を危機に陥れ、封建諸侯は教訓を得てそれ以降繰り返さず。戦時国際法の骨格は、この戦争の総括(ウェストファリア条約)から生まれた。

〇人道的な戦時国際法は、利からという側面も。きれいごとだけではなく。だからこそ律することが大事なのかも。

 

軍・旅・卒・伍

「旅(りょ)」は象形文字では旗を立てて人々がそれに従う形であり、本来の語義は部族の軍事行動。「たび」はそこから派生した語彙。

 

君主と用兵の関係

・君主と将(政治と軍事)との関係がギクシャクすれば、戦争への影響は不可避。君主自身が兵を率いても成功例はむしろ少ない。「道」と「詭道」との関係が作用。

 

士卒の耳目を愚にし・・・

「孫子」は士卒など一般人民が読むことを想定して書かれた著作でなく、支配者のために作られたものにもかかわらず一般に広く普及。同じく法家である韓非子は愚民政策論者であり、「孫子」など兵書の普及を苦々しく語っている。

〇愚民政策論者・・・「眠ってくれていた方がいい」といった政治家もいました。

 

用間篇について

・戦争が国を傾けるほどの重大事であることが強調され、「先知」の問題を提唱。作戦にとって不可欠な情報収集、そのためのスパイ組織のあり方を記述。敵情を知らない将を非難する記述は、遠回しの君主への要求。スパイ組織や外交ルートを通しての情報収集は、君主の力を持ってのみ可能。

・現伝十三篇は、魏(三国時代)の武帝(曹操)によって整理注釈された「魏武注本」。現在流布している「孫子」はほとんどがこれが原テキスト。

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