小林製薬 アイデアをヒットさせる経営
小林製薬 アイデアをヒットさせる経営
小林一雅
序章 すべては「”あったらいいな”を形にする」ために
・ニッチなマーケットで闘うという小林製薬の在り方、「小さな池の大きな魚」戦略と呼ぶように。
第1章 「わかりやすさ」への挑戦
・一年間の米国留学でマーケティングと広告について学び、得られた教えを一言に集約すると、「わかりやすく相手に伝える」。
・あれこれではなく絞り込んだうえで、効用や利便性を「シンプル」に明記。シンプルであることは「わかりやすさ」そのもの。
・わかりやすさの追求は、ときに「恥ずかしい」「あられもない」といった感情と対峙する場合もあるが、それでも「わかりやすさ」にこだわった。
〇昔の日本では、今よりもその挑戦は大変だったと思います。
・(商品を)実際に使用する方々と対話をしながら、改良・開発を重ね、生活者の言葉から、商品のコンセプトを引き出していく。マーケティングの原理原則。
・経営に執念は必要だが、執着には注意。
第2章 「サムシング・ニュー、サムシング・ディファレント」の追求
・「創造」とは既存のものの「組み合わせ」であり、「学ぶ」は「真似ぶ」。模倣さえできないのに創造ができるはずもない。(中略)模倣というのは、いいところをを自分の頭で理解するための作業。
・経営がおかしくなると、その衰退の兆候が現場にあらわれてくる。一番大事な「お客さま」を中心に起点として考えることの徹底が抜け落ちてしまい、会社の内側に視線が向き始める。
〇答えは顧客が持っていることを忘れないこと。
第3章 新製品開発に生きる
・「少しつくって、少し売り、さらにもう少しつくる」という考え方。通常ならそのまま原価率の高さにつながるが、最初から一斉販売をするより、経営面でのリスクは軽減されるという認識。
第4章 アイデアを生み出す仕掛けづくり、その源流へ
・日本の市場は、世界でも非常に難しと言われているのは、日本の文化や習慣、すなわち美意識や清潔さに対する敏感さが一つの理由。この難しい市場で支持されれば、どこでも有効なコンセプトを見出し、適合する製品を開発できる。
・TDRなどのサービス業で大切にされる「100-1=0」は、どんな商売・ビジネスにおいても大切なこと。
第5章 よき社風の創造と継承
・「仕事とは自分との戦いの連続である」。それゆえに「強いボールを投げ続ける」ことの大切さを伝え続けている。
第6章 全社員経営の道を歩み続ける
・教育は緊張感がある中で行うことが大事。
〇ただ講義を聴くだけでなく、対話や議論をすること。
・会社と社員が一体化して、家族のように運営していく。同族経営ではなく、家族経営主義をベースにした全社員経営を目指してきた。
第7章 「為せば成る」の執念が道を拓く
・一度口にしたことを撤回するのは勇気がいるもの。(中略)だからこそ口にする前にまずはよく見極め、できないことは言わないという姿勢を身に着けること。
・自分で考え得るアイデアとしては極地に達したと思うところからの努力が、自分の潜在能力を引き出すことになり、新たな極地が見えてくる。
・長所9割、短所1割と思い、明るく叱り、引っ張る。
〇明るく叱る、いいなあ。
第8章 失敗から学んだ経営の心 ー 驕らず、謙虚に
・社内で組織改編をする場合、組織図を作る際に「誰にその組織の長をさせるか、させたいかを考え、実際に名前を埋めていく。(人ありきでなく)組織ありきで改革を進めるとどこかに不具合が生じてくる危険性。
・陰徳や埋徳を積み重ねている人は、日々の仕事の中にも「徳」が顕れてくるもの。埋めようとしても、気づく人は気づく。(中略)人の陰徳に気づくことのできる人が、リーダーたるに相応しい人。
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