Chatter 頭の中のひとりごと

Chatter 頭の中のひとりごと

イーサン・クロス

はじめに

・苦痛を感じているときに内省を実行しても有害無益。仕事のパフォーマンスを低下させ、適切な判断を下す能力を阻害し、人間関係に悪影響を及ぼす。

第1章 内なる声はなぜ存在するのか

第2章 自分に話しかけることが引き起こす問題

・時間の経過のお陰で、自分が感じていることや考えていることに思いを巡らせ、それに伴い気持ちが落ち着く場合が多い。「時間は癒し」「時間をかけよう」というアドバイスは研究に裏付けられている。

・人間は、お金をもらうよりも自分自身に関する情報を共有する方を好む。「社会的高揚感(social high)は、ドーパミン受容体への心地よい刺激である「神経的高揚感(neuroral high)に似ている。

・フェイスブックの画面を受動的にスクロールし、他人の生活を覗いている時間が長いほど、人は妬みの感情が大きくなり気分が落ち込む。

・ある特定の種類の遺伝子を持っていても、じっさいに作用するとは限らない。遺伝子が発現するか否か。(中略)チャッターが引き起こす慢性的な脅威を経験すると、遺伝子の発現に影響が。

・細胞が慢性的な「心理学的脅威」の経験を、身体的な攻撃を受けるのと同様の敵対的な状況であると直感的に解釈。内なる会話が頻繁に脅威システムを作動させると炎症遺伝子が発現。短期的には守るためだが、長期的には害に。ウィルス性の病原菌を撃退するような正常な日常的機能を実行する細胞が抑制され、病気や感染が生じやすくなる。

第3章 問題からズームアウトする

第4章 「距離を置いた自己対話」の恩恵

・一人称の「私」の代わりに二人称の「あなた」や三人称の「彼・彼女」を使うことで、感情的な距離を取るためのメカニズムが手に。距離を置いた自己対話は、人間の言語構造に埋め込まれた心理的技術。

・距離を置いた自己対話が内なる声の流れに影響を及ぼすことができるのは、誰しもが備えている能力を利用すること。ストレス源を脅威でなく、挑戦と解釈する能力。

・内省の際に自分を指す言葉を少し変えるだけで、さまざまな領域でチャッターを制御する能力に影響。

・普遍的な「あなた」を使うことにより、ネガティブな経験の意味を理解したり辛い出来事を自分に特有ものでなく、人生の一般的な特徴であるとみなしたりする。

第5章 他人との対話がもたらす功罪

・支える側に、認知的な欲求にアドバイスを与えるよう求めても、相手の感情的な欲求に対処することが大事だと考える傾向。それが往々にして裏目に。

〇客観的、多面的な意見を求めているのであれば、愛情を持ちつつアドバイスを、ということでしょうか。

・最も効果的な対話は、支えを求めている人の社会的欲求と認知的欲求を統合するもの。

・FBIの「行動変容段階モデル」。一歩づつステップを踏んで交渉人を導く。「アクティブ・リスニング⇒共感⇒相互信頼⇒影響⇒行動変容」。相手の社会的・感情的欲求を満たし、認知的能力を利用した解決へとつなげるロードマップ。

・自己効力感が損なわれると自尊心が傷つくだけでなく、健康、意思決定、人間関係にもダメージが。

・皮膚は「社会的な器官」。他者との触れ合いは、感情に恵みをもたらす継続的な非言語的会話の一部。

人は皮膚から癒される

第6章 環境の持つ力を利用する

・自然はある種の電池として働き、脳が持つ限られた注意力の資源を再充電する「注意回復理論」。

・「非自発的注意」と「自発的注意」。非自発的に何かに注意を向けるのは、注意の対象が本来持つ興味深い性質に労せずして注意を惹かれるから。(中略)注意が優しく引き寄せられる過程は、「柔らかな魅力」。

・仮想的自然も、心にとって自然であることに変わりはない。

・雨音やコオロギの鳴き声などの自然の音を参加者に聞かせると、注意力を要する課題の成績が向上。音の形で接する自然も「柔らかな魅力」を構成。(中略)内なる声のコントロールに役立つものは自然環境に限られず、コンサートや美術館、赤ん坊がはじめて歩くことからも見い出せる。

・「畏怖」の効力は、自分を小さく感じさせる力、自我よりも大きなものに心のコントロール権を譲るよう促す力として発揮。

第7章 化学が解明した「信念」の力

・縁起物やお守り、癒す人の存在(シャーマンや信頼厚い医師など)、特別な環境といったプラセボが楽にしてくれると信じていれば、実際にそうなるという研究結果が多数。

・脳の働きを統率する際、「予想」が重要な役割。(中略)自分に何ができるか、結果がどうなるかを予想する力。生活の1秒1秒を予想に頼っている。(中略)意識的・無意識的に次に何が起こりそうかを絶えず予測し、脳がそれに応じた反応をすべく準備。

・予想へと至る経路、拡大解釈すればプラセボは、前意識。綿密な思考の産物でなく、自動的、反射的な反応。

・儀式は、多くの人がチャッターを経験する際に自然に便り、内なる声が軽減される。

〇ルーティーンが人を落ち着かせてくれますね。

・儀式は、畏怖の念を抱かせ、私たちの視野を広げ、自分の気がかりなど取るに足らない懸念だと感じさせる。プラセボとしても作用。儀式が助けてくれると信じれば、助けてくれる。

・文化は、心や行いを形成する信念や慣行。チャッターと闘うツールを提供する仕組み。

結論

・「娘たちが初めて『パパ』と初めて言った時のことを思い出すだけでも、心に畏怖がよみがえる」。

〇初めて立っちした瞬間、ハイハイでお出迎え・・・。確かに、畏怖です。

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