【創作洋食 ハチロク】森鉄雄さん

板橋区の起業家インタビュー、第9回目は「創作洋食 ハチロク」を営む、森鉄雄さんにお話を伺いました。

作家のKさんが行きつけだということで連れてきてもらったのですが、接客が気持ち良く、思わず「インタビューさせてください!」と声を掛けたところ、快諾してもらいました。

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-2018年10月にオープンされたんですね。以前は何をなされていたのですか。

森さん:オープン前は池袋のイタリアンの店で6年間店長を務めていました。僕に力を蓄えさせてくれた場所です。社長は、店長である僕に経営のほぼすべてを任せてくれる人でした。「経営を見れる」環境は今思うととてもありがたかったです。

-飲食の道を選ばれた理由を教えてください。

森さん:専門学校を出て、20歳の時に銀座のフレンチレストランに勤めたのですが、二つ理由がありました。一つ目は、「食える」こと。何があっても目の前に食べ物があるというのは大きいですよね。

-確かに。私も役者を目指して上京した時、アルバイトは「まかない」があることが必須でしたからよくわかります(笑)

森さん:それから二つ目は、「カッコいい」と思ったんですね、単純に。それで働き始めたのですが、そのお店はバチバチの体育会系で「カッコいい」の裏側は大変なものでした(笑)。ですから人の出入りが多い店だったのですが、2年間頑張りましたね。

森さん:その後、色々なお店も経験したいと思い、しばらくはカフェや居酒屋、雑貨屋などで働きました。25才の時、青山のバーダイニングで店長兼料理長を2年半務めました。そこではバーテンとしてお酒のことを学ぶこともできました。

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-いつ頃から独立を考えていましたか。

森さん:銀座で働き始めた頃から、いつかは自分の店を持ちたいと思っていましたが、一番考えていたのは、青山のお店の時でしたね。実は、結構暇な時間があったんです(笑)。暇っていうのは冗談ですが、お店が空いている時などに、お客さんに喜んでもらうためにはどうすれば良いか、どうやったら良い店にできるか、経営するならどうするか・・・。

-その上で、池袋の6年間があったんですね。社長さんに独立の話をされたときはどんな感じでしたか。

森さん:「ついにきたか・・・」と。当時は僕がお店からいなくなったら社長も大変になることはわかっていましたし、正直ずっと社長と一緒にやっていきたいという気持ちも多少はありました。ですが、社長は背中を押してくれたんです。このお店(ハチロク)を出すにあたって物件探しを手伝ってくれたり、たくさんのアドバイスも貰いましたね。

-独立して良かったと思いますか。

森さん:はい、良かったと思います。やっぱり一国一城の主として、自分のやりたいようにやれますから。ただ、一つ誤算だったのは、頭を下げたくないから独立しようという一面もあったのに、独立した方が人に頭を下げることが多くなったことです(苦笑)。大人になったということですね。

-池袋の社長さんとは今もお付き合いがあるんですね。

森さん:はい。数カ月に1回はここに顔を出してくれたりします。気にかけてくれているんですね。

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森さん:池袋にいた頃から考えていることですが、目標があるんです。今35才ですが、50才にはこうなりたいという夢があります。それは海辺に一軒家を立ててのんびり暮らすこと。とはいえ漠然と考えているのではなくて、どんな外観にしようか、庭はこういうレイアウトにして、内装はこうで、犬を飼い・・・と、具体的にイメージしています。リアルに脳に未来を見せることが大事だと思います。逆算することです。

森さん:逆算するために、一時期「フランクリン・プランナー」を愛用していました。

森さん:スティーブン・R・コヴィーさんの「大きな石を入れる」話が好きで、優先順位を間違えないこと、というのが自分の軸になっています。「明確な目標」を持つことが大事だと思います。

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-森さんは従業員を雇用されていますが、教育についてはどのようにお考えですか。

森さん:「死ぬほど考えろ」とはよく言っています。とことん自分とにらめっこしなよと。それこそ「妄想レベル」まで(笑)。ですから、従業員と話すときは、まずは相手の考え方を聞くようにしています。例えば、従業員一人一人とってもレベルに違いはありますから、まずはよく聞く。

森さん:あとは、先ほど明確な目標を持つことが大事、と言いましたが、若い人には努力の方向を間違えるな、と伝えています。成功するために努力をすれば報われるけど、間違った努力は意味がないよと。優先順位を考えてほしいですね。

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-森さんが思う「自律型人材」とはどのようなものでしょう。

森さん:自律型人材は、「姿勢」で判断できると思います。言いかえれば「やる気」でしょうか。そこに誠意があるかないか。「できない」と「やらない」の違い。お店に入ったばかりの子が仕事ができなくても叱りませんが、やらなかったら叱ります。

森さん:「昨日と今日で言うことが違う」ことを悪のように言う人もいますが、それを判断するのも自律型人材ならでは。良い方向に向かうのなら、それも良いのではないかと思います。

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-最後に、これから起業を目指す若者にメッセージをお願いします。

森さん:夢を夢で終わらせないように、現実に落とし込める人が自律型人材です。そのために、自分を満足させる目標を持つこと。「自分のお店を持ちたい」という人の中には、言葉は悪いですが「おままごと」感覚な人もいます。でも経営って、緻密なシュミレーションが必要ですよね。お金周りのことも含めて現実を見つめることを意識してほしいです。

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「対話型OJT」を献本させていただきました。

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インタビュアーの林(ラーンフォレスト合同会社 代表社員)は、上記の「対話型OJT」をもとにした、新人の適応を促す「上手な仕事の教え方」を研修にてお伝えしています。

「従業員には、僕(森さん)と関わっている間は、僕を利用して成長してほしい」という森さん。池袋の社長さんの思いを継承されているのだと思います。インタビュー終わりの「これだけ言いましたが、最後は精神論。人は気持ちで動く!」という言葉に森さんの熱意を感じました。

森さん、どうもありがとうございました!

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