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心の中のブラインド・スポット

M・R・バナージ+A・G・グリーンワルド

 

第1章 マインド・バグ

・誤った目撃証言がもたらした不当な有罪判決は相当数に上ることが明らかになっている。不当な有罪判決のうち75%近くが、誤った目撃の記憶による。

○人間の記憶は簡単に置き換わる。

・高齢者を対象とした調査で、自分が若かった時に持っていた高齢者に対するネガティブな信念が、心臓病に罹患しやすいことを予測していた。

○病は気からと言いますが。

 

第2章 真実の裏の顔

○人間関係を円滑にするための嘘。正直すぎると軋轢が生まれるということ。

 

第3章 ブラインド・スポットの中へ

・IAT(潜在連合テスト:Implicit Association Test)。脳が過去の経験から蓄積したことを反映する。

・カテゴリーが「良い」「悪い」など、共通の特徴で関連付けられる場合、共有された特徴を「ペイレンス」もしくは「感情価」と呼ぶ。花と「きれい」や「楽しい」、「友達」などの快語や、虫と「悪魔」や「吐く」、「苦痛」などの不快語。共有されたペイレンスがないときには2つのカテゴリーに関連性を見いだすのは難しい。

・2つのカテゴリーを1つに結び付ける心的接着剤は、心理学の古い概念「心的連合」に対応。

○このテスト、やってみましたが、確かに、選びやすい方に引っ張られました。

 

第4章 矛盾する2つの心

・(内省的な心と自動的な心に矛盾が生じるような)心のシステムの不整合のことを、心理学者は「解離」と呼んでいる。心理学で最も強力な概念。定義は「1つの同じ心の中に、互いに孤立し、相矛盾した概念が同時に存在すること」。

○ジャマイカ人を母に持つ著名な作家が、人種IATを受け、「中程度の白人の選好」があるという結果。最愛の母、と思っているのに・・・。

・記憶研究や心理学者に、心はどれくらい非意識的に働いているか、と尋ねると「80~90%くらい」だと。

・前向性健忘症の患者(脳損傷以前の記憶は残っているが、損傷後の記憶は覚えられない)に、男性2人の写真を見せ、それぞれ善い行い、悪い行いをする人と説明。その後の記憶テストで、行為は全く覚えていなかったが、「良い人か悪い人か」と尋ねると驚くほど正確に答えることができた。この実験は、心的プロセスが自動的(感情)と内省的(理性)の2種類に分離していることを明らかにした。

・IATと同様に、笑いという行動は自動的で偽装するのが難しいので、笑いは私たちの心のなかを表に知らせる指標としての役割を持つ。

・高齢者への「年齢アイデンティティIAT」の結果、「自己-高齢」よりもはるかに強い「自己-若齢」連合を持っていた。高齢者は内省的にも自動的にも、高齢というラベルを自分に当てはめていない。

○自分はまだまだ若い、と言っている人がお元気なのが証明されているのでしょうか。

 

第5章 タイプ分けしたがる人間

・ステレオタイプの実験で、アメリカ人の典型的特徴を記述するよう言われ、「物質主義的」「野心的」が多く選ばれていたが、これは白人の男性で大人のアメリカ人をイメージしたものと想定。アメリカ人の女性や子どもを思い浮かべていたら出ない特徴。

 

第6章 ステレオタイプの危険性

・人はしばしば自分自身が属する集団に対してネガティブな自動的ステレオタイプを示すものだということがわかっている。

・ステレオタイプ脅威とは、ネガティブなステレオタイプを受けている集団のメンバーが、その集団のメンバーであると思うだけでテストの遂行成績が悪くなる現象。数学-女性、黒人達成的テストなど。

・ジェンダーステレオタイプ。恋愛相手と王子様を強く結びつけている女性ほど、自分自身での地位や権力への願望は低かった。

○思い込みが現実に影響を与えると。

・34か国の「ジェンダー-科学」ステレオタイプをIATで計測。「科学-男性」ステレオタイプがその国で強いほど、少年少女の数学及び理科の性差が多きいことがわかった。

・数学能力の性差が大きかったのが近年急速に縮小。生得的な能力差を表しているという信念は打撃を与えられた。

 

第8章 バイアスをつくり出すマシーンといかに戦うか?

・心に潜むバイアスのマインド・バグはちょっとした介入によって弱められることをデータは示していた。

○「白人=良い」、「若さ=良い」の連合を弱める。

・伸ばされた輪ゴムのように、実験で受けた連合はすぐに元に戻ってしまうのではないか。

○長年の蓄積、文化や偏見はそう簡単には根絶できないと。だけど、「マインド・バグ」を知っていることによる自分自身の修正を心掛けることは大事ですね。

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