発想法

発想法 

川喜田二郎

Ⅰ 野外科学

・発想法という言葉は「アブダクション」がよい。「インダクション(帰納法)」「デダクション(演繹法)」と並列。

・実験科学は仮説を検証するところに重きがあるが、野外科学は仮説を発想させる方法と結びついている。

・野外科学が確立されれば、書斎科学、実験科学と相まって、科学というものがバランスを持った姿を呈す。

○この図解はわかりやすい!

Ⅱ 野外科学の方法と条件

・どういう問題が追及するべきものかを提起するためには自分の頭の中を探検する「内部探検」が必須。

・「定量的」ということは、実験科学的方法に比べて野外科学的方法ではあまりとらわれてはいけない。探検的な方法で情報を集める時には「なんとなく関心を引く情報」は何でも集めるという態度が必要。

・発想法は電算機に置き換えられるのではなく、電算機を賢明に使う方法に通じる。

Ⅲ 発想をうながすKJ法

Ⅳ 創造体験と自己変革

・空間的な関係認知能力ができるのは平均的に5歳くらいから。時間的にみて鎖状に前から後ろへつながる意味での関係認知能力ができるのは、10歳前後だという。

・人間は大人になる過程で、二つの関係認知の方法を相互に関連させ、互いに他方の弱点を補強する道具に使っていることになる。

○A型の図解、B型の文章化。優劣ではなく、補完する。

Ⅴ KJ法の応用とその効果

・KJ法は「自分の頭の中のどこかでやっている思考のコピーである。ただそれを、頭の中だけでなく、かなりな部分を外に取り出してやっているだけである」。

Ⅵ むすび

・現場を扱っている技術者でさえも、ときとして実験科学的方法で扱えそうな問題だけに自分の仕事の世界を限る。

・野外科学的方法の思想的背景。人間が物事を成すにあたっては、自らの内なる意図を外に働きかけて設計し造形するだけではだめで、逆に外のものを虚心に受け入れて考えようという、徹底した受け身の精神が宿っている。

・西洋的な「有の哲学」に対して、東洋的な「無の哲学」。

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