武器としての組織心理学

武器としての組織心理学

山浦一保

 

はじめに

・金銭報酬を得たときと社会的報酬(誉めことば)を得たときのfMRI比較した結果、金銭報酬を得たときに活性化する「線条体」が社会的報酬を与えられた時にも反応。

 

第1章 妬みを中和し、モチベーションを引き出せ

・妬みの感情には、自分の資源を確実に保持するためのセンサーの役割と、自己防衛を図ろうとする機能。

・マネジャーや経営者の視点で見れば、妬みは組織内で(良い意味での)ライバル関係を作り出す原動力に。

・役割があるときには、役割がない時よりも妬みが低減し、チーム内での前向きな行動傾向を高めることが明らかに。自分たちで役割を作り出してみることは、各人が仕事に責任感を持つためにも、職場内の対人関係を維持するためにも重要。

 

第2章 「チームの温度差」を埋めよ

・職場において、コミュニケーションは基本的にはコスト。面倒なもの。

・自分から社員たちに挨拶をしたいと待ち構えているリーダーがいるところで、それにこたえようとしない社員はいるか。(中略)毎朝の声掛けはおそらく一言程度。短い言葉でも、必要な言葉であればいい作用をもたらす。

・情報共有はあくまで必要最低限のコミュニケーションであり、十分なコミュニケーションとは言えない。「温度差を埋める」コミュニケーションが必要。

・上司との関係性が悪くても良すぎても、心の健康状態にとっては望ましくない。

・関係性の構築と意地がリーダーの活動の基盤。物理的に遠ざかっても、PM型の上司のもとで働く部下たちはお互いに結び付き、想いを共有し、自分の立場でできることをするように努める可能性が高い。

 

第3章 「隠れた不満」を見つけ、有益化せよ

・自分の今後の人事考課や上司の心証を考えると、伝え方が難しい案件が現場にはいくつも存在。ホウレンソウと簡単に言うものの難しいのが現実。

・他者から期待されるとやる気になり、パフォーマンスが向上したりする「ピグマリオン効果」。(中略)逆に期待されていない(と感じている)人の成果や業績は思うように上がらずむしろ低下すrこともある「ゴーレム効果」。

・仕事のやり方二つ、「課題遂行優先の志向性」と「関係構築優先の志向性」。

・自分なりに工夫を重ねて仕事をしている部下に上司が何のフィードバックも与えないでいた条件では、部下は「暗黙の叱責を受けている」と感じていた。

 

第5章 「失った信用」を取り戻せ

・面と向かって批判されるよりも、第三者を通じて悪口を聞く方位がインパクトが強くなる「ウィンザー効果」。

・謝罪も感謝も、相手より自分の立場を低めることで成り立っている行為。

・上司がとってはいけない戦略、仕事を頼む際に交換条件をつけること。部下に「上司の不誠実さ」を感じさせてしまう。

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