後世への最大遺物

後世への最大遺物

内村鑑三

・後世に遺す第一番は「金」。己の子供だけでなく、社会に遺して逝く。

・我々の今日の実際問題は煎じ詰めればやはり金銭問題。

・「金」を溜めることが下手な人が残す遺物は「事業」。事業とはすなわち金を使うこと。労力を使って事業に変じ、事業を遺して逝く。金持ちと事業家は別物、商売する人と金を溜める人は人物が違うように見える。

・金を溜めることも事業をすることも許されなければ、「思想」を遺すことができる。思想そのものだけを遺していくには文学によるほかはない。文学は心に常に抱いている思想を後世に伝える道具に相違ない。

・思想のこの世の中に実行されたものが事業。

・名論卓説を聴きたいのではない。ありのままの心のままを聴きたい。それが文学。自身の心のままを表白すれば、文法が間違っていても世の中の人が読んでくれる。それが我々の遺物。

・学者はいくらでもいるが、教えることのできる人は少ない。(中略)学問さえすれば、思想さえあれば先生になれるという考えを抛却しなければ。(中略)文学者になりたい、学校の先生になりたいという望みがあっても、誰にでもできるものではない。

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