Humankind 希望の歴史 上
Humankind 希望の歴史
ルトガー・ブレグマン
第1章 新しい現実主義
・大災害は人々の善良さを引き出すが、災害が起きるたびにメディアは、逆のイメージを植え付ける。
・(プラセボ効果の逆の)ノセボ効果。何かを信じるとそれが現実になることがあり、それを避けるための教訓、「考えは単なる考えではない」。予想したことは現実になる。
・「移民や暴力の数が減ると、それらに関する記事が増える」というパターン。(中略)ニュースが伝える破滅や憂鬱さに影響されやすい二つの理由、「ネガティビティ・バイアス」と「アベイラビリティ・バイアス」。
第2章 本当の「蠅の王」
・子供の頃に暴力的な映像を多く見たことと、大人になってからの攻撃性との相関は、アスベストとがん、カルシウム摂取量と骨量との相関より強い。
〇「三つ子の魂百まで」。
・経済学は、人間を理性的で利己的な個人とみなすホッブズの考えを前提。ルソーは、教育の分野に大きな影響。子どもは束縛されず、のびのびと成長するべきという信念を社会に浸透。
・保守主義と進歩主義、現実主義と理想主義、異常全てのグループの起源を遡れば、ホッブズかルソーに行き着く。
第3章 ホモ・パピーの台頭
・人間とネアンデルタール人の関係は、イヌとオオカミの関係に等しい。大人のイヌがオオカミの子供に似ているように、人間は進化の結果、サルの赤ちゃんに似ている。「ホモ・子犬(パピー)」。
・人間は超社会的な学習機械であり、学び、結びつき、遊ぶように生まれついている。顔を赤らめるのは本質的に社会的な感情表現。目に白い部分があるのも人間だけに見られる特徴。(中略)ある人が何に注意を向けているかを、周囲の誰もが容易に察知できる。
第5章 文明の呪い
・定住と私有財産の出現は、人類史に新しい時代をもたらし、1%の人が99%の人を抑圧し、口先の上手い人間が指揮官から将軍へ、首長から王へと出世。人間の自由、平等、友愛の日々が終了。
・定住生活は女性に重い負担を課し、私有財産と農業の始まりは原始のフェミニズムの時代をの終焉を。(中略)性感染症は男性が女性に純潔を求めるようになったもう一つの理由。嫡出子かどうかに加え、性感染症への恐怖がそうさせ、婚前交渉は罪だという考えの発生に。
第6章 イースター島の謎
・多くの環境活動家が人間の回復力を過小評価。暗い考えが自己成就的予言、ノセボ効果となり、温暖化を一層加速させるのでは。気候変動にも新しい現実主義が必要。
・問題だけでなく、解決策も指数関数的に成長する可能性がある。
第8章 「見るグラムの電気ショック実験」は本当か
・悪事を行わせるには、それを善行であるかのように偽装する必要。地獄への道は、偽りの善意で舗装。
第9章 キティの死
・「傍観者効果」。
・逆の傍観者効果。「傍観者の数が増えると、救助の可能性は減るのではなく、増える」。
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